HOME > ビジネス選書&サマリー > 無料版・バックナンバー > お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!

ビジネス選書&サマリー

無料版・バックナンバー

解除ご登録

ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。


f

2004/07/02
お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!

お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!

自分ひとりじゃできないことも、誰かに頼れば100倍できる。素直
と熱意と人好きを武器に、お客さんはもちろん、たばこ屋のおばち
ゃんからトップビジネスマンまで、人生の応援団にしてしまう秘術
を大公開。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 22710部>━
=今週の選書=
■お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!
■中村 文昭 (著)
■サンマーク出版
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■  選書サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

自分ひとりじゃできないことも、誰かに頼れば100倍できる。素直
と熱意と人好きを武器に、お客さんはもちろん、たばこ屋のおばち
ゃんからトップビジネスマンまで、人生の応援団にしてしまう秘術
を大公開。

【1】

伊勢の山奥から18歳の時に東京に出てきた。やがてレストラン・ウ
エディング事業を展開するようになった。それもこれも、すべては
人とのご縁がきっかけだ。

これまではありとあらゆる人に「なついて」その影響を進んで受け
生きてきた。新幹線に乗れば隣の人の足をわざと踏み「いや、すん
まへん。大変なご無礼をしまして」と相手の靴をハンカチで拭いた。

すると相手は恐縮して「もういいですから」ということになる。そ
れを皮切りに話が弾み、東京に着くまでにはすっかり旧知の友人の
ようになってしまうこともある。

人間は、年齢を重ねながらいろいろな人に出会って「いいとこ取り」
しながらつくられていく生き物だと思う。他人に先入観を持ってい
てはダメだ。人生を面白く生きるためにも、人のご縁を大切に、で
っかく生きるべきだ。

【2】

そもそも上京したときから「ご縁」は始まっていた。右も左もわか
らない都会で、ブレーキの利かない自転車を乗り回すうちに、博物
館のような大きな建物に突進した。ところがこの建物は防衛庁だっ
たために、過激派に間違えられて取調べられる羽目になった。

帰り道、とぼとぼと自転車を押しながら歩いていると、今度は自転
車泥棒の疑いをかけられ、おまわりさんから職務質問をされた。ど
ちらも東京で第一日めの出来事だ。

事情を話すと、おまわりさんは笑いながら同情してくれ、その後、
職探しなど、いろいろと力になってくれた。僕が師と仰ぐある事業
家にめぐり合えたのも、彼に連れて行ってもらった焼き鳥屋だ。

【3】

それは決定的な出会いだった。たまたま隣に座り合わせた大男に突
然、こんなことを言われた。「金儲けなんてつまらんぞ。臨終のと
きに、どんな人間になっていたいか、それが人生の目的だ」

この男が若い連中を率いて経営していたのが、果物や野菜の行商会
社だ。大男に惚れ込んだ僕は、頼み込んで会社に入れてもらい、行
商軍団と築27年の四畳半アパートに同居、ともに働くようになった。

なにしろ夜明け前に仕入れをすませ、トラックを飛ばしては野菜を
売り歩く生活だ。へとへとになって帰ると、みんなで「いかに生き
るか」について勉強会。缶ジュースも買えないほど生活は貧しかっ
た。収益を上げても、給与には反映されなかったからだ。

「世間のやつらと同じように金をもらい、大きな夢がかなうと思う
か?オレはおまえらと一緒にでっかくなりたい。給料15万円をもら
える今と、大きな金を動かせる明日とどちらを選ぶんだ」これが社
長の言い分だった。

やがて会社が大繁盛するようになると、彼は驚くほど多額の給料を
くれ、言った。「貯金するな。時計や服も買うな。そんなことより、
五感に使え。音楽を聴いたり、一流のホテルに泊まったりするんだ」

お客さんの注意を惹きつけるためなら、トラックの上で踊りも踊っ
た。おつかいを頼まれれば、大汗をかいて走った。「素直な心と謙
虚な姿勢ほど強力なものはない」という社長の教えを実行したのだ。

【4】

3年経ったころ、社長は突然「同窓会に行って来い」と言い出した。
そこで同世代の彼らの顔を見て、自分が以前の自分ではないことを
はっきり自覚した。

「やろうとする気持ちや、人を喜ばそうという思いが大切で、お金
はそれを形にするための道具に過ぎないのですね」と語る僕に「三
重で一番の人間になれ」と言うと、社長は僕を会社から送り出した。

とは言うものの、社長の命令でお金は全部使ってしまっていたから、
資金がない。銀行に行けば、親の保証が必要だという。やむなく3
年間顔を出していなかった実家に戻り、座り込みをして懇願した。

こうして開いた第1号店、それがショットバー「クロフネ」だ。社
長の哲学を生かして開店しただけに大繁盛した。おまわりさんに尋
問されたことが、こんな結果につながったのだから、人の出会いは
まったく面白いものだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■ 選書コメント  
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「お金でなく、人のご縁で!」今どき、こんなタイトルの本を見つ
けるのは、かえって難しいのではないでしょうか。書店に溢れてい
るのは、むしろ反対、すなわち、いわゆるお金、お金という本です。

確かに、お金は万人にとっての関心事ですから、お金関連の本はよ
く売れます。だから書店に溢れるのですが、あまりに露骨に「金持
ち」「億万長者」「儲かる」とやられるとウンザリしてきます。

そんな中、本書のように「お金持ちでなく、人持ちになれ」などと
いう書籍に出会うと、ほっとします。これは私だけでなく、多くの
人が感じていることなのでしょう。だからこそ本書が多くの共感を
得たのでしょう。

現実には、お金持ちになるためにも、人のご縁は必要になります。
著者も、人と出会うたびに、ビジネスを大きくしていき、結果的に
お金の面でも成功しています。

人生には様々な転機が訪れますが、それを引き起こすのは人との出
会いです。反対に1人で悶々としていたり、同じ人と達と馴れ合い
のつき合いを続けているだけでは、人生はいつまでも代わり映えし
ません。人は、出会うことで、人生を切り拓くものなのです。

ところで世の中には、著者のように出会いに恵まれた人がいる一方
で「これまでろくな出会いがなかった」という人もいます。違いは
どこにあるのでしょうか?

私は、運だと思います。というと、ミもフタもありませんが、運は
誰にも平等に訪れています。あとは、おとずれた運、すなわち出会
いを、モノにできるかどうか、これが違いを生むのだと思います。

事実、著者の人生を変えたという人たちには、何十万人という人が、
やはりどこかで出会っているはずです。でも、その出会いをきっか
けに人生を変えた人は、ほんのわずかなのです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ツイートする FACEBOOK いいね! このエントリーをはてなブックマークに追加

主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

企業情報はこちら

著者の方へ

広告掲載についてはこちら

TOP