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2003/12/19
「NO」が「YES」に変わる最強セールスの法則
あらゆるセールスの体験をし、外資系の社長を経験してきた著者のセールス人生から得た経験と、営業マン教育、日米で学んだセールス理論に基づき、すぐに役立つ手法を具体的に解説。人間の行動パターンを知れば必ず売れる!
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 19700部>━
=今週の選書=
■■「NO」が「YES」に変わる最強セールスの法則
■■箱田 忠昭 (著)
■■フォレスト出版
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■■ 選書サマリー
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あらゆるセールスの体験をし、外資系の社長を経験してきた著者の
セールス人生から得た経験と、営業マン教育、日米で学んだセール
ス理論に基づき、すぐに役立つ手法を具体的に解説。人間の行動パ
ターンを知れば必ず売れる!
【1】
人間には、誰にでも共通する行動パターンがある。例えば「嫌なヤ
ツからは物を買わない」「最初は否定的に考える」などは、誰にでも
共通する行動パターンと言える。
営業とは人間対人間のやり取りだ。だから、人間の行動パターンを
知り、次にそのパターンに応じたセールス法を身につければ、売上
げはどんどん上がるのだ。
ところが、営業マンの多くは懸命に努力しているにも関わらず、う
まく売ることができない。それは努力の仕方が間違っているからだ。
例えば、彼らはトップ営業マンのセールストークを暗記したり、本
で小手先のテクニックを学ぼうとしている。ひどい場合、商品の特
徴を述べた後は、ひたすら「お願いします」を連呼すればいいと思
っている。これでは売れるはずがない。
【2】
営業の世界では「値段でなく、品質を訴求せよ」と言われている。
価格より、商品の良さをお客に訴えることで、価格競争を避けるこ
とが目的だ。
しかし商品さえよければ、それだけで物が売れるわけではない。そ
んな時代は終わった。だからといってセールストークに磨きをかけ
たり、商品知識を覚えたり、品質の良さを強調したりしてもダメだ。
その前にやらねばならないことがある。それは相手、お客のニーズ
を引き出すことだ。例えば、車の営業マンが車の燃費の良さを熱心
に説明しても、お客のほうは、お金よりも安全性を重視しているか
もしれない。
その場合、その営業マンの努力はムダになる。つまり営業では、ま
ず相手のニーズをつかむことが肝心なのだ。そのためには、売り込
む前に、質問をして情報収集をしておくことが大事なのだ。
【3】
商品がいくら良くても、その良さが伝わらなければ、相手は買って
くれない。反対に相手が納得さえすれば、無理に説得などしなくて
も、相手は自分のほうから財布を開いてくれるものだ。
納得してもらうためには、商品を売り込んではいけない。代わりに
自分を売り込むことだ。自分を知ってもらい、自分に対して好意を
持ってもらうことが重要なのだ。
営業活動では、営業マンという人がモノを言うのだ。反対に営業で
営業マンが嫌われたら、それでオシマイというのが基本だ。
だから相手に好かれることを実践していくことだ。自分自身が相手
に好かれれば、あとは無理に売り込みなどせずとも、自然に営業は
うまくいくものなのだ。
【4】
営業では、何を売るかでなく、誰が売るかが大事なのだ。営業は属
人的なモノなのだ。例えば、人は知らない人の話は信用しない。ま
た知らない人とは取引しない。
同じ車でも、友人が薦めた物なら買おうと思うことが多い。ちょう
ど車が欲しい時なら、多少高くてもそれを買うはずだ。人は知り合
いや、感じのいい人から買いたいと潜在的に思っているはずなのだ。
人間関係の法則に「チャルデニーの法則」というのがある。これは
「人は好意を持っている人から頼まれると、それに積極的に応えよ
う」とするという法則だ。
これを裏返せば、「人は嫌なヤツに頼まれると買いたくなくなる」と
いうことになる。信頼関係があり、好かれていれば売ろうとしなく
ても、物は売れていくものなのだ。
【5】
このように、セールスで大事なことは、まず相手に好かれることだ。
これは、法人相手の商材でも同じことだ。商品を販売するのは企業
かも知れない。だが営業の相手は企業ではない。一人の人間だ。
だから相手先が、名の知れた大企業であっても、心配することはな
い。担当者レベルで考えればいつでも交渉相手は人間だからだ。
パイヤー、会社幹部、技術部長、工場長、経理担当者、人事部長な
ど、交渉相手の肩書きは様々だろう。でも交渉はすべて人間同士で
行われるのだ。そのことを忘れてはならない。
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■■ 選書コメント
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本書はタイトルのとおり、営業の本です。「人間には一定の行動パタ
ーンがある。そのパターンを把握して、それに応じた対応をすれば、
売上げはおのずと上がる」というのが、著者のメッセージです。
その中で「物を売る前に、自分を売れ」と言うくだりがあります。
私もサラリーマン時代は営業をしていたので、心当たりがあります。
独立した今は、むしろ営業される側になりました。事務所によく営
業マンがやってきます。残念ながら彼らのほとんどを、私は好きに
なれません。こちらの都合はお構いなしに、ずかずか入ってきて、
一方的に話を始め、さあサインをしろと言わんばかりだからです。
おそらく彼らのマニュアルには、ドアの開け方や、話し方のノウハ
ウは書いてあっても、人の話を聞いたり、人の気持ちを察する方法
は書いてないのでしょう。彼らこそ本書を読むべきです。
また、本書は営業マンが相手に好かれるための方法の一つとして、
まず自分をさらけ出すことをあげています。確かに、これは相手の
心をつかみ、相手に好感を持たせる上で効果があると思います。
アメリカでは、営業マンが名刺やチラシに、自分だけでなく、自分
の奥さんや子どもなど、家族の写真まで入れています。これは究極
のさらけ出しです。
最初は、一体何のために?と思っていました。思えば、こうするこ
とで、相手に自分に対する親近感や安心感を持たせ、営業をしやす
くしていたのですね。
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