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2003/05/09
斎藤一人の百戦百勝
事業所得だけで9年連続長者番付ベスト10入りを果たした、日本を代表する大金持ち、そして商人である斎藤一人氏の本を紹介しました。
平易な言葉で書かれていますので、さっと読み流せます。ただそうすると、単なる精神論、教訓ととれてしまいそうです。
ところがじっくり読むと、伝えようとしているのは、戦略論やマーケティング論と同じものであることに気づかされます。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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=今週の選書=
■斎藤一人の百戦百勝
■小俣 貫太(著)
■東洋経済新報社
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■■ 選書サマリー
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【1】
すべての生活、すべての経験は魂を向上させるためにある。人間は
幸せになるために生まれてきた。だから「楽しい」と思いながら生
きていきたいと思っている。
だが、現実には楽しくないようなことも起こる。それは神様がいろ
いろな課題を与えてくれていると思えばいい。
楽しくないことは、神様が「これでも楽しくしていられるか?これ
ではどうだ?」という具合に自分を試していると考えればいいのだ。
これに対して自分を楽しくする色々な方法を身につけていく。こう
していろいろな課題を乗り越えることで、人生は「楽しい」と思え
ることが段々増え、幸せと思えるときがより長くなっていく。
【2】
人生を豊かにすることは、商売で連戦連勝するためのコツと同じだ。
精神的に豊かになることができるなら、経済的に豊かになることも
できる。
よく生きる方法と、よく稼ぐ方法は全く同じなのだ。人生の生き方
を覚えれば、商売など簡単だ。
商売で勝ち続けるには、商売が楽しくなるように、自分の考え方を
変えればいい。ところが現実に商売していると、大小様々な問題が
起こる。景気が悪くなったり商品に難癖をつける人が現れたりする。
そんな問題が起きたら、それがプラスに作用するように、自分の考
え方を変えてしまえばいい。自分の考え方を転換することで、商人
としての手腕は上がる。これは自分の魂を向上させることでもある。
【3】
商人としての人生は、魂がどれだけ向上したかわかり易い。なぜな
ら商人が正しい商売のやり方をしていると、神様は儲けという報酬
を与えてくれるからだ。
商人が魂を向上させれば、神様はその度合いに応じて、最後に円の
ついた点数、つまり儲けをくれるのだ。
商売の手腕を上げて魂を向上させれば、より大きな儲けが与えられ
るし、魂の向上がなければ儲けもゼロになる。
このように儲けというわかりやすい基準を目安にして、精神を豊か
にすることと、経済的に豊かになることが同時にできてしまう商人
は、とても便利でお得な人生を生きていると言える。
【4】
現代人は皆お金を稼ぐことで生きている。お金を儲けるという行為
はすべて商売と言える。つまり現代人は、皆商売をする商人なのだ。
サラリーマンや主婦も例外でない。ところが今の日本には、本当は
商人のくせに、そう思っていない人が多すぎる。
例えば、サラリーマンは、自分の能力や労働力という商品を会社と
いう客に買ってもらって、給料という儲けを得ている。
また主婦は夫と家庭というお店を共同で経営している。サラリーマ
ン家庭なら、主婦は家事という働きで、サラリーマンという商品を
夫と共同で作っているのだ。
このように、いわゆる商売人と見られている職業以外の人でも、す
べての現代人は、お金を儲けるという活動に参加して生きる以上、
商人なのだ。
【5】
商売で遭遇する困難を乗り越えるには、自分の考え方を変えること
だ。物事を前向きにとらえるようにするのだ。
例えば、商売に伴う困難ばかりに目がいくと、商売は不安で恐ろし
い物になる。ところが「商売は冒険の旅だ」と考えれば一転する。
冒険には、様々な危険が伴うのが当たり前だ。その危険を自分の力
で乗り切るからこそおもしろい。また危険を乗り切れば、そこに素
晴らしい、未知の世界が広がる。
商売も冒険の旅と考えれば、今まで単に恐ろしかっただけの危険も、
まるで登山家にとってのエベレストのように「困難だからおもしろ
い」と思えるようになるのだ。
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■■選書コメント
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事業所得だけで9年連続長者番付ベスト10入りを果たした、日本
を代表する大金持ち、そして商人である斎藤一人氏の本を紹介しま
した。
平易な言葉で書かれていますので、さっと読み流せます。ただそう
すると、単なる精神論、教訓ととれてしまいそうです。
ところがじっくり読むと、伝えようとしているのは、戦略論やマー
ケティング論と同じものであることに気づかされます。
例えば、市場参入のタイミングの重要性を説くのに、「馬券を買うと
きに、2レースの予想を立てて、1レースや3レースの馬券を買った
ら馬鹿だよね」という表現で解説しています。
以前にも紹介しましたが、私は自分のコンサルタントの師匠に「一
流のコンサルタントは難しいことを簡単に言う。3流のコンサルタ
ントは簡単なことを難しく言う」と言われました。
こう考えると世の中には、3流のコンサルタントがいかに多いかが
わかります。小難しい理論を並べ立てないとお金がもらえないと考
えるコンサルタントが多いのです。
そういう人の話を聞いて理解できないと「自分は頭が悪いのだろう
か?」と自己嫌悪に陥ります。しかしそんな人の話は、コミュニケ
ーション力を欠く3流の人の話ですから、聞く必要ありません。
商売でも、コンサルティングでも、執筆でも、大事なのは、人に伝
えるコミュニケーション力です。そう考えると、超一流の商人であ
る斎藤一人氏の表現がわかり易いのは当たり前かもしれません。
また彼の弟子たちが、皆、億万長者になっていることを考えると、
彼はコンサルタントとしても、超一流だということが分かります。
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