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2003/07/18
採用の超プロが教えるできる人できない人
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━< 読者数16800部 >━━
=今週の選書=
■採用の超プロが教えるできる人できない人
■安田 佳生 (著)
■サンマーク出版
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■■ 選書サマリー
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「採用の超プロ」が教える「本当にできる人」を見抜く方法を公開。
いままで誰も語らなかった最前線の人材論で、知りたかった「本当
にできる人」の傾向と対策がバッチリ分かります。
【1】
この不況下にあって、会社が生き残るには「人」に投資をするほか
に道はない。会社のやりくりが苦しいご時世、売り上げ増も期待で
きないし、仕入れ先も目一杯だから、原価削減も行きづまっている。
となると経営幹部の考えることは決まっている人件費削減だ。人件
費を絞れば会社は楽になる。だがこの考え方こそが会社を滅ぼす。
本来なら自社を日本一いや世界一、人件費の高い会社にするべきだ。
この考え方に立てばこそ、会社は生き残ることができる。
なぜなら、人件費が高いのは、できる人材をたくさん抱え込んでい
ることを意味するからだ。人件費が増えるということは、いい人材
が増えてきたという喜ぶべき事態なのだ。
【2】
いい人材とは、入社して2、3ヵ月で給料分以上の働きをする黒字
社員だ。そんな人材は一年でリーダー格の入社5年目ぐらいの先輩
をすぐに追い越してしまう。
5年やってきた人が、これから伸びる新入社員に抜かれたら、もは
や奮起しても抜き返せないだろう。これに気付いて辞めてしまう先
輩社員も増えるだろう。
こうして、いい新卒を採れば、人の入れ替わりが激しくなる。定着
率の高い会社には、行き場のない人が定着していることも多いので
これ自体悪いことではない。大事なのはできる人が辞めないことだ。
新人に抜かれた本人が「彼のほうが仕事ができるのだから当然だ」
などと言える人間なら、その人間は地力はある。しかし追い抜かれ
るような人はほとんど自分の無能に気づかずに不満を抱く。
反対に先輩社員を抜いたほうの新人をきちんと評価しなければ、辞
めて評価してくれるところへ行ってしまうだろう。まちがっても、
ダメなほうを残して、できるほうを他社へ流出させてはいけない。
【3】
そのためには、まず社員の実力を正当に評価することだ。評価には
地位の向上もあるが、端的には報酬のアップが効果的だ。
豊臣秀吉はその生まれゆえに子飼いの家臣が少なく、戦のたびに手
柄を立てた部下に褒美をはずんで忠誠心を育て、その弱点を補った。
報酬をアップさせれば人件費は上がる。そのため評価したい人間が
社内に多くなれば人件費は大きくなる。
しかしこれを頭で理解しながら、体でわかっていない経営者が多い。
だから、これだけ実力主義の時代になりながら、年功序列志向が一
朝一夕で改まらないのだ。だが、変われない会社は生き残れない。
【4】
「毎年何十万人もの大学生が企業のドアをたたくのに、わが社には
優秀な学生がやってこない」と嘆く経営者が多い。こういう会社の
経営者は「できる社員との出会いは運だ」と考えている。
特に年配の経営者は「雇っている」という気持ちが強い。そのため
人材とは、向こうから頭を下げてくるモノだと思っている。これで
は本当にできる人材は来ない。
本当にいい人材は、こちらから取りに行かなくてはだめだ。最近の
社員は「雇っていただいている」という気持ちが無い。特に仕事が
できる人ほどその気持ちが強い。そして彼ら今も売り手市場なのだ。
頭を下げて「雇ってください」言ってくる人は、間違いなく仕事が
できない人だ。だから経営者が頭を下げてでも欲しい人材を引っ張
ってきたら、それだけでその会社はのびるはずだ。
【5】
「企業は人なり」という経営者が、できる人材を探す努力もせずに
運に頼ったり、採用に年間数百万円しかお金をかけなかったりする。
本気で採用しようと思えば、一人200万円程度はかかるはずだ。5
名採用すれば1000万円だ。これをあなたは高いと考えるだろうか?
一人の社員が10年間働けば、その人材にかかるコストは5000万円
位、それは人材の善し悪しに関わらない。できる人材がもたらす利
益を考えれば、200万円くらいの違いは安いモノだと思う。
入社後の研修や教育にお金をかけるくらいなら、採用にお金をかけ
るべきだ。いい人材はすぐに戦力になるからだ。だめな人材はどれ
ほど研修費をかけても、決してできる人材にならないからだ。
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■■ 選書コメント
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できる人できない人と言いますが、どんな人材になれば、会社から
評価され、他の会社からも求められるのでしょうか?明確な基準は、
よくわかりません。
ちなみに超小企業経営者である私の、シビアな目で見た、使える
人物像とはどんな人でしょう?なんだかんだ言っても、仕事に対す
る思い、つまりその仕事が、好きかどうかに尽きると思います。
仕事をさせると、言われたことも満足にできない人もいれば、言わ
れたことだけやる人もいます。さらに工夫してやる人といます。こ
れは素質の問題以前に、その仕事が好きかどうかだと思います。
これは、週末起業家を見るとよくわかります。ご存知の通り、私は
「会社を辞めずに、週末には自分のビジネスを持とう!」と、週末
起業というライフスタイルを提唱しています。
それを実践する人を週末起業家と呼びますが、彼らの中にはサラリ
ーマンとしてはまるでうだつが上がらない(失礼!)のに、週末の
仕事になるとばりばりと仕事をこなす人がいます。
週末だけとはいえ起業家ですから、その仕事をこなすことは簡単で
はありません。商品開発から営業、仕入れ、受発注、顧客対応、ク
レーム処理、債権回収、全部自分でやらなくてはならないのです。
まして本業もあるのですから大変です。ところが、それをまるで曲
芸のように起用にこなす人がいるのです。「平日の日中、鋭気を養
っていますから...」と悪びれていますが、大したものです。
その違いは、やはり思いの違いなのでしょう。やらされているので
なく好きでやる仕事だから、能力が最大限発揮できるのです。
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