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2009/08/21
才能を引き出すエレメントの法則
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自分の才能に出合う方法
数年前のこと、ある小学校で、先生が６歳の子どもたちに図画を教
えていた。先生がある女の子に「何を描いているの」と尋ねると
「神様を描いているの」という答えが返ってきた。
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■■選書サマリー
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自分の才能に出合う方法
【１】
数年前のこと、ある小学校で、先生が６歳の子どもたちに図画を教
えていた。先生がある女の子に「何を描いているの」と尋ねると
「神様を描いているの」という答えが返ってきた。
先生が「神様の顔なんてだれも知らないのよ」と言うと、女の子は
「だいじょうぶ、もうすぐわかるから」と答えた。このように、幼
い子どもは、自分の想像の世界に自信を持っているものだ。
ところが、私たちは、大人になるにつれてこの種の自信を失ってし
まう。「自分は創造性が豊かだと思うか」と尋ねると、小学一年生
のクラスでは、ほぼ全員が手を挙げる。
ところが、大学四年生のクラスでは、手を挙げる人はほとんどいな
い。人は、誰もが素晴らしい創造性をもって生まれるのに、人間社
会で過ごす時間が長くなるにつれて、その才能を失ってしまうのだ。
【２】
人間が創造性を失う原因の一つは、皮肉なことに教育だ。おかげで、
ほとんどの人が、自分の本当の才能に出会うことができず、本当に
ふさわしい仕事は何かを知らずに過ごしている。
自分の才能や情熱を知らない人々は「自分が今やっていることは面
白くない」と感じているのはもちろん「何をすれば満足できるのか」
すら分かっていない。
一方で、様々な分野で自分の仕事に情熱を持ち、「自分にはこれ以
外の仕事は考えられない」という素晴らしい成功者もいる。彼らの
話は、人間の能力と満足感について、大切なことを教えてくれる。
彼らが、自分の特別な能力に気づき、好きな仕事で成功できたきっ
かけは色々だ。家族や友人、教師から励まされたことだったり、立
ちはだかる障害を乗り越えた経験だったりする。
彼らが自分の能力に気づき、仕事で成功できた場所を「エレメント」
と呼ぶ。それは、自分の「好きなこと」と「得意なこと」が出合う
場所のことだ。
【３】
私たちにとって「エレメント」を発見することは大切なことだ。な
ぜなら、それは自分自身の幸福と成功のために不可欠なものだから
だ。
同時に、社会全体の福祉にも、効果的な教育制度のためにも重要だ。
その人の才能が発揮されれば、その人が住んでいる地域や社会が発
展するからだ。
業績をあげ、仕事を天才的な資質で成功させ、情熱を燃やし続ける
人たちは、自己の「エレメント」を発見できている人だ。ところが、
大多数の人間は自分の「エレメント」を見つけ出せずにいる。
彼らが「エレメント」を発見できないのは、自分の能力に対して、
きわめて「限定的な考え方」をしているからだ。
【４】
まず、能力というものを限定的に理解している。能力には、想像力、
知性、感情、直感力、精神力、身体的および感覚的な認識力など、
色々ある。だが、ふだん使うのはこのうちのごく一部だ。
また、能力は総合的なもので、相互に関連性を持つが、この意味を
限定的に理解している。私たちは頭、身体、感情、対人関係などは、
それぞれの器官が個別に機能するものと考えているが間違いだ。
さらに、人は成長し、変化するために、多くの可能性を秘めている。
にも関わらず、それを限定している。やり直しの可能性が無限にあ
るのに、逃がしたチャンスは二度と戻らないと考えている。
このように、自分の能力を制限的にとらえるから、生まれ持った才
能に気付かないのだ。仲間や所属団体、文化あるいは体験の中で、
次第に自分の能力を制限的にとらえるようになってしまうのだ。
特に、学校教育が子供を一面的に評価し、将来を切り開く上で大事
な創造的な思考力を抑えつけている。今こそ私たちは人間の根本的
な能力と教育の本当の目的について考え直すべきなのだ。
将来に備えるには、「自分に最高の適応力と生産性をもたらすもの
が何か」を考え、その前提の上に個々人が自分の持てる能力を最大
限に活用できるようにするべきなのだ。
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■■選書コメント
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本書は、自分の才能と情熱を知り、それが発揮できる場所を見つけ
ることで、人生を変え幸せになることを目指す本です。
能力開発の世界的指導者が、才能を開花させた人々の共通点を探り、
それを「エレメント」と名付け、読者自身がそれを見つける方法を
探究します。
誰もが「自分の才能を生かした仕事がしたい」と考えるはずです。
しかし、現実には、そんなものには出会えず、諦めています。もっ
と残念なことに「自分には大した能力がない」と思い込んでいます。
しかし、才能とは、学歴や運動神経など、測定可能な一面的なもの
ばかりではありません。もっと多様で、誰にでも何かしら備わって
いるものです。
そして、その才能を待ち望んでいる人が必ずどこかにいます。それ
が見つかれば、今よりずっと楽に、ずっと大きな影響力が与えられ、
自分らしく幸せに過ごせます。本書はその見つけ方を手引きします。
残念ながら、本書は「こうやれば自分の才能が見つかります」「自
分の才能が活かせます」と明快な手法を紹介するわけではありませ
ん。
代わりに、ポール・マッカートニー、リチャード・ブランソンとい
った世界的に成功した人々のエピソードを紹介しながら、彼らの中
に共通点を見出し、才能との出会いのヒントにします。
事例が多いので、とても読みやすい本です。また、誰にでもチャン
スがあることがわかる、とても前向きになれる本です。
本当にやりがいのある仕事に出会いたい人、自分の居場所が見つか
らないと感じる人、「自分はこんなもの」とあきらめている人、反
対に「自分はこんなもんじゃない」と思っている人にお勧めします。
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■■選書アンケート
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締切：2009年08月26日18時00分
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