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2003/08/01
金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法
一生を終えるまでせっせと働きつづけるのはいやだと思う人に「若くして豊かに引退する」方法を伝授します。お金の世界で一番大事な言葉はキャッシュフローだ。次に大事な言
葉はレバレッジだ。レバレッジとは、より少ないものでより多くを
する「てこの力」のことだ。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 16650部>━
=今週の選書=
■金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法
■ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター (著)、白根美保子(訳)
■筑摩書房
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■■ 選書サマリー
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一生を終えるまでせっせと働きつづけるのはいやだと思う人に「若くして
豊かに引退する」方法を伝授します。
【1】
お金の世界で一番大事な言葉はキャッシュフローだ。次に大事な言
葉はレバレッジだ。レバレッジとは、より少ないものでより多くを
する「てこの力」のことだ。
これこそがこの世にお金持ちと、貧乏な人がいる理由だ。より豊か
に、より早く引退するには、仕事の量を減らして、より多くのお金
を稼ぐ必要がある。そのためにはレバレッジを使うことだ。
レバレッジは力だ。だから自分の有利にも不利にも働く。それをう
まく利用する人も、間違って使う人もいる。若くして豊かに引退し
たいなら、レバレッジの原理を理解しうまく利用することだ。
アメリカに金持ちが5%もいないのは、レバレッジの使い方を知る
人がそれしかいないことを意味する。その使い方を間違えたり、使
うことを恐れたりしているうちは決して金持ちになれない。
【2】
レバレッジは、いろいろな形で存在している。お金に関して言えば
借入金による「てこ入れ」がその例だ。このレバレッジは、間違っ
て使われることが多いので、深刻な問題になっている。
このような乱用の結果だけをみて、お金のレバレッジを怖がる人は
多い。そういう人は「クレジットカードにはさみを入れ、住宅ロー
ンを早く返して借金から抜け出せ」という。
だが、カードにはさみを入れても金持ちになれない。借金は恐れる
のでなく利用するべきものなのだ。ただし借金には、いい借金と悪
い借金がある。いい借金は人を金持ちに、悪い借金は貧乏にする。
私が若くして豊かに引退できたのも、いい借金、すなわち人を経済
的に自由に、豊かにしてくれる借金を山ほど抱えていたからなのだ。
【3】
借金同様、頭脳もレバレッジと言える。実は人を金持ちにするのは
お金でなく頭脳の力なのだ。
適切な言葉を頭の中で使えば金持ちになれる。反対に間違った言葉
を使えば、貧乏になる。言葉はタダだから、金持ちになるためにお
金はいらないとさえ言える。
例えば、貧乏な人はよく「それを買う金はない」と言う。だがそれ
を口に出した時点で、それは現実になる。それが貧乏な人の貧乏た
るゆえんなのだ。
金持ちになる人は、お金がないなら何ヶ月でも「どうやったらそれ
を買うことができるのか」を考える。この力こそが金持ちをどんど
ん金持ちにするのだ。
【4】
同じように「投資は危険だ」と考える人にとっては、必ずしも危険
とは言えない投資が、本当に危険なものになる。もちろん投資には
危険が伴うが、それは車の運転に危険が伴うのと同じことだ。
大事なことは、危険の見返りに得るものが自分にとって有利かどう
かなのだ。10回のうち、たった1回しか成功しなくても、1回の成
功から得られる見返りが9回の失敗を上回るなら有利と言える。
ところが多くの人は、何が賢いかとか、何が危険かを基準に考えよ
うとする。だからダメなのだ。金持ちになりたいなら、リスクとそ
こから得られるリターンを基準に考えるべきだ。
危険だとか、間違っているとか、いいとか悪いとか言う前に、リス
クとリターンをはかりにかけたらいいのだ。見返りのほうが大きけ
れば、それを手にするまで何度失敗しようと関係ないはずだ。
【5】
一度も失敗せずに、常に勝とうとするのは敗者の戦略だ。勝者の戦
略には失敗が含まれている。これは引退後の計画を考えるときも同
じだ。
敗者は負けることを徹底的に避ける。だからお金を確かなものにし
かかけない。例えば安定した仕事や固定給、年金、銀行預金などだ。
そして負ける可能性を考えない。引退後はそれまでの自分の蓄えで
大丈夫だと考える。だが引退してから市場が暴落することもあれば、
長生きして蓄えが底をついてしまう可能性だってあるはずだ。
敗者が負け続け、勝者が勝ち続ける理由はここだ。すなわち敗者は
失敗する可能性を全く考慮しないが、勝者は敗北が勝利の一部であ
ることを知っているのだ。
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■■ 選書コメント
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金持ち父さんシリーズの第5弾です。テーマは「若くして引退、あ
とは人生を楽しもう」です。なんとも魅力的な響きじゃないですか!
個人的な話で恐縮ですが、著者ロバート・キヨサキ氏には大変お世
話になりました。私の新刊が「週末起業」が筑摩書房より8月13
日に発売されるのですが、そのオビに推薦文を入れてくれたのです。
だから持ち上げるわけではありませんが、本書はシリーズの中でも
密度の濃い一冊です。特にこれまで大事とされながら、語られるこ
とのなかった"レバレッジ"について一冊まるごと割かれています。
若くして引退するためには、給料以外の収入源を見つけなければな
りません。引退したら給料はもらえなくなってしまうからです。だ
からレバレッジの効いた収入源が必要です。
でも、一体どうすればいいのでしょう? 残念ながら、本書にはこれ
までのシリーズ同様、具体的な答えは書かれていません。代りにお
金や人生に関する考え方を変えるヒントがたくさん書かれています。
特に、我々がとらわれている"お金に関する間違った先入観"を取
りはらう話が、てんこ盛りです。これを読めばあなたの眼からウロ
コがぽろぽろ落ちるはずです。
「なーんだ、考え方?考え方じゃ飯は食えないよ」そんなふうに考
えるなら、あなたはこの間違った先入観にがんじがらめになってい
る証拠です。
金持ち父さんに言わせると、この世のほとんどの人がお金持ちにな
れないのも、いつまでも引退できずに働き続けなくてはならないの
も、このまちがった先入観のせいなのです。
会社に勤めていると「お金を得ること=給料をもらうこと」とい
う先入観にとらわれています。だから不況になって倒産やリストラ
が現実のものになると、まず転職雑誌を手に取ってしまうのです。
また収入の目減り分を補填するためには副業、防衛策なら資格取得
や英会話、パソコン教室など、雇い主に自分を少しでも高く売るた
めの努力です。
でもこれらはいずれも給与所得から解放ではありません。一度でい
いから、給与所得以外の収入の可能性を、考えてみたいものです。
いろいろあるはずです。
例えば、起業、不動産、株式、印税、特許などなど。いずれにして
も、働けばこそ得られる収入からできるだけ早く脱却することこそ
が豊かに、早く引退するための秘訣なのです。
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