HOME > ビジネス選書&サマリー > 無料版・バックナンバー > 現代語訳 論語と算盤

ビジネス選書&サマリー

無料版・バックナンバー

解除ご登録

ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。


f

2010/03/12
現代語訳 論語と算盤

現代語訳 論語と算盤

今こそ『論語』に学びたい。
道徳の手本にすべき、もっとも重要な教えが載っている本は『論語』だ。ソロバンは、経済活動の象徴だ。そんな『論語』とソロバンとは、一見、不釣合いでかけ離れているように見える。しかし、国の富をなす根源は、社会の基礎的な道徳を基盤とした、正しい素性の富でなければならない。だから『論語』とソロバンというかけ離れたものは、できるだけ一致させる必要がある。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数56,118部>━
■今週の選書
■現代語訳 論語と算盤
■渋沢栄一(訳)守屋淳/筑摩書房
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065350/tachiyomi-22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆【弊社広告】大半がリピートされる優良媒体です。
https://www.bbook.jp/advertisement.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書サマリー  
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今こそ『論語』に学びたい

【1】

道徳の手本にすべき、もっとも重要な教えが載っている本は『論語』
だ。ソロバンは、経済活動の象徴だ。そんな『論語』とソロバンと
は、一見、不釣合いでかけ離れているように見える。

しかし、国の富をなす根源は、社会の基礎的な道徳を基盤とした、
正しい素性の富でなければならない。だから『論語』とソロバンと
いうかけ離れたものは、できるだけ一致させる必要がある。

また、社会で生き抜いていこうとするなら、まずは『論語』を熟読
することが大切だ。私自身、絶対の教えとして、常に自分の傍らか
ら離したことはない。

欧米各国から、日々新しい学説が入ってくる。だが、実は東洋で数
千年前にいっていることと同じものが多い。単に言葉の言い回しを
上手に替えているにすぎないのだ。

【2】

争いはよいのか、悪いのか。私は「何があっても、無くすべきもの
ではない」と考える。世の中を渡っていく上でも、はなはだ必要な
ものだと信じている。

孟子も「敵国や外患がないと、国は必ず滅ぶ」と述べている。国家
の発展には、外国と争って「必ず勝って見せる」という意気込みが
なければだめだ。

これは、国だけでなく、一個人についても同じだ。たとえば、後輩
の指導にあたる先輩には二タイプある。

一つは「後輩に優しく、親切に徹する」タイプだ。こういうタイプ
の先輩は慕われる。だが、後輩の利益になるかどうかは疑問だ。後
輩の奮発を失わせるからだ。

もう一方は、後輩に「つらくあたる」タイプだ。先輩がこのタイプ
だと、後輩は一瞬も油断できず、一挙一動にもスキを作らないよう
に心がけるようになる。だから、かえって利益が大きいのだ。

【3】

「自分を磨く」ということには、箸の上げ下ろしの間の心がけも含
まれている。道徳や倫理は、いつも身近な中にあるものだ。

箸の上げ下ろしに対する心がけができるようになれば、次に「己を
知る」ことを心がけるようになる。身の丈を守ることを知らないと、
とんだ間違いを引き起こすことがあるのだ。

しかし、身の丈に満足しても、意欲的に新しいことをする気持ちを
忘れてはだめだ。バランスをとりつつ、身の丈に満足しながら進む
べきだ。

喜怒哀楽にも注意すべきだ。人間が世間とのつきあい方を誤るのは、
たいてい、感情が暴発してしまうときだ。だから、常に喜怒哀楽の
バランスをとっていく必要があるのだ。

【4】

わざわいの多くは、得意になっているときに起きる。「天下に自分
の出来ないことなど無い」とばかりに、どんなこともなめてかかる
から、目算がはずれて、とんでもない失敗をするのだ。

だから、得意なときだからといって、気持ちを緩めてはいけない。
どんなに得意なときも調子に乗ることなく、いつも同じ考えや、判
断で臨むことだ。

特に「些細なこと」への緻密な心がけを持つことだ。人は失意のと
きは「些細なこと」にも気を配る。だが、得意なときには、ものご
とに軽蔑的な態度をとりたがる。これでは失敗するのが当然だ。

ただし「些細なこと」ばかりにこだわると、無駄に疲れる。「大き
なこと」でも、それほど心配しなくてもよいことも多い。見た目の
大小で決めず、性質を考慮して、ふさわしい扱いをすることだ。

同時に、失意のときだからといって、必要以上に落胆する必要はな
い。失敗が得意になっているときから生まれるように、名声は困難
で行き詰まった日々から生まれるのだ。

成功者は、必ず「あの困難をよくやり遂げた」「あの苦痛をよくや
り抜いた」という経験を持つものだ。いつも同じ心構えで道理を守
り続けるよう、心がけることだ。
 
★このメルマガをアップ・グレードする・・・
ココ→ http://www.kfujii.com/tcy06.htm

★本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065350/tachiyomi-22
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書コメント
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本書は、個人の欲を原動力に進む資本主義の世の中で「人として、
いかに生きるか」を考えさせる本です。前者を象徴するのが「算盤」
後者の象徴が「論語」というわけです。

といっても、論語の一字一句を細かく説明する本ではありません。
そのような行為は、むしろ著者自身が否定します。資本主義社会に
生きながら、論語的価値観とどう折り合いをつけるかを説く本です。

著者は「資本主義の父」、あの渋沢栄一です。つまり明治時代に記
されたものですが、提言は今もまったく色あせません。むしろ、多
様な価値が混沌としている現代こそ、手がかりになる本です。

『論語と算盤』は、昔から知識人、財界の人たちの間では定評があ
りましたが、原文が漢文調で、挫折した人がたくさんいます。何を
隠そう、私もその一人です。

その点、中国古典を解説させたら第一級の守屋淳さんが、現代語訳
をしています。古典の難しさは、言葉の問題以前に、文化的背景の
違いにも原因があります。

著者いわく「中学生でもわかるように書いた」とのことで、なるほ
ど、単なる訳でなく、現代の文化や価値観を考慮して、かみ砕いて
訳してくれていて、わかりやすい内容です。

ビジネス書の多くが、ビジネスの現場での即効性を求めるあまり、
最新のスキルやテクニックといった、対処療法を追いがちです。も
ちろん、そうした本を読むことも大切です。

しかし、読み継がれてきた良書というものがあり、まずはそうした
本も読み、しっかりした基盤を作るべきです。本書もその筆頭です。
現代語訳が出た今、一読されることをお勧めします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎このマガジンは、著者と出版社から掲載許可をいただいて配信し
ています関係で、無断転載はできません。ご了承ください。
──────────────────────────────
◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber
◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com
◎登録、変更、解除→ https://www.bbook.jp/mag.html 
──────────────────────────────
発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 (C) Copyright 1999-2010
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ツイートする FACEBOOK いいね! このエントリーをはてなブックマークに追加

主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

企業情報はこちら

著者の方へ

広告掲載についてはこちら

TOP