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2004/02/20
知力=疑う技術―「情報を疑う姿勢」があなたを磨く!

知力=疑う技術―「情報を疑う姿勢」があなたを磨く!

耳に入るすべてを、目に映るすべてを、一旦疑ってかかるべきだ。
私たちは、毎日の生活の中でいろいろなことを目にし、耳にしてい
る。いろいろな人がいろいろなことを伝えようとしている。
そんな情報や知識のすべてを、いったん「本当にそうか?」と疑っ
た方がいい。なぜなら情報や知識は正解ではないからだ。それは誰
かが価値を認めた知識かも知れないし、故意に流したウソかも知れ
ない。そのどちらでなくても自分の正解でないことは確かだ。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 20666部>━
=今週の選書=
■■知力=疑う技術―「情報を疑う姿勢」があなたを磨く!
■■辰巳 渚(著)
■■ビジネス社
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■■  選書サマリー

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耳に入るすべてを、いったん疑ってかかれ!鵜呑みにするのでなく、
自分で答えを導き出すしかないのです!

【1】

耳に入るすべてを、目に映るすべてを、一旦疑ってかかるべきだ。
私たちは、毎日の生活の中でいろいろなことを目にし、耳にしてい
る。いろいろな人がいろいろなことを伝えようとしている。

そんな情報や知識のすべてを、いったん「本当にそうか?」と疑っ
た方がいい。なぜなら情報や知識は正解ではないからだ。それは誰
かが価値を認めた知識かも知れないし、故意に流したウソかも知れ
ない。そのどちらでなくても自分の正解でないことは確かだ。

自分にとっての正解は、自分が考えて導き出すしかない。情報や知
識は、そのための素材に過ぎない。素材と結論とをごっちゃにする
と、とんでもないことになる。

それなのに世の中には「いかにも知らなきゃ損」「知らなきゃバカ」
とでも言うかのように情報が流通している。自分にとっての正解を
考えるヒマも与えてくれない。

【2】

「本当にそうか?」とのんびり疑っている人間が間抜けに見えるく
らい、あらゆる種類の情報がめまぐるしく駆けめぐっている。そん
な今だからこそ、一旦疑えと言いたいのだ。

世の中で起きていることが、一部の頭のいい人や、専門知識のある
人にしかわからない、というのはおかしい。にもかかわらず世の中
にはわからないこと、納得できないことばかりだ。

わからないのは世の中に流通している正解が、自分にとっての正解
でないからだ。だから無理に理解しようと苦しむ必要はない。他人
の正解でなく、自分の正解を捜せばいいだけのことだ。

「疑え」という宣言は、この世の中に取り込まれずに、ごく当たり
前に、まっとうに生きていきたいんだという意思表示なのだ。

【3】

疑うとは、単に疑心暗鬼になるのとは違う。専門家の説明やメディ
アの流す情報はすべてウソだというのでもない。要するに自分を信
じろと言いたいのだ。

「へえ、そういうものか」と安易に鵜呑みにしそうになったら、本
当にそれが正解なのかを疑ってみるべきだ。素直な直感にゆだねて、
おかしいと感じたら、その直感のほうを信じるのだ。

それから得心するまで疑い続ける。そのうち「あ、これが自分にと
っての正解なんだ」というものにたどり着くはずだ。それが世間の
正解でなくても、自分の直感が腑に落ちるならそれを信じるべきだ。

【4】

もちろん自分を信じることとは自分を正当化することではない。生
活に困って泥棒をすることが「悪いことをして儲けた人から盗むの
はいいことだ」という信念は正当化できない。自分の信念であって
も、社会のルールは守らなければならない。

素直な自分の直感を信じようとしても、どこかで自分を正当化しよ
うという気持ちがあると、直感の声が聞き取れなくなる。自分にと
って都合の悪い直感は、誰でも無視したくなるものだ。

しかし、あえてそこで心を開いて素直に自分の声を聞くようにする
と、自分にとっての正解を自己過信や利己主義に陥ることから守る
ことができるはずだ。

【5】

疑えば、不安や焦りがなくなる。情報に溢れた現代、マイペースで
生きていくのは難しい。「将来なるようになるさ」と思っていても
「年金がなくなるよ」と言われれば、誰でも不安になるはずだ。

巷に氾濫する情報が専門的な情報になっている現代、情報は不安や
焦りの原因になる。「今、国債が買いですよ」という情報の信憑性
は、素人にはわからない。

しかし疑っていれば少なくとも「本当は売れないから買ってもらう
ためにこういっているんだろう」とか「経済新聞の記事だから大げ
さに書くんだろう」ということには気づけるようになる。

こうした態度を持てれば、情報に接した場合でも、不安や焦りがな
くなり、平和な心でいられるようになる。発信者や世間にとっては
必要でも、自分には必要ない情報も見抜けるようになるはずだ。

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■■ 選書コメント  
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テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット、メールマガジン、クチコ
ミと、我々は毎日情報の洪水の中にどっぷりクビまで使って生きて
います。

もちろん世の中に情報が溢れていること自体は、悪いことではあり
ません。少なくとも情報が制限されている社会より、よほど正常で
す。材料が集まれば、より多様な視点から物事を見られるからです。

ただ注意していないと、氾濫している情報の中から、自分に都合の
いい、耳障りのいい主張ばかりを集めてしまいがちです。また発言
力の強い人の情報ばかりを集めがちになります。

ビジネス書も、売れている本のほうが目に触れやすいのですが、同
じ時期に、売れた本の主張と全く正反対の主張をする本が、捜せば
必ずあるものです。

こういう本は、あまり売れていないので、目にすることが少ないの
ですが、あえてこういう本を見つけ出して読むと、売れている本も
必ずしも100%信じる訳にはいかないことがわかります。

できるだけ複数の主張に触れることに加えて、氾濫する情報に飲み
こまれないために必要なことは、情報に触れる前に、しっかり自分
を持っておくということです。

自分がない人などいませんが、専門家の意見やマスコミ情報は、権
威や自信をちらつかせますから、自分の考え方が確立している人で
も、意識していないと流されてしまいます。

例えば、ファイナンシャルプランの情報が氾濫しています。専門家
は不動産を買え、株を買え、いやまだ買うな、早く売れなど様々な
主張をします。素人は「一体どうしたらいいんだ!」と迷います。

これに対する答えは、「自分がこれからどうしたいのか?」という
自分の人生設計に照らすしかないのです。専門家は、あなたの人生
設計を知った上で発言しているわけではないのですから。

まして「自分はこんな人生を送りたい」に関する答えを出さないう
ちから、資産運用の手法ばかりを集めれば、氾濫する情報に流され
て翻弄されてしまうのは当たり前です。

こうならないように、いつも自分のスタンスを明確にしておくこと
です。これが情報に翻弄されない秘訣なのだと思います。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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Tel.(03)6273-7950
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