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2004/01/23
3分以内に話はまとめなさい―できる人と思われるために

3分以内に話はまとめなさい―できる人と思われるために

社内で立場が上がったり、つきあいが増えたりすると、挨拶に限ら
ず、話をする機会が増える。ところが「要は何が言いたいの?」と、
いらいらさせられる話し方をする人が多い。
長々と話しておきながら、締めくくりに「え?、はなはだ簡単です
が、これをもって挨拶とさせていただきます」などという人がいる。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 20090部>━
=今週の選書=
■■3分以内に話はまとめなさい―できる人と思われるために
■■高井 伸夫
■■かんき出版
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■■  選書サマリー

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自分の言いたいことを伝え、納得・感動・行動してもらうためには、
「3分以内に話すこと」が効果的な手段です。

【1】

社内で立場が上がったり、つきあいが増えたりすると、挨拶に限ら
ず、話をする機会が増える。ところが「要は何が言いたいの?」と、
いらいらさせられる話し方をする人が多い。

長々と話しておきながら、締めくくりに「え?、はなはだ簡単です
が、これをもって挨拶とさせていただきます」などという人がいる。

こういう人に対して、周りは「あんまり頭が良くないな」「思いやり
がないな」「老化が始まっているな」という評価をする。しかも嫌わ
れる。一体なぜだろうか?

理由の一つは、何を話したいかを決める論理力、要約力が無いと思
われるからだ。もう一つは、聞き手の気持ちを理解していないと思
われるからだ。

【2】

人の話を聞くには、話すより3倍以上のエネルギーがいるものだ。
人間の注意力テストをした結果、一つのことに注がれる注意力の持
続時間は、24秒以内だという説がある。

まして聞き手は、自己中心的だ。中には体調の悪い人や、気にかか
ることを抱えている人がいるかも知れない。長々と話す人は、こん
なことも理解できない思いやりのない人、と思われてしまうのだ。

話をする機会はいろいろある。たとえば、結婚披露宴などの挨拶、
朝礼で話をしなければならないとき、会合で挨拶を頼まれたとき、
自分の提案をプレゼンするときなど、人前で話すことがある。

また上司に報告、連絡、相談をする、部下に指示を出す、営業に行
くなど、話す機会は日常的にある。いずれの場合も、最初の3分が
重要だ。

【3】

たとえば、ある社長のところに営業に言ったとき、「次に来客がある
から十分しか時間がない。簡単に話してくれ」とつっけんどんに言
われることがある。

そんな時、十分しか時間がないからと、最初から最後まで、一生懸
命、商品説明をする人がいる。そう言う人は、2度と会ってもらえ
ないだろう。

できる営業マンは「どうせ十分しかないなら...」と、相手が一番関
心を持ちそうなこと、身を乗り出しそうな話題を見つけ、それを最
初の3分にぶつけて、その場を盛り上げるものだ。

万が一、その話題だけで時間を取られてもいい。その時は帰り際に
「お時間のあるときに、見ておいてください。社長にきっと役立ち
ますから」とパンフレットを、そっと置いて席を立つはずだ。

【4】

商品説明などしなくても、相手の心をつかめば、契約に結びつく可
能性は極めて高い。

だから、話し手が忙しい相手なら、それをよく理解し、長々と商品
説明をするのはやめて、短時間に相手を快い気持ちにさせることに
専念した方が、契約は取りやすくなる。

営業マンは、何とか自社の商品を売りたいと思っている。だから商
品説明がしたくなる。しかし、これは営業マンのエゴだ。お客は営
業マンのエゴにつき合うほどヒマではない。

営業マンの営業トークに限らず、話は、すべて同じだ。最初の3分
で、相手のTPOがわかっているか、いないかがわかる。それでその
人の評価も決まる。最初の3分は、あとの1時間に勝るのだ。

【5】

たとえば上司に呼ばれ「新商品の開発状況はどうかね」と聞かれた
とする。その場合、ダラダラと話したら、できない人の烙印を押さ
れてしまう。

特に、論理的に話す力が欠如していたり、忙しい上司に対する配慮
を欠いたりしていたら、自分の印象は致命的に悪くなる。

こんな時は、まず結論を先に言うべきだ。次に、いつまでに、誰が
何をするかを伝えるべきだ。もう少し詳しく説明する必要があれば、
その後に続ければいい。

できる人と思われるためには、あらゆる局面で3分以内に話をまと
める必要があるのだ。これは訓練でできるようになるものだ。

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■■ 選書コメント  
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本書は、「朝10時までに仕事は片づける」の著者によるものです。
前回は早起き、今回は話し方がテーマで、1日と3分間というスパ
ンの違いはありますが、どちらもポイントは時間です。

一般に、仕事のできる人は、時間センサーの感度が高いようです。
日常生活でも仕事ぶりでも、時間にけじめがあるのです。反対に、
だめな人は時間には際限がないかのように行動します。

お酒の席でも、ある時間になると、どんなに盛り上がっていても、
どんなに酔っぱらっていても、ぱっと切り上げる人がいます。そう
いう人には、仕事もできる人が多いようです。

そういう人が「帰る」と言い出すと、みんな「興ざめなヤツだ」と
思います。でも、しらふに戻ったとき、みんなが「あのとき帰って
よかった」と思い直し、結局、みんなから感謝されていたりします。

さて、本書のテーマは飲み会でなく、話し方です。しかも「3分で
切り上げろ」と言います。これは簡単ではありません。

でも難しいから、本当に大事なことだけが、残ります。エッセンス
だけを取り出すのですから、必然的にその3分間は、密度の濃い、
高純度な、いい物になります。

考えてみれば、1時間かけた打ち合わせや会議も、本当に大事なこ
とは、数分だったりします。第一、どんなに時間をかけたところで、
参加者は3分くらいのことしか覚えていないものです。

私も、来客は多いのですが、面会には大体30分程度の時間を割きま
す。でも考えてみれば、大事な話は5分くらいのものです。ただ5
分で帰すのは申し訳ないし、せっかく予定を30分空けてあるしとい
うだけの理由で、残りの25分は世間話をしたりしています。

会社でも、なんとなくミーティングは30分、会議は1時間などと社
内の合意ができていないでしょうか。そして、その時間にあわせて、
本当は短時間で終わる話を、無理に引き延ばしていないでしょうか。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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