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2006/04/21
シュガーマンのマーケティング30の法則
セールスパーソンの最大の武器は、心理的トリガー(引き金)だ。
それは、お客の心に働きかけ、心動かし、ついには購入を決めされ
てしまう、強力な力だ。
たとえば、広告の最後の数語を、いくつかの心理的トリガーのうち、
たった一つを使って変更しただけで、問い合わせの数を2倍に増や
すといったことも決して不可能ではない。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数51,174部>━
■今週の選書
■シュガーマンのマーケティング30の法則
■ジョセフ・シュガーマン/フォレスト出版
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伝説のダイレクトマーケッターが、紹介する心理的トリガーとは?
【1】
セールスパーソンの最大の武器は、心理的トリガー(引き金)だ。
それは、お客の心に働きかけ、心動かし、ついには購入を決めされ
てしまう、強力な力だ。
たとえば、広告の最後の数語を、いくつかの心理的トリガーのうち、
たった一つを使って変更しただけで、問い合わせの数を2倍に増や
すといったことも決して不可能ではない。
お客が物を買う理由の95パーセントは、無意識の決断といわれてい
る。この決断を引き起こすトリガーは何で、それが販売プロセスの
中でどのように反応するかを知れば、もう怖い物はないのだ。
ところが、こうした「心理的トリガー」の存在は、やり手のセール
スパーソンでさえ、ほとんど知らない。だからこそ、あなたがこれ
を知れば、受注争奪戦のまっただ中で強力な武器になるはずだ。
【2】
たとえば、心理的トリガーの一つに、一貫性の原理というのがある。
私はこれを、アイスクリームを注文する際に発見した。
ある時、アイスクリームを食べようと、パーラーに行き、店員に「チ
ョコレートアイスにホップクリームを添えてください」と頼んだ。
すると、店員はけげんな顔をしたのだ。
「そのご注文は、チョコレートサンデーのシロップ抜きになります。
サンデーは35セント、アイスは25セントです」という。仕方なく、
10セント高いサンデーにした。他店でも試したが結果は同じだった。
ある日、私はチョコレートアイスだけを注文した。しかし、ウェイ
トレスがテーブルを離れる瞬間、ホイップクリームがたまらなく食
べたくなり、ウェイトレスを呼び止め、「そのアイスにホイップク
リームを付けてくれる?」と頼んだ。彼女は快く引き受けてくれた。
レシートを見ると、値段は25セントぽっきりだった。それから、私
は、この、後からホイップクリームを頼む注文方法を何度か試した。
前に35セント払わされた店でもやってみたがやはり25セントだった。
真偽のほどを確かめるために、以前の注文方法に戻してもみた。そ
の場合は、やはり10セント余計に支払わされた。注文の仕方を変え
ただけで、どこでも35セントのものが10セント安く手にはいるのだ。
【3】
ウェイトレスが、アイスクリームの注文を受けたあとで、ホイップ
クリームの追加を認めたのは、私のオーダーを受け入れた後だから
だ。人は、一旦受け入れたものを一貫して守ろうとするものだ。
同じことが、販売に言える。お客は一旦買うことを決断すると、そ
の後はその決断を維持しようという心理が働き、ついで買いをしや
すくなるのだ。
だから、買い手が購入を決めたら、その瞬間に他の商品も勧めれば
いいのだ。まず、どんなに小さな物でも、購買決定はできるだけ簡
単できるようにする。そうすることでまずお客に購買を決断させる。
いったん見込み客が買うと決断すれば、状況は一変する。お客は、
自分の決断を維持しようとする心理が働く。そこではじめて「つい
で買い」を勧めるのだ。
【4】
ポイントは「最初は、必ず簡単なものを買わせる」ということだ。
一度買わせたあとで、はじめて他のものを勧めるのだ。こうすれば、
売上げを上乗せすることは簡単になる。
通信販売やテレビのコマーシャル番組でも同じだ。最初はこのうえ
なくシンプルなものを提供する。注文の電話がきたら、その電話で
はじめて他の商品を勧め、最終的な売上げを増やす。追加商品にも
よるが、5割以上の人が追加販売に応じるはずだ。
いったん最初の購買決定をしたお客は、それまでの行動の延長線上
で行動しようとする。買い手の心理は、一度買うと決めたことで、
もっと買うつもりになっている。
このように心理的トリガーのたった一つを使うだけで、大きな効果
が期待できる。私が見つけた30ものトリガーに、どれだけ大きな価
値があるか、おわかりいただけると思う。
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■■選書コメント
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本書は、伝説のダイレクトマーケッターであり、全米屈指の宣伝・
広告文の書き手としても知られる実業家、ジョセフ・シュガーマン
によるダイレクトマーケティングの基本書です。
人は、物を買う際、感情で買い、あとから理屈をこじつけるといわ
れます。本書では、その感情を突き動かす心の引き金を「心理的ト
リガー」と名付け、30のトリガーとして紹介しています。
著者が自ら発見し、実践・検証したトリガー一つ一つについて、そ
れがどのように機能し、それをどのように活用したらよいのか、エ
ピソードや事例を交えつつ説明してくれます。
ここ数年、実践者によるマーケティングの本が、ずいぶん出版され
ました。それだけに、内容は玉石混淆です。中には個人的体験の域
を出ないもの、抽象論ばかりでノウハウが無いものもあります。
著者の商材販売やセミナーへの誘導が目的の本も少なくありません。
何せマッケッターが書いていますから、売ることに余念がないので
す。慎重に選ばないと駄本をつかむことになります。
その点、本書は、抽象的な話はほとんどでてきませんし、精神論・
建て前論の類も一切ありません。売るためには何をすればいいのか
だけを追求した、ストイックな内容になっています。
取り上げあれるエピソードなどは、読み物としても面白く、ぐいぐ
いと引き込まれす。売上を上げたい経営者や、営業成績を上げたい営
業・マーケティング担当者はもちろん、それ以外の方にもお勧めです。
また、多くのマーケッターが本書のノウハウを使って、PR文やセー
ルストークを考えていますので、売り手の手の内を知り、賢い買い手
になりたい人にもお勧めです。
★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/maplk
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■■昨日、読んだ本
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『教え上手になる!―教えと学びのワークブック』(関根雅泰)
→ http://tinyurl.com/hjpn8
※教えるって難しいですよね。そう思ったら、この本はお薦めです。
教え上手な方が書いた本だけに、よく理解できました。読みおわった
瞬間から、きっと誰かを教えたくなるはずですよ。
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