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2005/12/09
すごい考え方
「人のパフォーマンスはどうすれば高められるか」これが、コンサ
ルティングやビジネス・コーチングを手がけてきた私の最大の関心
事だった。
あるとき、こんなことが頭にひらめいた。「ビジネスシーンにおけ
る人間のパフォーマンスと、パソコンのOS概念の間には共通点が
あるのではないか」
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■■ ビジネス選書&サマリー
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■今週の選書
■すごい考え方
■ハワード・ゴールドマン (著)、 松林 博文 (翻訳)
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■■ 選書サマリー
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どんな言葉を使うかが、人生を決める!
【1】
「人のパフォーマンスはどうすれば高められるか」これが、コンサ
ルティングやビジネス・コーチングを手がけてきた私の最大の関心
事だった。
あるとき、こんなことが頭にひらめいた。「ビジネスシーンにおけ
る人間のパフォーマンスと、パソコンのOS概念の間には共通点が
あるのではないか」
パソコンがOSによって動いているように、人間の中にもOSに相
当するものが存在しているに違いない。パソコンのOSの特徴とは、
次のようなものだ。
1・さまざまな情報伝達をしている。
2・ひとつひとつのタスクがおこなわれている。
3・OSが変われば作業効率は大幅に変わってしまう。
4・コマンドによって操作できる。
5・それ自体が目に見えないため、気づかれにくい。
【2】
OSは、与えられた資源を有効に使い、パソコン全体のパフォーマ
ンスを高めるように作られている。ドライバーやインストラクショ
ン、インターフェースを通じて、ハードウエアやアプリケーション、
ユーザー満足などを決定づけているのだ。
同じように、人間も行動や感情、思考を通し、パフォーマンスや他
人との関係、自己認識などを形成している。パソコンのOSも人間
のOSも、どちらも休みなく働き、さまざまなタスクを管理する。
何か目標を立てて達成しようとするとき、問題を解決しようとする
とき、この人間のOSに意識を向けることで、見えてくるものがあ
るにちがいない。
【3】
では、どうやってわたしたちは自分の中のOSにアクセスすればよ
いのか。パソコンの場合は、与えられた指示を機械が理解できる言
葉を使って解釈し、実行している。この言語はよく知られるように
「0」と「1」の組み合わせから成り立っている。
人間の場合も同じだ。「言葉」が人のパフォーマンスの重要なカギ
を握っているのだ。
人間は「言葉」で動いている。言葉は他人との情報伝達に使われる
ばかりでなく、世界を認識するうえで欠かすことのできない役割を
果たしている。
三重苦に悩んだヘレン・ケラーはこう語った。「『私』という言葉
を知ったときに、初めて私は自分が誰であるか、何であるかを知っ
たのです。私という意識が存在することを知ったのです」
どんな言葉を使うかによって、あなたがどんな人生を歩むかが決定
付けられているといっても過言ではない。
【4】
言葉に意識を向けさえすれば、「ふつうのOS」「ふつうの考え方」
を、高いパフォーマンスを生み出す「すごいOS」「すごい考え方」
へとバージョンアップさせることができる。
あなたは他人や自分自身と、どのような会話をしているだろうか。
残念ながら、ほとんどの人は自分が使っている言葉にあまり意識を
向けていない。
言葉と意識的につきあうべきなのだ。おすすめしたいのが「書き出
す」という方法だ。言葉を書いてみることには、深い意味がある。
書き出すときはまず、考えていることを整理しなくてはならない。
整理するプロセスで問題の解決策が突然、浮かび上がることもある。
思考を整理して書き出すだけで、問題が解決することもあるのだ。
そればかりではない。書き出すことで自分の目標が具体的に表現さ
れ、夢を実現するための第一歩となる。さらに、書き出されたこと
が意識に深く刻み込まれ、現実化しやすくなるはずだ。
まずは、あなたが仕事や人生について抱いている、3つの願望を書
いてみるべきだ。すなわち「期待していること」「目標にしている
こと」「どうなりたいか」の3つだ。
自分を偽ることなく、正直に書こう。こうすれば、自分自身を客観
的に見直す、よい機会を得られるはずだ。
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■■選書コメント
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かつて、このマガジンでも紹介した大橋禅太郎氏の著書で、ベスト
セラーになった『すごい会議』という本があります。本書はその中
で紹介された手法の開発者ハワード・ゴールドマン氏の代表作です。
私たちがふだん無意識に使っている言葉に注目し、それが仕事の成
果、ひいては人生までを決定づけることを明らかにした上で、実際
にどんな言葉を使えばよいかを紹介していきます。
たとえば、「お金がない」というのを口癖にするよりも「?するに
は、3000万円必要だ。今われわれは、800万円持っている」と言う
ように心がけるのです。
たしかに世の中には、言葉で損をする人も、得をする人もいます。
ほんの少し、言葉遣いに注意するだけで、現実が大きく変わるなら、
試してみない手はありません。
「考え方が変われば、行動が変わる。行動が変われば結果が変わる」
とは、経営の現場でよく言われる言葉が、考え方を変えるのは、簡
単ではありません。
そこで、言葉を変えるところからはじめるのです。これなら意識す
れば簡単にできます。コストがかかるわけでもありません。それで
も効果は絶大です。
本書では、使うべき言葉の紹介にとどまらず、その言葉を実際にビ
ジネスの現場にあてはめ、成果に結びつけるための具体的な手順と
方法をきめ細かく解説しています。
「仕事に閉塞感を感じている」「もっとパフォーマンスをあげたい」
そんな風にお考えのビジネスパーソンは、すでに企業にも導入され
つつある本書のやり方を、ぜひ習得することをお勧めします。
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