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2003/10/10
クチコミュニティ・マーケティング2?実践編

クチコミュニティ・マーケティング2?実践編

『クチコミュニティ・マーケティング』の発売から1年。今回は具体的ノウハウを紹介する「実践編」です。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 18580部>━
=今週の選書=
■クチコミュニティ・マーケティング2?実践編
■日野 佳恵子
■朝日新聞社
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■■  選書サマリー

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『クチコミュニティ・マーケティング』の発売から1年。今回は具
体的ノウハウを紹介する「実践編」です。

【1】

もはやクチコミでしかものは売れない。クチコミ社会は、どんどん
進んでいる。消費者は広告では心を動かされなり、モノを買わなく
なった。この傾向は、もう止まらない。

統計を見ればわかることだが、情報収集先では、TVコマーシャル
がダントツの1位だ。

他にも、折り込みチラシ、テレビ番組、本や雑誌、新聞の記事や広
告、サンプル、ダイレクトメール、テレビショッピングなど、消費
者は多彩なメディアから情報を得ている。

だが、消費者が「何を信じているのか」と言えば「クチコミ」だ。
情報に対する信頼度は、他のメディアに比較して、口コミが圧勝し
ているの。消費者が信じているのはクチコミなのだ。

【2】

なぜ、人は広告でなくクチコミを信じるのか、それは情報の変化に
関係がある。ここでいう変化は大きく4つある。まず人は広告では
心が動かなくなった。


世間に広告が溢れた結果、消費者は情報通になり、広告離れした。
広告は面白く、楽しめればいいもので、心をときめかすものではな
くなった。結果、広告では購買決定に至らなくなった。

一方、クチコミは、他人の経験が中心だ。だから聞いた人は疑似体
験できる。これにより自分が買い物をする際のリスクを回避できる。
だから、クチコミはいまだに高い信頼性を維持しているのだ。

【3】

2つ目は、消費者が消費のプロになったことだ。豊かな時代の中で、
人はありとあらゆる商品サービスを体験し学習した。その後、不況
が消費者の選別眼を厳しくし、めったなことでは感動しなくなった。

興味、関心が多層的になり、個人の趣味、嗜好が消費に強く反映さ
れるようになった。そして大量に売れるものはなくなった。

クチコミは個人から個人に発信される。だからクチコミで聞く話題
はワクワクする、同じ趣味を持つ友人から「あれはよかったよ」と
言われる体験は、広告よりもずっと刺激的だ。

3つ目は、広告は宣伝だということを消費者が知ってしまったこと
だ。宣伝には良いことしか書かない。マイナス情報は消費者自ら調
べるしかない。消費者が情報の信憑性を検証し始めたのだ。

そこにインターネットが加わり、情報収集は速く、広く、奥深くな
った。頻発した企業の不祥事も企業の広告に対する信頼性を崩した。

【4】

最後にネットコミ社会が進んで、情報の軽視が進行した。インター
ネットは信じられないほどのスピードで普及し、今やブロードバン
ドの時代だ。

消費者は、自分で欲しい情報を今すぐ調べ、目を通し、削除するよ
うになった。情報を入手するスピードが速くなり、捨てられる量も
断然多くなった。

若者の情報接点は、ケータイとコンビニが中心だ。誰も情報を記憶
しないし、長く暖めようともしないし、大切にしない。会ったこと
もない人間同士がネットで知り合って自殺してしまう時代だ。

個人が情報の受発信を主導する側に回ったのだ。だから今のクチコ
ミは、従来の口伝えだけの"口コミ"ではない。新時代外来語"ク
チコミ"なのだ。

インターネットの登場は、ケータイと並んで、新たなクチコミ社会
のトバ口に私たちを引き込んだ。こうしてクチコミ社会は、確実に
進化をとげている。

【5】

クチコミが起きるにも広がるにも話題が必要だ。だが「話題があれ
ば何でも売れるのか」というとそうでもない。世の中には「いいも
のなのに売れない」というものは、いくらでもある。

むしろ、今の時代「いいものだらけ」で、粗悪なものなどほとんど
ない。だから「うちの商品はホントにいいものです」と言っても「で
も、どれもいいものじゃん」となるのがオチだ。

世の中がすべていいモノ社会になったことに気づかず、今だに「い
いモノさえ作っていれば売れる」という人がたくさんいる。

だが良いものだらけの中では、いいモノは目立たないのだ。感動も
驚きも少ないから、話題にもならず、ヒットもしないのだ。

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■■  選書コメント  

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本書は、前作「クチコミュニティ・マーケティング」のバージョン・
アップ版という位置づけです。特にクチコミに関するデータや数々
の具体的ノウハウを紹介する「実践編」です。

本書にもあるとおり、インターネットの普及が、クチコミ社会の進
展に拍車をかけています。ネットの世界でも、たくさんのクチコミ
ュニケーションが発生しています。

メールマガジンは、発行人からの一方通行のメディアですが、ここ
でもクチコミは発生します。例えば、このメールマガジンでも、私
が紹介した本はよく売れます。

理由は、おそらく私が実際に読んで、その実体験に基づいて勧めて
いるからだと思います。仮に出版社や著者に雇われて書いるとした
ら、同じ内容でも、これほど売れないと思います。

それが分かっているので、私も「書籍をもらったから...」という理
由では、著書を紹介しないことにしています。実は私、連日ものす
ごい数の著書をもらっています。

基本的にこれらすべてを拝読しますが、だからといって紹介すると
は限りません。中には「お金を払うから紹介して欲しい」というご
提案も頂戴しますが、これもお断りしています。

反対に、書店で買ってきて読んでみて「良かった」と思えるモノは
できるだけ紹介したいと思ってしまいます。確かに、事務所に積ま
れた献本の山を見ると「これでいいや」と思うことがあります。

ただ、その誘惑には、絶対に負けないようにしています。なぜなら
上述の通り、このマガジンはその選書過程に一つの価値があり、そ
の中立性で支持されていると信じているからです。

有料版を発行したのもそのためです。読者の購読料で賄われれば、
読者以外の誰に気兼ねすることなく、選書ができるからです。あり
がたいことです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
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