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2006/06/09
あたりまえだけどなかなかできない出世のルール
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これからは頭がいいだけでは出世できない。頭のいい人間はエリー
トとして周囲からちやほやされてきたからだ。出世の決め手となる
「気配り」の大切さを学ぶことなく育ってきた人が多いのだ。
私は小さい頃から、頭がいいと言われたことは一度もない。英語も
超苦手だった。それでも、十万人以上のプロフェッショナルを擁す
る世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社「ＫＰＭＧ」
のニューヨーク本社に就職することができた。
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■■ ビジネス選書＆サマリー
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■今週の選書
■あたりまえだけどなかなかできない出世のルール
■浜口 直太／アスカビジネス
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なぜ、あの人は出世したのか？謎が解ける本です。
【１】
これからは頭がいいだけでは出世できない。頭のいい人間はエリー
トとして周囲からちやほやされてきたからだ。出世の決め手となる
「気配り」の大切さを学ぶことなく育ってきた人が多いのだ。
私は小さい頃から、頭がいいと言われたことは一度もない。英語も
超苦手だった。それでも、十万人以上のプロフェッショナルを擁す
る世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社「ＫＰＭＧ」
のニューヨーク本社に就職することができた。
語学力も専門能力もなかった私が、新卒でＫＰＭＧに入社できたの
は、面接で最大の気配りをしたからだ。
「どうせ、採用してもらえないはずだ。それなら将来、力をつけて
再応募する日のため、明るく元気に、かつ謙虚に、しかも堂々と応
対するぞ。この面接から学んでやるぞ」と腹を決めて臨んだ。
一種の開き直りだ。だが、きわめて前向きな気持ちだった。これが
結果的に功を奏したのだ。
【２】
入社後はこの会社でスピード出世をすることができた。二年目でコ
ーディネーター（係長）、三年目でマネージャー（課長）、六年目
でシニアマネージャー（部長）、八年目でディレクター（執行役員
兼本部長）といった調子だ。
周囲の人々は私のあまりの出世の早さに唖然とするばかりだった。
とは言え、私の専門能力は決して高くなかった。唯一、図抜けてい
たのは「気配り力」だった。職場での気配りが出世の鍵だったのだ。
具体的にどのようにすれば気配り力は培えるのだろうか。まず、会
議への臨み方を見直してみるとよい。私は会議に出れば、その人が
出世できる人かどうかすぐわかる。
ポイントは、前向き、かつ具体的な発言をすることだ。これは出世
する人の絶対条件だ。ぜひ、職場で試してみて欲しい。あなたの評
価は、かならず上がるはずだ。
【３】
じつは、このポイントは、入社式で会った最高経営責任者のテリー・
ホーナー氏からアドバイスとして受けたことだ。
彼は、三流大学を卒業後、ＫＰＭＧに就職したにも関わらず、最年
少でトップで上り詰めたという逸話の持ち主だ。彼が新入社員研修
会に突然あらわれ、たまたま私の隣に座ったので私はこう質問した。
「出世するために、仕事を一生懸命する以外に何かやるべきことが
ありますか」すると彼は、こう答えた。
「いっぱいあるよ。たとえば、会議ではいつも前向きにかつ具体的
な発言をすること。決して後ろ向きな発言や、抽象的な発言はしな
いこと。また、批判したり評論したりしないこと。これをしただけ
で評価は下がり、周りの人はだれも君をリーダーにしたがらないよ」
【４】
出世したいなら、つねにポジティブな言動を心がけなくてはならな
い。ところが、実際は同じニュースを聞いても、人によって反応は
それぞれだ。
他人の力をあてにして生きる他力本願の人は、自分にとって悪いニ
ュースを聞くと動揺し、怒り、嘆き、落ち込む。「なんでよりによ
って、私にこんなことが起こるの！」
ところが、すべては自分が起こした結果で、責任は自分にあると考
える人は、悪いニュースを聞くとこう考える。
「すべては自分がしたことの結果だ。まず逃げずに真っ向から対応
しよう。これからはよくなる原因を作っていくぞ」
世の中で出世していく人は、後者、つまり自力本願の人間なのだ。
どうせ短い人生だ。外部環境に振り回されることなく、ポジティブ
に生きていきたいものだ。
出世する人は、そもそも忙しくて他人や他社の評論や批判などして
いる暇などないものだ。ポジティブに生きてさえいれば、上司や先
輩は、あなたのことを必ず感謝、評価するに違いない。
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■■選書コメント
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本書は、タイトルにあるとおり、ビジネスパーソンの出世をテーマ
にした本です。著者が米国で実際に接した「立身出世」した人々の
エピソードを織り交ぜて、出世のために必要な黄金律を紹介します。
著者自身、世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社「Ｋ
ＰＭＧ」のニューヨーク本社に就職、外国人でありながら、スピー
ド出世を果たしました。そんな著者が、日本のビジネスパーソンに、
会社で出世する秘訣を説きます。
アメリカで出世した著者ということで、日本で働く自分には関係な
いと思うかも知れません。しかし、本書を読めば、出世する人に、
アメリカも日本も関係ないことが実感できるはずです。
それどころか、本書にあることは、単に出世だけでなく、あらゆる
分野における成功の原則に通ずるものです。著者自身、本当に必要
なのは、人間力の向上、出世は後からついてくると言っています。
本書には、比較的オーソドックスなことが書いてあります。たとえ
ば、会議では前向きなを発言せよ、意思決定はスピーディーかつ合
理的にせよ、などです。
こうした原理原則が、101のルールに分類されて紹介されています。
それぞれ見開き２ページにまとめられていますので、空き時間に気
に入ったところから読むことができます。
きっと、気に入るものがいくつかあるはずです。そんな、自分が気
に入った法則を、ひとつでも実生活に取り入れることができれば、
生活は大きく変わるはずです。
会社で、これからどのように過ごすべきか模索中の若い方から、あ
る程度キャリアを重ねたベテランまで、すべての現役ビジネスパー
ソンが手軽に手にする一冊としてお薦めします。
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