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2009/12/30
勝ち負けから降りる生き方

勝ち負けから降りる生き方

仕事で「勝ち組」にもなりにくい時代、生き抜くうえでのリスクヘッジとは?明日がもっと楽になるヒントが詰まった1冊。最近の日本に蔓延する、行きすぎた「仕事至上主義」「勝ち組志向」を戒め、「勝ち負け」以外の価値観にも目を向けることを勧めます。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数57,118部>━
■今週の選書
■勝ち負けから降りる生き方
■二神能基/東洋経済新報社
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■目次
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・選書サマリー
・著者セミナー&教材
・選書コメント
・本日の選書
・選書アンケート
 

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■■選書サマリー
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■■みんなが「勝ち組」をめざす時代

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【1】

「いい学校、いい会社」のコースを順調に進む人は「勝ち組」、そ
こから外れてニートやひきこもり、非正規雇用になると「負け組」、
そんな仕事を中心の「勝ち組み志向」に、親も子もとらわれている。

団塊世代の親たちの時代は、誰もが自然に「勝ち組」になれた。高
度経済成長という追い風に乗って、誰でも仕事の引き合いが殺到し、
給料も地位も役職も、年齢に応じてそれなりに上がっていった。

一方、団塊ジュニア世代が大人になった今は、ほんの一握りしか「勝
ち組」になれない時代だ。彼らが大学を卒業した時は就職氷河期で、
仕事につけない人も珍しくなかった。ニートやひきこもり、ワーキ
ングプアも多くはこの世代だ。

このように、親の世代、子どもの世代では、取り巻く状況は、がら
りと変わっている。にも関わらず、価値観だけは、誰もが勝ち組に
なれた親世代のものだ。だから、多くの人が追いつめられるのだ。

【2】

毎年、経済成長した「上り坂の時代」は終わった。いまは簡単には
「勝ち組」にはなれない「下り坂の時代」だ。これからは「下り坂
の時代」だから、みんな「負け」ていく。

そして、いまどんなに「勝っている」人も、5年、10年と「勝ち続
ける」ことはできない。そんな中、「勝ち負け」にこだわった生き
方をしていると、いつか、どこかで、必ず必ず行きづまってしまう。

だったら、最初から「勝ち負け」とは違った価値観で生きればいい。
自分の意識をほんの少し変えさえすれば、心豊かに楽しく生きるこ
とは十分可能なのだ。

【3】

下り坂の時代に「勝ち組」になれる人など、ほんの一握りしかいな
い。そのため、一生安い賃金で使われるパートやアルバイトが増え、
正社員の枠が狭くなっている。

つまり「ごく一部の勝ち組」と「残り大多数の負け組」を生み出す
「労働の二極化」が起きるのだ。

さらに、正社員の枠の中でも、二極化は進んでいる。たとえば、か
つてはどのメガバンクも総合職の新入社員を100人ほど雇い、みん
な同じような仕事からスタートし、出世のチャンスも平等だった。

ところが、今は1000人以上の大量の新入社員を採用しても、そのほ
とんどが「職種別採用」だ。彼らは「生涯、一営業要員」だ。「次
世代リーダー要員」は、ごく一部の人間を、別に雇っているのだ。

こうした動きは、メーカー、商社など、あらゆる職種に浸透してい
る。ドライな外資系企業ともなるともっとシビアで、仕事によって
給料体系から待遇、オフィスの場所や大きさまで区別されている。

【4】

二極化したのは、仕事の多くが「パーツ労働化」したからだ。ごく
一部の「頭を使って独創性を必要とされる仕事」と、その他の「与
えられたものをこなし続ける仕事」に二極化されたのだ。

理由は、企業間の厳しい競争だ。大手でさえさらに大きな企業に飲
み込まれる時代だから、企業はますます巨大化する。組織が大きく
なれば、仕事は細分化され、システム化が進む。

同時に、企業は短期的な成果を求められるようになった。そのため
「ゆっくり人を育てよう」という余裕がなくなった。成果主義の導
入で、上司や先輩にも、新入社員を育てる時間も情熱もなくなった。

こうして「勝ち組」と呼ばれる正社員も「代替可能な消耗品」にな
った。正社員でもこれだから、そこそこの大学を卒業しなかった若
者は、大企業への入社や正社員としての就職は諦めざるを得ない。

派遣社員や契約社員になれればまだしも、フリーターやワーキング
プアになると年収200万円の生活が現実味を帯びる。これでは結婚
して子供を育てることはおろか、自立さえ難しくなる。

だから、若者も親も、勝ち組教育のレールにしがみつくのだ。そこ
から外れた若者は、そこに戻ろうと必死になる。18歳やそこらで人
生を諦めざるを得ない、そんなやるせない時代が、今なのだ。

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■■選書コメント
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本書は、最近の日本に蔓延する、行きすぎた「仕事至上主義」「勝
ち組志向」を戒め、「勝ち負け」以外の価値観にも目を向けること
を勧める本です。

日本の若者は、世界の若者に比べて、経済的に恵まれているにも関
わらず、将来に希望を見出せず、自己肯定感も持てずにいます。数々
の統計が、そのことを示しています。

理由は「よい学校」を出て「よい会社」の正社員になり、そこで出
世することだけが幸せ、それができない人は不幸、と誰もが同じ価
値観で動いているからです。それがこの国の閉塞感の元凶です。

幸い最近は「勝ち組、負け組」「セレブ」という言葉を聞かなく
なりました。おそらく、世界中が不況で「勝ち組」が目立たなくな
ったからだと思います。

それでも、心の底では、多くの人がお金で成功することを、幸せの
拠り所にしているはずです。少し景気が良くなれば、再び同じ意味
の言葉が誕生するはずです。

しかし、誰もが際限なく経済的な成功を追いかける社会は、富を奪
い合う社会です。そこには、必ず勝ち負けが生まれ、格差が生まれ
ます。そんな人生は味気なく、疲れるばかりです。

本書には、具体的なノウハウが書いてあるわけではありませんが、
強いメッセージ性と温かいまなざしを感じます。長年、ニートや引
きこもりの若者たちと向き合ってきた著者だからこそ書ける本です。

仕事に走り続けて疲れた人、人生に意義が見出せなくなった人、「自
分は負け組なんじゃないか」と思っている人、子どもの将来に不安
を感じる親たちにお勧めします。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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