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2004/08/06
1分間で「できる社員」になる111のヒント
上司にとうまくやるには、まず定時より早く出社し、定時より遅く
退社することだ。たかが数分間でも、それに対して支払われる賃金
は積もり積もれば大金になることを肝に銘じることだ。
また、服装は自分の趣味ではなく職場に合わせるべきだ。職場で適
切な服装をすることは、現在だけでなく、あなたの将来をも左右す
る。服装規定などなくても適切な服装をすることは最低限の心得だ。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 23,482部>━
=今週の選書=
■1分間で「できる社員」になる111のヒント
■アラン・ションバーグ
■ディスカヴァー・トゥエンティワン
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■■ 選書サマリー
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全米の有力企業のCEO、上級管理職、人事担当者への調査を元に、
世界最大の人材紹介会社CEOが「できる社員の条件」を提案!
【1】
上司にとうまくやるには、まず定時より早く出社し、定時より遅く
退社することだ。たかが数分間でも、それに対して支払われる賃金
は積もり積もれば大金になることを肝に銘じることだ。
また、服装は自分の趣味ではなく職場に合わせるべきだ。職場で適
切な服装をすることは、現在だけでなく、あなたの将来をも左右す
る。服装規定などなくても適切な服装をすることは最低限の心得だ。
さらに、目上の人が入ってきたら、敬意を表するために起立すべき
だ。相手に礼儀正しさと敬意を示すのが、時代遅れだなどというこ
とは決してない。
机の上は整理すべきだ。机の上が整理できていないと、時間の浪費
につながる。また、誰かが会社を訪問してきたときに、あなたがだ
らしない人という印象を与えるおそれがある。
【2】
残業を命じられたら、元気よく返事をして引き受けるべきだ。とく
に新卒の社員は、進んで長時間労働を買って出るべきだ。経験不足
を努力と熱意で埋め合わせようとしていることを示すことができる。
また、不平を言うのはやめ、解決策を示せ。上司が求めているのは、
問題を指摘することではなく、解決策を示すことだ。問題の指摘に
とどまる社員は「ネガティブな人物」という烙印を押される。
顧客を感動させることを心がけるべきだ。顧客をただ「満足」させ
るだけでは不十分だ。「感動」させてこそ、ライバルとの競争に勝
てる。そのためには、顧客が常に優先することを肝に銘じることだ。
自社製品を使用せよ。これは会社への忠誠心の証しだ。これにより、
自分が自分の仕事に誇りを持っていることを、上司や経営者に知ら
せることができる。
会社の宴会では羽目をはずすな。職場から離れていても、これは一
種の仕事なのだ。宴会では、部下が上司になれなれしくし過ぎるこ
とがあるが、後悔することになるので、やってはいけない。
【3】
上司に話しかけるときはタイミングを見計らえ。仕事の報告をした
り、相談事を持ちかけたり、決裁を仰いだりするために話しかける
のにはタイミングが重要だ。
また、上司に提案を却下されても気にするな。最終的な決定権は上
司にあるのだ。たとえあなたが自分の提案は素晴らしいと思ってい
ても、上司にはそれを受け入れる義務はないと思え。
さらに、上司に叱られたら感謝せよ。上司に叱られたときの最善の
対処法は、上司に感謝することだ。そうすれば、上司の言うことに
耳を傾け、自分のミスから学ぶことのできる人物という好印象を与
えることができる。
前の勤務先の上司を批判するな。あなたが前の上司の陰口を言えば、
今の上司は「いずれ自分も陰口を言われることになる」と勘ぐる。
さらに、上司の仕事に手を貸せ。上司の時間はあなたの時間よりも
貴重だ。上司の仕事がスケジュールどおり進行するよう手を貸そう。
「辞める」と言って上司を脅迫するな。昇給や昇進、その他の要求
を実現させるために、上司を脅迫してはいけない。脅迫は不愉快な
行為であり、脅迫されるのが好きな人はいない。
【4】
上司の立場に立って考え、上司の視点から物事を眺めることも大切
だ。上司は部下の要求と、会社の収益性のバランスをとりながら、
困難な決定をくだすために日夜苦闘していることを発見するはずだ。
上司を励ますことだ。上司も自分を元気づけてくれる人を必要とし
ている。励ましの言葉をタイミングよくかければ、上司はあなたの
思いやりに感動するはずだ。
部下は、ふつう上司には良いことしか報告しない。その結果、社内
の悪い状況が把握できなくなる。そこでありのままを上司に報告す
る役を買って出る。それを上司が評価すれば、信頼関係が築ける。
なお、あなたにとって上司は、ある意味で得意客だ。あなたは、自
分という「商品」を売り込む営業マンなのだ。上司のニーズを把握
して、あなたの価値を提供し続けるべきだ。
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■■ 選書コメント
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本書は、端的に言えば上司の点数を稼ぐためのヒント集です。原題
は、169 WAYS SCORE POINTS WITH YOUR
BOSS、直訳すれば「上司の点数を稼ぐ169の法」となります。
それにしても、本書には「ちょっとやりすぎでは?」という記述も
あります。たとえば「上司のジョークはつまらなくても笑え」とか
「上司が近くに来たら立ち上がれ」などです。
「そこまでやるか?」と言いたくなりますが、アメリカでこのよう
な本が売れるのは、日本と同様アメリカでも、上司に気に入られる
ことが会社勤めをする上で、きわめて重要なことだからです。
意外かも知れませんが、上司に気に入られることの重要性は、むし
ろ日本よりアメリカにおいてのほうが重要です。なぜならアメリカ
の会社では、上司が部下の人事権のより多くを握っているからです。
日本の会社では、自分の部下といえども、上司が一存で他部署や地
方に飛ばしたり、はたまたクビにするなどということは、できませ
ん。ふつうは、人事部に助言をする形をとります。
反対に、アメリカの会社では、直属の上司が部下の処遇を決めます。
その決定に即して人事部が通達を出したり、事務手続きを進めたり
します。要するに、上司が部下の生殺与奪を握っているのです。
なお、本書には、仕事をする上で、ごく当たり前のことも書いてあ
ります。たとえば「仕事に情熱を持て」「机を整理せよ」などです。
しかしこれも万国共通で、わかっちゃいるけど、できないことです。
そういう意味では、会社勤めを始めたばかりの人はもちろん、すで
に会社で何年も働いてきた人、もはや会社勤めをしていない人にも、
本書は、仕事のバイブルとなり得ますのでお勧めの一冊と言えます。
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