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2008/10/17
ＣｏｓＭｏｓ コスモス
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世界のリーダーたちが共鳴する意外な宇宙観。私たち人類は、現在、崖っぷちに立たされている。今、何を選択するかで、人類をはじめとする地球上の生命が、破滅か大躍進か、どちらの道に進むかが決まるのだ。私たちは、今のところ未曾有の地球危機の時代を歩んでいる。
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■■ ビジネス選書＆サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━＜読者数66,402部＞━
■今週の選書
■ＣｏｓＭｏｓ コスモス
■アーヴィン・ラズロ／講談社
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■■選書サマリー
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世界のリーダーたちが共鳴する意外な宇宙観
【１】
私たち人類は、現在、崖っぷちに立たされている。今、何を選択す
るかで、人類をはじめとする地球上の生命が、破滅か大躍進か、ど
ちらの道に進むかが決まるのだ。
私たちは、今のところ未曾有の地球危機の時代を歩んでいる。だが、
「危機」という熟語は、リスクを意味する「危」とチャンスを意味
する「機」をいう漢字から成り立っていることを忘れてはならない。
「チャンス」をものにするには、私たちが持っている気づきを飛躍
的に進化させる潜在能力を発揮しなければならない。
これまで、人間の幸福を踏みにじる罪を見逃したり、共謀したりす
る行為が横行する時代が何千年も続いた。
ようやく、２世紀ほど前から、基本的人権をうたう声が力を増して
きた。しかし、これに背く行為は、かなりの人々にとっていまだ日
常茶飯事だ。
そのような権利には、相応の責任が伴う。私たちは、みな深いレベ
ルでつながっているからだ。誰かを傷つければ、自分自身が傷つき、
他人の窮状に目をつぶれば、自分も様々な影響を被ることになる。
【２】
西洋文化、西洋式ライフスタイルを渇望する発展途上国において、
信念の中核をなしているのは「物を持てば持つほど幸せになれる」
という神話だ。これは極めて危険な神話だ。
実際は違う。先進国のほうが、精神疾患や鬱病の発症度、不満の度
合いは高い。様々な調査でわかることだが「物質的なものを、持て
ば持つほど幸せになれる」というのは、実は幻想なのだ。
幸福度の国際比較調査では、何年も前から同じ結論が出ている。そ
れは「必要最低限の物を持てば、それ以上持っても幸せにはならな
いし、むしろ逆効果になる」ということだ。
どんな社会でも、幸せは、人との関係から愛と支えをもらえる人生
や、意味のある目標の追求、ささやかな日常の喜び、そして好きな
ことに没頭できるだけの時間にあるのだ。
【３】
産業革命以降、新たな世界観が育ち、人類こそ創造物の最高峰で、
科学こそが新しい真実だと考えられるようになった。
人間は「世界は、単に自分たちの行為に対する機械的な背景であり、
略奪する資源にすぎない」と驕ってきた。技術や産業が興隆するに
つれて、地球や他の生きもの達から引き離されてしまった。
その結果、大気汚染や動植物の絶滅、資源の枯渇、環境汚染、土壌
浸食などが深刻なまでに進んでしまった。
一方で、そうした消費主義を変えようとする動きが、個人や草の根
レベルで出てきている。このような変化が、破滅か大躍進かの瀬戸
際に立ちはだかる地球規模の問題を解決する鍵となるはずだ。
【４】
どんな革命もそうだが、社会の変化は、既得権を持つ中心人物たち
でなく、周縁の人たちが起こす。実際、経済学や商業、技術、政治
などの領域で、草の根レベルの取り組みや運動が登場してきている。
私たちは、宇宙に住んでいて、そこでは、すべてが結びつき、そし
て、完全な形でともに進化している。もちろん、私たちもこの全一
世界の一部なのだ。
では、そんな人間が存在する究極の目的とは何か。簡単に言えば、
宇宙の進化を促すことだ。これは、抽象的な話でない。とても具体
的で、実際的な話だ。そのことを理解しなければならない。
人類が宇宙の進化を促すことを使命と考えること、それは宇宙の未
来だけでなく、人類をはじめとする地球上の全生命の差し迫った未
来に関わることなのだ。
私たちは、自分たちと宇宙を、これまでにない状態にまで進化させ
ることができる。
意識的に、自分たちとすべての生命、そして宇宙との一貫性を創造
し、維持していくことができるのだ。
（つづく）
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■■選書コメント
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本書は、宇宙の秩序と一貫性について解説し、私たちがこれから目
指すべき方向を示す本です。科学とスピリチュアルの両方の立場に
折り合いをつけ、宇宙の原理を解き明かそうとします。
著者は、ノーベル平和賞受賞者７人を会員に持つブダペストクラブ
の会長で、日本では映画『地球交響曲第五番』の出演者として知ら
れるアーヴィン・ラズロ博士です。
世界のリーダーたちが支持している、自分を成長させ、世界を平和
でよりよいものにしていくためには何が必要なのか解説しています。
本書は、宇宙は一つのもので、私たちを含むすべてが、互いにつな
がり、一貫性をもっていると言います。そして、私たち人類は、宇
宙をさらに高いレベルに進化させる使命を担っているといいます。
それなのに、我々人類は、温暖化を引き起こし、資源を略奪し、地
球という生命体を絶滅に追い込もうとしています。破滅を防ぐには、
宇宙を支配するルールに気づき、行動を始めるしかありません。
文中には、死後の世界や死後通信、生まれ変わりと言った話も出て
きます。いわゆる、オカルト本、トンデモ本と勘違いされるかもし
れません。
しかし、そうした話を、古代の哲学や、世界中の大学や研究機関で
行われている最先端の科学的な研究に基づいて論じています。説得
力があります。
書籍そのものは、300ページ近くあり、抽象的な話も多く、扱う分
野も、相対性理論から哲学、神話まで、ありとあらゆる領域の話が
出てきますので、なかなか手ごわいと思います。
その分、知的好奇心が大いに満たされます。読書の秋でもあります。
手軽なビジネス書には飽き足らない方に、お勧めしたい一冊です。
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