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2005/11/11
絶妙な「速読」の技術
言葉は人を表す。言葉を知っているということは、その言葉が表す
世界を知っているということだ。豊かな言語生活を楽しんでいる人
は、その人の内面世界が豊かであることを示している。
言葉を使う能力は、人間だけに与えられたものだ。人間を人間たら
しめているのは言葉といっても過言ではない。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 47,515部>━
■今週の選書
■絶妙な「速読」の技術/明日香出版
■佐々木豊文
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■■ 選書サマリー
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速読ブームに火を付けた著者が、速読のメカニズムを解説します!
【1】
言葉は人を表す。言葉を知っているということは、その言葉が表す
世界を知っているということだ。豊かな言語生活を楽しんでいる人
は、その人の内面世界が豊かであることを示している。
言葉を使う能力は、人間だけに与えられたものだ。人間を人間たら
しめているのは言葉といっても過言ではない。
その言葉の能力を豊かにするのが読書だ。私たちの心を豊かにし、
より人間たらしめてくれるのが読書なのだ。だからこそ読書能力は
人間にとって非常に重要な能力と言える。
にもかかわらず、その能力を伸ばすことは長い間できなかった。も
ちろん、努力は続けられてきた。100年以上昔、ドイツの心理学者ヴ
ントが研究して以来、たくさんの専門家や民間人が読書能力向上の
方法を試みてきた。だが、決定的ノウハウは見つからなかった。
【2】
2002年1月2日は、日本において「読書能力は変えられない」とい
う常識を打ち破る画期的な日となった。NHKの「ためしてガッテ
ン」で私の教室の「速読脳開発プログラム」が取り上げられたのだ。
このとき、テレビ画面には驚異的な光景が映し出された。登場した
吉本興業のタレント2人組は、最初1分間に500文字しか読むことが
できなかった。
ところが、あるトレーニングをおこなったところ、同じ時間でなん
と1万字を読みこなすようになったのだ。「速読など自分にはでき
ない」「関係ない」と思っていた視聴者は、この様子に驚いた。
視聴者は「自分の読書能力も伸ばすことができる」とはじめて自分
に身近なものと受け止めたのだ。放映は大きな反響を呼び、教室に
は問い合わせの電話が殺到することとなった。
【3】
私は1984年、速読教室を開校。その後、韓国ソウル大学校のパク・
ファーヨップ先生のもとでさらに研究を積んだ。そして先生が創案
したメソッド「速読脳開発プログラム」により、20年間にわたりた
くさんの生徒たちの速読脳を開発してきた。
ところで、1分間に1万字の速度で読書するというのは、どれくら
いの速さなのだろう?日本人の平均的読書スピードは、1分間500
?700字といわれる。1万字はその20倍だから、想像を絶する速さだ。
「そんなことはありえない」とあなたは思うだろう。だが、科学的
にいっても、能力は変えることができるのだ。
従来の脳生理学では、脳神経細胞の数は生まれたときのまま一生変
わらないとされていた。だが10年ほど前、その説はくつがえされ、
脳細胞は高齢になってからも増えることが立証された。
また、脳の神経細胞は、置かれた環境に対応し、網の目のようなつ
ながりを変えていくことが知られている。これら脳生理学の知見は、
「能力は変わりうるもの」だということを示唆している。心理学の
世界では知能指数でさえ、変わるとされている。
【4】
速読力を上げるにはどのようなトレーニングをおこなえばよいのだ
ろう?ただがむしゃらに読書しても効果はさほど上がらない。あく
まで科学的戦略にもとづいておこなうようにするべきだ。
速読のことを「文字の拾い読みをすること」だと思っている人は多
い。また「1ページまるごと写真のように焼き付ければよい」と考
えている人もいる。
だが、私が提唱するのはそのいずれでもない。普通の読書と同じよ
うにすべての文字を順番に読んでゆき、かつ1ページを3秒以内で
読む方法だ。そのためにはまず必要になるのが「速読眼」だ。さら
に高速で理解する能力「速読脳」を開発する。
速読はあなたにまったく新しい体験をもたらすはずだ。それは人生
を変えるほどの素晴らしいものに違いない。
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■■選書コメント
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本書は、マスコミなどに多数登場し、速読ブームに火を付けた著者
が「速読とはどのようなものか」を詳述した本です。本書を読めば
速読のすべてを実感することができます。
スキルアップは大変なブームですが、中でも速読は、人気スキルの
一つです。人気の理由は「本を読まなくては...」と思いつつ実際に
は「読めてない...」と焦っている人が多いからだと思います。
ただ、速読にはウサン臭さも伴います。事実、世にあるノウハウの
中には、焦りにつけ込んだ怪しげなものも多いようです。また、修
得するには、目玉を異常に速く動かすなど、超人的能力を求めるも
のも見受けられます。
本書は、そんな速読にまつわる曖昧さ解消してくれます。速読が具
体的にどんなメカニズムで機能し、どんな能力を身につければでき
るようになるのかなどについて科学的根拠をあげて解説しています。
もちろん、著者も指摘するとおり、本書1冊を手にしたところで、
たちまち速読ができるようになるわけではありません。本書で紹介
されるテクニックも限定的です。
むしろ、速読のトレーニングに取り組む際に必要な心構えや、食生
活まで含む生活面などに紙面が割かれています。著者の読書に関す
る自説に基づくものですので、読書法のガイダンスとして読むこと
もできます。
というわけで、すべてのビジネスパーソンにオススメです。特に、
読書の大切さを知りながら「イマイチ読めていない」と感じている
方、速読に興味がありながらも「検証材料がないために踏み切れな
かった」という方にはお勧めします。
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