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2009/09/11
勝つまで戦う─渡邉美樹の超常思考
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渡邊さんの頭の中
ビジネスの世界では「時代の流れやトレンドを読むことが重要だ」
といわれる。もちろん、一つひとつの局面で最適と思える判断をし
ていく上で、世の中の趨勢を見ることは重要だ。
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■■選書サマリー
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渡邊さんの頭の中
【１】
ビジネスの世界では「時代の流れやトレンドを読むことが重要だ」
といわれる。もちろん、一つひとつの局面で最適と思える判断をし
ていく上で、世の中の趨勢を見ることは重要だ。
しかし、時代や世間の流れに合わせて器用に立ち回ることが、必ず
しも良い結果を生むとは限らない。むしろ「変わらない」ことにこ
そ､本当の強さがある。
時代や世間がどう移ろうが、絶対変わらない自分の「軸」を持つべ
きだ。それは、価値観を形成する上での軸、物事を判断する基準と
なる軸、行動を決定する軸だ。
スポーツや武道では「体軸」という言葉が使われる。体の中心を垂
直に貫く線のことだ。これと同じで、思考にも軸がないと、目先の
変化に翻弄され、思考や行動がぶれまくってしまう。
【２】
私は、これまで時代に合わせることを意識したことがない。教育も
介護事業も、儲かると考えたからではない。「ただ、やりたかった」
から始めたのだ。
今思えば「時代を意識しないがゆえの失敗だ」と言われてもしかた
ないこともある。たとえば、大手居酒屋チェーンとして初の「全面
禁煙」を導入した居酒屋は、売り上げが伸びず撤退した。
これは短期的に見れば「失敗」だ。しかし「方法論」が違っていた
にすぎない。方法論が時代や世間に受け入れられなかったことは反
省すべきだが、企業理念自体が揺らぐことはない。
失敗の経験は、次に活かせばいい。禁煙居酒屋のコンセプト自体は
間違っていないと今も信じている。もう一度やるべき時が、必ず来
ると思っている。
このように、常に変わらない強い理念を持てば、自ずと自分の中に
確固たる「軸」ができる。どんな逆境下でも、それを曲げずに貫い
ていくことだ。その積み重ねが、時代を超える力を生み出すのだ。
【３】
アメリカや世界の巨大金融資本が中心となって、金融市場の自由化
を進め、それが世界各国に導入された。自分勝手なルールだが、日
本はそれを「グローバルスタンダード」として受け入れた。
これにより、企業経営のありかたも変わった。会社が苦しくなった
時、従来の日本的経営なら雇用を守ることが最優先だった。ところ
が、今は株主を守るアメリカ流に変わってしまった。
今回の大不況では、大規模な派遣切りやリストラが行われた。社員
を単なる流動資産と考え、安易に雇用を切り崩したのだ。これは、
長い目で見れば、企業にも、社会にとっても損失になるはずだ。
本来、社員は会社そのものだ。だから、経営が苦しいからといって、
クビを切るという発想自体がおかしい。それは「家族」を切り離す
ものだからだ。
【４】
会社経営でモットーにしているのは「長期的・多面的・根本的」に
物事を考え、判断することだ。長期的とは、物事を考える際の時間
軸を長くすることだ。
その軸から「いま何をすべきか」「５年後、10年後にはどうするべ
きか」と考えて、目標やプランを立てて実行するのだ。
多面的とは、物事をいろいろな側面から見ることだ。「私」の視点
だけでは、必ず予期せぬ問題が起きる。これはビジネスモデルを作
り上げていく過程で大変重要な問題だ。
斬新なアイデアや緻密な戦略があっても、その事業を具現化してい
くための業務プロセスに穴があればうまくいかない。大事なことは
「何をチェックすれば大丈夫か」という方程式を持つことだ。
これを事業ごとに当てはめればいいのだ。この方程式さえあれば、
どんな事業でも、飛行機ので言う計器飛行ができる。計器の数字さ
え見ていれば、おおよそ問題なく操縦できるものだ。
根本的とは、物事を判断する際、枝葉末節でなく、根本を見ること
だ。私の根本は「最大多数の幸せ」だ。個人や企業のレベルから、
国、人類、地球全体へと、より大きな幸せを実現していくことだ。
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■■選書コメント
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ご存じ、ワタミの会長、渡邊美樹さんの著作です。渡邊さんといえ
ば、ベンチャー経営者としてはもちろん、介護や学校教育にも乗り
出し、海外に学校を作るなど、幅広い活動で知られています。
その渡邊さんが、ビジネスにとどまらず、政治、経済、教育、社会
福祉という分野に関して、思いのたけを存分にぶつけます。渡邊さ
んの頭の中身と原動力を知る上で格好の本です。
経営者の本ではありますが、ありがちな著者礼賛でも、自画自賛、
または自社自賛の提灯本でもありません。著者の思いを、著者自身
の肉声で熱く語る本です。
『青年社長』を読んで以来、渡邊さんの本はたくさん読んできまし
た。どの本も、ご自身の行動で実証してきたことだけが書いてあり、
非常に説得力があります。
今回も、講演会さながらに、読み手に強く訴えてきます。特に、は
じめに、序章、六章、七章は熱がこもっていて、読みながら強く心
を動かされました。
先頃、社長から会長に退かれたということで、本書にはそのあたり
が強く反映しているようです。「最初は、即物的な欲を満たそうとし
たから頑張れた」など、本音で語られています。
まさに、著者のこれまでの経営者人生を総括するような内容です。
このタイミングで出されたのは、ご自身の新しい挑戦に向けた決意
表明の意味があるのだと思います。
そうした事情は抜きにしても、読み手として十分読み応えがありま
す。普通のサラリーマンはもちろん、主婦や学生など、ビジネスの
現場にいない人でも、自分のこととして読むことができます。
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■本日の選書 https://www.bbook.jp/today/
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■広告禁止!ネット不動産進化論
不動産賃貸業が人気です。サラリーマン大家さんという言葉に表れ
ている通り、サラリーマンでも手堅く副収入が得られるのが人気の
秘密です。ポイントは、店子さん集めです。本書は、ネットで店子
を集める手法をきめ細かく解説してくれます。不動さんに興味のあ
る方必見です。
■人生のシナリオを劇的に変える 12の勇気
幸せな人生を送るために必要なことが、本書には書いてあります。
受け身人生、流され人生を脱却して、主体的に生きるためには勇
気が必要です。その勇気の振り絞り方を教えます。著者は大企業
の役員をコーチングするカリスマコーチです。読めば人生が変わ
ります。
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■■選書アンケート
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締切：2009年09月16日18時00分
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