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2004/06/18
なぜ「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
「努力しているのに成果が上がらない」「プラス思考でチャレンジ
しているのに成功できない」あなたは、そんな悩みを抱えてはいな
いだろうか?
プラス思考で将来を語っているにもかかわらず、物事がうまくいか
ないのはなぜだろうか?それは口とは裏腹に、心の奥底で「自分は
目標を達成できないのではないだろうか」と思っているからだ。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 21710部>━
=今週の選書=
■なぜ「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
■ジョン・キャパス (著)、石井 裕之(監修)
■フォレスト出版
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■■ 選書サマリー
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プラス思考で成功できるのは5?7%だけ!カリフォルニア発の「成
功」と「幸福」を手に入れる新しいコンセプトを紹介します。
【1】
「努力しているのに成果が上がらない」「プラス思考でチャレンジ
しているのに成功できない」あなたは、そんな悩みを抱えてはいな
いだろうか?
プラス思考で将来を語っているにもかかわらず、物事がうまくいか
ないのはなぜだろうか?それは口とは裏腹に、心の奥底で「自分は
目標を達成できないのではないだろうか」と思っているからだ。
失敗を重ねる人、目標を達成できない人は、自ら限界を設ける癖が
ある。「自分はあまり魅力的ではない」「頭がよくない」「エネル
ギッシュではない」「人生で望みどおりのものを手に入れられるほ
ど立派な人間ではない」などなどだ。
こうしたネガティブ思考は、意識の奥底に深く根づいていることが
多い。つまり、顕在意識ではなく、潜在意識に問題があるのだ。
【2】
人間の潜在意識は、コンピューターのような働きをしており、生ま
れた瞬間からプログラミングを始める。赤ん坊が最初におこなうプ
ログラミングは「落とされること」と「大きな音」に対する恐怖だ。
時間がたつにつれ、恐怖の対象は次第に増えていく。自分の身を守
るため、両親や友達、兄弟姉妹、先生の言動を観察し、恐れなくて
はいけないものを覚えていくのだ。
発育期の子どもは、感じたままに吸収してしまう。潜在意識にはプ
ラス、マイナス両方の情報が書き込まれるが、困ったことに、通常
はマイナスの情報のほうがずっとインパクトが強烈だ。
とくに子どものころは、自分が一番欲しいと望んでいるものに対し、
しり込みするようなプログラミングがおこなわれる。こうして多く
の場合、潜在意識のプログラムはマイナス思考に傾いてしまう。
そのうち外部情報に対する批判精神が生まれる。結果、幼少期に植
え付けられた潜在意識を、簡単には変えることができなくなるのだ。
【3】
人間は潜在意識のプログラム通りに生きているのだ。潜在意識で幸
せになろうと考えていれば幸せになれるし、不幸にいたる道を設定
した人は、その通りに不幸になる。
たとえば女性との付き合いが長続きしない男性は、幼い頃に見聞き
した両親のケンカなどがもとで、パートナーとすぐ別れるプログラ
ムを潜在意識に形成している。
前もって失敗するとわかっている道を、あえて選んで進んでしまう
人も同様だ。仕事中心に生きていて、時間がないと嘆いている人は、
もともと潜在意識においてそれを望んでいる人なのだ。
こうした人々はいくら顕在意識に働きかけ、ポジティブになろうと
しても無駄だ。それを打ち消している潜在意識のプログラムが頭の
中で働いているからだ。
【4】
「達成したい」と願う目標があるなら、自分に「できる」と言い聞
かせるだけではだめだ。ポジティブ思考を持てば、一時的に安堵感
は得られるかもしれないが、効き目が切れれば元の木阿弥だ。
成功にいたる唯一の方法は、顕在意識と潜在意識の両方に働きかけ
ることだ。赤ん坊のときから形成されてきたネガティブな潜在意識
のプログラムを書き換える必要があるのだ。
そのために有効な方法は、自分の目標を掲げ、寝る前の5分から10
分間、それを達成するために必要な行動を書き上げることだ。これ
を毎晩続けるのだ。
たとえば、自分の年収を2500万円にするという目標を掲げるなら、
その目標を達成するために必要だと思われる建設的かつ生産的な活
動を考える。営業や販促のためのアイデアを考える、時間を有効活
用する、部下と話し合うなどだ。これを毎日書き出してみる。
なおこの活動は、自分に報酬を払うつもりで貨幣価値に置き換えて
記入する。そして活動の累計25%が上記の目標年収になるように、
活動を続ける。このプロセスをメンタルバンクコンセプトという。
この作業を忠実に実践すれば、計り知れない成果がえられる。早け
れば3日、遅くとも3ヶ月あれば成果は目に見える形となるはずだ。
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■■ 選書コメント
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潜在意識うんぬんの話はさておき、著者の、自分の目標と行動を貨
幣価値に置き換えて把握する考え方は、参考になります。数値に置
き換えることで、目標も行動も客観的にできるからです。
新年の抱負や新任の挨拶などにありがちですが、われわれは目標も
それを成し遂げるために必要な行動も、えてして頑張る、努力する
という前向き、されど抽象的な言葉で表現してしまいがちです。
これを、目標は年商いくら、そのために必要な行動として何時間働
く、何件得意先を回るといった、数値で表現するようになると、目
標の達成はがぜん、現実味を帯びてきます。
たとえば家を買いたいと願うだけでは、いつまでも買えません。買
うためには、行動が必要です。行動のためには、家がいくらで、あ
といくら必要かなどの数値が必要であるのと同じです。
また、自分の行動を、時給換算しておくことも大事です。特に、ひ
ごろ所得を固定給で得ている人は、自分の行動の、時間あたりのパ
フォーマンスに無頓着になりがちです。
たとえば、起業を志望する人の中にも「自分の講演会を企画したと
ころ5000円のセミナーに20人来場者があった、会場費などのコスト
計5万円をマイナスしても、5万円残った」と報告する人がいます。
しかし、この方は自分への講演料や準備に要した時間を全く加味し
ていません。仮に自分の時給を1000円として、諸々60時間を要し
たとすれば、コストは6万円となります。結果収支は赤字になりま
す。これなら1000円のバイトをしたほうがマシということです。
このように、自分の行動を時給で管理してみると、商売を黒字にす
ることはなかなか難しいことがわかります。同時に、時間の感覚が
磨かれます。きっと昼まで寝ていたり、ぼんやりテレビを見ていた
りできなくなると思います。
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