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2004/06/25
落ちこぼれ営業マンが見つけた「勝利の法則」
営業とは、卑屈な仕事だろうか?確かに基本的に腰を低くする仕事
で、ときには下げたくない頭も下げねばならない。これを嫌だと思
うか、それとも、その結果、お客さまに喜んでいいただけたことに
醍醐味を感じるかで優れた営業パーソンになれるかどうかが決まる。
特に、お客さまの行動を予測して、効果的な一手を打っていけるよ
うになると、自分の狙いどおりの結果が出せるようになる。こうな
ると営業の仕事は、がぜん面白くなる。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 22437部>━
=今週の選書=
■落ちこぼれ営業マンが見つけた「勝利の法則」
■渡辺茂一郎
■すばる舎
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■■ 選書サマリー
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ビリからナンバーワン営業マンに躍り出た著者が語る、誰でも結果
を出せるセールス方法をご紹介!
【1】
営業とは、卑屈な仕事だろうか?確かに基本的に腰を低くする仕事
で、ときには下げたくない頭も下げねばならない。これを嫌だと思
うか、それとも、その結果、お客さまに喜んでいいただけたことに
醍醐味を感じるかで優れた営業パーソンになれるかどうかが決まる。
特に、お客さまの行動を予測して、効果的な一手を打っていけるよ
うになると、自分の狙いどおりの結果が出せるようになる。こうな
ると営業の仕事は、がぜん面白くなる。
毎日の活動は、半年先、一年先を見据えた活動になり、忙しいけれ
ど、充実した日々になる。これが営業という仕事のおもしろさだ。
もちろんそこにいたるには、様々な工夫が必要だ。たとえばアポイ
ントの取り方一つにもコツがある。まずは、ホームページで相手の
情報を収集し、ストーリー展開を考えるところからはじめる。
お客さまは「お客さまのお客さま」情報に弱い。だからインターネ
ットなどで「お客さまのお客さま」の動向を調べておく。これで「一
度会ってみるか」と思わせることができれば、あなたの勝ちだ。
【2】
初回訪問前には、最低限、以下を押さえておく。
・お客さまをきちんと知る
・お客さまのお役に立てる情報を用意する
・自社の強み、特徴、商品、サービスを話せるようにしておく
・話の展開ストーリー(面談シナリオ)を複数考える
訪問にこぎつけても、弱々しい対応だと門前払いされる。堂々と振
る舞えば、受付も「大切なお客さま」だと考えて、それなりの対応
をしてくれる。意味もなく「すいません」を連発しないことだ。
営業パーソンがお客さまと対等になれないのは、商品を売りたい一
心だからだ。営業の本来の目的はお客さまの問題を解決し成功に貢
献、結果的に自社の売上・利益を確保することだ。この発想を持た
ない限り、営業はお客さまと対等になれない。
さらに「営業=売り込み」という思い込みに注意が必要だ。面談の
目的は、お客さまから情報を聞き出すことだ。お客さまの話をさえ
ぎらず、適宜、質問しながら話を聞くべきだ。
【3】
お客さまから、「検討している」という意味の返事を得たら、本格
的な商談を始めるが、その前に、お客さまの「ニーズとその背景の
事実・問題点」をより深く広く聞き出しておくことだ。
そのためには、担当者に聞くことと、できるだけ現場で確認するこ
とだ。また、決裁ルート、購買の進め方、予算、導入時期、競争相
手、購買方針といった検討の前提条件も確認しておくことだ。
こうした前提条件を明確に確認しないまま話を進めると、商談が暗
礁に乗り上げる。また前提条件は商談の途中で変化することがある
ので、絶えずチェックすることを忘れないことだ。
集めた情報を元に提案書を作る。これに沿ってプレゼンするので、
その出来不出来が契約の行方を左右する。
説得力ある提案書作りが受注への近道だ。ポイントは、お客さまの
心を捉える提案書かどうかだ。以下の要件を欠かさないことだ。
・わかりやすいこと
・お客さまのニーズや問題点・原因が明確であること
・お客さまの問題の解決と事後の姿が明らかなこと
・お客さまの検討の前提条件に沿っていること
・価格(導入コスト)が適切なこと
・自社の独自性が盛り込まれていること
【4】
プレゼンでは、視覚化が有効だ。たとえばお客さまの問題点を解決
する過程を実演、ビデオで撮ったり、スライドで見せたりして、お
客さまが理解しやすいように工夫する。
次はクロージングだ。「お客さま志向」とクロージングはまったく
矛盾しない。「契約してください」と堂々と言えばいい。「お客さ
まのためだ」と心から思っているなら、自信を持って言えるはずだ。
このように手順を追って商談をすすめることができれば、誰でも結
果を出せるようになる。その過程で営業のおもしろさがわかれば、
継続して成果をあげることができるようになるはずだ。
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■■ 選書コメント
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最近、書店を覗くと営業関連の本で溢れています。そして、そのど
れもがよく売れています。それだけ世の中には営業に困っている人
がたくさんいるということなのでしょう。
営業という仕事は、不思議な仕事で、得意な人にとってはこれほど
楽しい仕事はないのですが、苦手な人にとってはどうにもならない
くらい苦痛なようです。
一体、営業の得意、不得意を分けるのは何でしょう?ミもフタもな
いことですが、やはり適性ということになりそうです。だから「こ
の人は営業向きだ」などという言い方が横行します。
私もかつては営業をしていましたが、その経験でいうと、自分がお
調子者モードのときは「営業向き」と評されました。上司をヨイシ
ョしたりすると、周りから「さすが営業!」などと言われました。
反対に、会議などでちょっと理屈っぽいことを言うと「営業マンら
しくないぞ」なんて言われました。要するに世間でいう営業向きと
は、お調子者で、腰が低い人のことを指すようです。
しかし、実際はどうなのでしょう。私の営業の先輩でいつも営業成
績のよい人がいましたが、彼はむしろ無口で、無愛想で、とてもお
調子者とは言えず、世間で言うところの「営業不向き」の人でした。
それでも、抜群の成績を上げていました。
彼がなぜ、あれほど成績を上げていたのか、本当のところはよくわ
かりません。ただ彼は自分の仕事に誇りを持っていました。営業は
スタッフ部門からすると、軽く見られていて、あからさまに「しょ
せん営業の連中が考えることですから」なんて言う人もいました。
そんなことで、若い営業マンたちは卑屈になりがちでしたが、その
先輩は「奴らは俺たちが食わしているのだ」という自負をもってい
ました。また「営業マンたるもの?」というのが彼の口癖でした。
彼のように自分の仕事に誇りを持つことこそ、成功の秘訣かもしれ
ません。
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