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2003/11/14
会社という花を種から育てて咲かせる方法
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 19100部>━
=今週の選書=
■会社という花を種から育てて咲かせる方法
■ロージー・アルメス (著)
■ディスカヴァー・トゥエンティワン
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■■ 選書サマリー
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小さな事業から成功を収め、財を成した著者が、自らの経験をもと
に書き記した「起業の手引き」です。
【1】
自分でビジネスをやっている人を見て「あれこそ自分の望む生き方
だ」と感じるなら、起業すべきだ。それこそが起業の原動力になる。
次に、次のようなことを進んでやれるかどうか自問してみたらいい。
・何時間でも必要なだけ働ける
・仕事に没頭できる
・友人や家族の間で評判を落としても構わない
・軌道に乗るまで収入が減ってもいい
・プランを立て、それに忠実に従って行動できる
自分でビジネスをやりたい、やらずにいられない。大切なのはその
気持ちだ。燃えるような情熱、執念こそが原動力だ。自分のビジネ
スを唯一の収入源にすれば、懸命に働き、結果が出せるはずだ。
たとえどんな問題にぶつかろうと、最後にはゴールに到達できるこ
とを信じるべきだ。困難を乗り越える方法を少しずつ学びながら前
進し続けることだ。根気よく続ければ、必ず成功できる。
【2】
成功は最初は少しずつやってくる。だが、徐々に積み重なって、最
後には本格的な成功になる。自分のアイデアが金銭的な利益をもた
らすのを見ることほど満足感を与えてくれることはない。
また、自分でビジネスをやれば、自分に自信がつく。自分自身の意
志決定だけを頼りに独立開業できたことで、幾多の苦労も報われる
はずだ。
ビジネスは最もエキサイティングなゲームだ。ビジネスをやること
であなたは人生のギャンブラーになる。だが成功する確率は、どん
なカジノでやるギャンブルよりもはるかに高い。
自分で会社を立ち上げ、起業家になりたいなら「何が何でも成功さ
せてやる」という強い意欲が必要だ。「起業家になりたい」と思い、
その道を歩み始めたら最後、生涯その魅力から逃れられなくなるは
ずだ。
【3】
起業したら、他人に指示されて働く身分には二度と戻れなくなる。
自分の人生の主人公になり、何事も自分で決めないことには気が済
まなくなる。
もちろん、セミナーに参加したり、本を読んだりしただけでは起業
家になれない。まして最初のアイデアで、いきなりうまくいくこと
は少ない。何度も再挑戦することになるだろう。
どれくらい成功できるかは、その人の力量次第だ。才能は自分の奥
底に潜んでいるものだ。まず現実を直視し、自分の長所と短所を受
け入れ、冷静に分析してみることだ。
あなたの才能が何であれ、欠かせない要素がある。それは金銭感覚
だ。経営者の金銭感覚は、会社の規模に関わりなく、ビジネスの成
否に大きな影響を与える。
【4】
素晴らしいアイデアを持ち、様々なことを改善する革新的な方法を
知っている起業家はたくさんいる。だが、そう言う人たちでさえ、
せっかく立ち上げた会社を売却してしまうことがよくある。
その理由の多くは、起業家が体制を整える方法を知らないことだ。
そのために、過労と資金繰りでお手上げ状態になってしまうのだ。
もしあなたが「お金は汚いモノだ」と考えているなら、ビジネスな
どやめておくことだ。ビジネスの目的は金儲けだ。お金の話をした
り、お金を操ることをはしたないと考えるのはきれい事だ。
お金を稼いで利益が出れば、雇用が増やせる。また自分の周りにい
る人たちの収入につながる。こうして自分のビジネスの周りに幸せ
の輪が広がるのだ。素晴らしいことではないか
【5】
新しいビジネスを立ち上げるとき、自分に次のように問いかけてみ
て欲しい。
・起業家として自立できるまで何年でも犠牲にできるか
・自分の人生において仕事を最優先させられるか
・家族の賛成、応援があるか?
・最低限のお金で暮らし自分と家族に犠牲を強いることができるか
・うまくいかないときでも自分を奮い立たせることができるか
起業家になろうと決意し、その望みが抑えがたい衝動だと感じるな
ら、あなたはもう一歩を踏み出しているのだ。
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■■ 選書コメント
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"超小規模起業"、これからはこれです。私の提唱する「週末起業」
もそうですが、お金もかけずに自分サイズの小さなビジネスを始め、
少しずつ育てていくことが、起業に成功する秘訣です。
本書は、まさにこの小規模起業で成功した著者が、実体験に基づく
成功の秘訣や落とし穴、注意点を後進に向けて語ります。
普通の人が起業に興味を持っても、著名な成功者を見たとたん「今
の自分にはとてもできないな」と思ってしまいがちです。結果、行
動を先延ばしにしたり、断念したりしてしまいます。
でも、成功者も最初は小さな事から始めています。そして何度も失
敗しながら立ち上がり、最後に成功するのです。その過程で鍛えら
れ、段々立派な起業家らしくなっていくのです。
ポイントは、その失敗が立ち上がれるほど小さなモノであることで
す。だからこそ、最初は小規模で始めることが重要なのです。
本書の著者もグリーティングカード事業で成功を収め、財を成しま
した。でも起業のきっかけは小さな事です。あるとき家計のやりく
りに疲れ、起業家の友人に相談したところ、相手に「切り詰めるこ
とより、増やすことを考えたら?」と言われたことだそうです。
最初、版画を販売しました。でもこれは全く売れませんでした。で
もこの版画を見た人から「これ、グリーティングカードにいいんじ
ゃない?」と言われました。その通りにしたらブレークしたのです。
このアドバイスは、版画を売ろうと動いたからこそもらえたアドバ
イスです。「とにかく動け、失敗してみよう」とハッパをかけるのは
そのためです。
「成功するまで諦めるな」などと、ありきたりの教訓を持ち出す気
はありません。でも、まず最初の一歩を踏み出さなければ、次のき
っかけは起きないということだけは強調しておきたいところです。
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