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2009/07/10
貧乏はお金持ち

貧乏はお金持ち

組織にこだわらず、自由に生きる時代。派遣切りや新卒の内定取り消しが相次ぎ、街には失業者があふれている。暗い話題ばかりだが、そんなニュースばかり見ていてもますます暗くなるだけだ。



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組織にこだわらず、自由に生きる時代

【1】

派遣切りや新卒の内定取り消しが相次ぎ、街には失業者があふれて
いる。暗い話題ばかりだが、そんなニュースばかり見ていてもます
ます暗くなるだけだ。不景気だと騒いでも景気は良くならない。

みんなが好きな仕事にありつけて、会社は一生社員の面倒を見てく
れ、退職すれば年金で悠々自適の生活が送れる。そんな幻想を勝手
に抱き、それが裏切られたと泣き喚くのは、いい加減やめるべきだ。

そもそも、そんなにサラリーマンになりたいのだろうか。サラリー
マンは、かつて「社畜」と呼ばれていた。自由を奪われ、主体性を
失い、会社に人生を捧げた家畜、つまり奴隷の意味だ。

私もその一人で、この蔑称を不快に思っていた。だが、反論できな
かった。それが、今では「非正規社員を正社員にせよ」の大合唱だ。
正社員とは、サラリーマンであり、つまり社蓄だ。

この国では、社蓄が理想の生き方になってしまったのだ。サラリー
マンを否定する気はないが、「社蓄礼賛」は薄気味悪いのだ。

【2】

今、必要なのは、自由に生きることの素晴らしさを思い出すことだ。
「安定」の代償に「自由」を売り渡すのはやめたほうがいい。会社
が潰れれば、何もかも失うのだ。

何も「脱サラして独立しよう」と言いたいわけではない。一人ひと
りが「自由に生きるための戦略」を持つべきだと思うのだ。空疎な
理念や、お題目でなく「人生を選択できる経済的な土台」が欲しい。

自分と家族を養うだけの資力がなければ、国や会社に依存せざるを
えない。自分の人生は、自分で選ぶべきだ。

そのために一番大事なことは、自分でお金を稼ぐことだ。お金を獲
得する方法は一つだ。「資本を市場に投資し、リスクを取ってリター
ンを得る」のだ。

【3】

働く能力のことを、経済学では「人的資本」という。人は、人的資
本、すなわち労働力を労働市場に投資して、給料というリターンを
得ている。

人的資本とは、要するに「稼ぐちから」のことだ。知識や経験、技
術、資格などによって、一人ひとり違う。大きな人的資本を持って
いる人は、大きく稼げるし、持っていなければ稼げない。

資本主義社会で生きていくということは、所有している資本、たと
えば、人的資本や金融資本を市場に投資して利益を得ることだ。

この経済活動を「企業」という。企業は、八百屋からトヨタのよう
な大会社まで市場参加者すべての総称だ。企業の主体が企業家だ。
人的資本を投資しているサラリーマンも、実は立派な企業家なのだ。

「サラリーマンか、脱サラか」という議論があるが、これは設問が
間違っている。原理的には、私たちはみな企業家なのだ。意識して
いなくても、常に人的資本を最大化するような選択をしているのだ。

ただ、サラリーマンと、それ以外の企業家には、決定的違いがある。
サラリーマンは、企業活動、すなわちお金を稼ぐ活動の主要部分で
ある会計・税務・ファイナンスを会社に委託しているのだ。

【4】

会社に雇われない生き方を選択した人たちを、欧米では「フリーエ
ージェント」という。1980年代以降、先進国で増加した就業形態だ。
米国では、全就業者数の4分の1、約3300万人いる。

このフリーエージェントが法人化すると「マイクロ法人」になる。
米国にマイクロ法人は、1300万社あり、11秒に1社の割合で自宅ベ
ースのミニ会社が生まれているのだ。

彼らが会社を作るのは、そのほうが圧倒的に有利だからだ。会社を
作ることで、個人とは異なる1つの人格、いわゆる法人格が手に入
るのだ。

それにより、収入に対する税負担率が大幅に減ったり、まとまった
資金を無税で運用できるようになる。また、多額のお金をただ同然
の利息で、無担保で借りることができる。

サラリーマンが、すべてのリスクを会社に集中させているのに対し、
フリーエージェントは、収入源を複数にしてリスクを分散している。
不確実性の時代には、後者のほうが耐性は高いのだ。

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■■選書コメント
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サラリーマンに向けて、会社に勤めるというこれまでの働き方、生
き方にこだわらず、もっと自由に生きることを提唱します。

そのための手段として、アメリカで一般的になりつつあるフリーエ
ージェント、そしてマイクロ法人というワークスタイルを紹介し、
その魅力と可能性を明らかにします。

単なる概念や考え方のだけでなく、具体的なメリットとデメリット、
登記の仕方や納税など、何をどうすればいいのかなど、具体的に踏
み込んでいますので、実用書としても十分に耐えます。

著者は『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の橘玲さんです。
著者の本は、毎回お金に関する知識が豊富に盛り込まれているだけ
でなく、独自の視点から解説してくれるため、大変勉強になります。

本来退屈なテーマも、ユニークな切り口で踏み込み、小説のように
軽妙な文章で読ませてくれます。今回は、マイクロ法人と家計の関
係について、サザエさん一家の家計で解説してくれます。

サラリーマン法人、そしてマイクロ法人の是非については、ビジネ
ス書の世界でも、たびたび取り上げられてきました。しかし、もは
や選択肢ではなくなりつつあると思います。

かつてのアメリカがそうであったように、日本でもフリーエージェ
ントは、やがて働き方の主流になると思います。必然的に、マイク
ロ法人も普及していくはずです。

私の周りでも、フリーランスとして独立する人が増えています。手
に職がある人から、どんどん行動に移しています。

顕在化してから、流れに押されるように始めたのでは手遅れです。
すべてのサラリーマンが、今から実態を知り、方策を練るために、
読んでおくべきだと思います。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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