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2010/03/26
考えない練習

考えない練習

考え過ぎは、考えもの。
私たちが失敗する原因は、すべてネガティブな考えごとにある。たとえば「さあ、頑張ろう」と決めたはずなのに、心が勝手に失敗したら嫌だと考え、頑張る気持ちを邪魔してしまうといった具合だ。心が勝手に考えることを止められれば、私たちは思い通りに生きることができるようになる。だが、それは難しい。なぜなら、心には「より強い刺激を求めて暴走する」という特徴があるからだ。


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■考えない練習
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考え過ぎは、考えもの

【1】

私たちが失敗する原因は、すべてネガティブな考えごとにある。た
とえば「さあ、頑張ろう」と決めたはずなのに、心が勝手に失敗し
たら嫌だと考え、頑張る気持ちを邪魔してしまうといった具合だ。

心が勝手に考えることを止められれば、私たちは思い通りに生きる
ことができるようになる。だが、それは難しい。なぜなら、心には
「より強い刺激を求めて暴走する」という特徴があるからだ。

淡くて穏やかな幸福感よりも、ネガティブな考えごとのほうがはる
かに強い刺激の電気ショックを脳に与えてくれるのだ。

また、考えるのを止めようとしても、心は勝手に話すのを止めない。
考えごとを止めるには、頭でわかったつもりになるのではなく、実
際に止めてみようと練習することが必要なのだ。

【2】

私たちは、四六時中、考えごとをしている。この考えごとが、私た
ちの集中力を低下させている。たとえば、現代人は他人の話を聞く
ことが苦手になっている。

わざわざ会おうと言って、一緒に話をしているのだから、相手の話
を聞こうという気持ちはあるはずだ。それでも聞けないのは、相手
の話が始まると、心が勝手に考えごとを始めるからだ。

私たちの心は、普段、ものすごいスピードで動き続けている。「聞
く」ことに専念しているつもりでも、そのすきまには、人それぞれ
膨大な量の、無関係なノイズが混ざっているのだ。

だから、ぼんやりと話を聞いていると、その間に、たとえば好きな
食べものイメージや、誰かに言われた嫌なセリフなど、大量の細か
いノイズが入ってくるのだ。

考える行為は、最もパワーが割かれる行為だ。こうしたノイズが混
ざった瞬間、私たちの聞く行為は、途切れてしまうのだ。

【3】

私たちは常に、さまざまな情報を受け取っている。そうした刺激に
反応する、心の衝動エネルギーのうち、最も大きなものが「心の3
つの毒」すなわち「欲」「怒り」「迷い」だ。

入ってくる情報に対して、「もっと欲しい」と求める心の衝動エネ
ルギーのことを「欲」と呼ぶ。たとえば、心にもないお世辞を言わ
れ、舞い上がっている時は、欲の煩悩エネルギーが活性化している。

逆に、入ってくる情報に対して、反発する心のエネルギーのことを
「怒り」と呼ぶ。たとえば、他人から嫌味を言われた時は、不愉快
な対象を排除しようとする怒りの煩悩エネルギーが活性化している。

私たちの心のすきまに入り込む膨大な量のノイズは、これら「欲」
や「怒り」の煩悩とともに刻み込まれた情報であることが多い。

こうした情報は、時間の経過とともに反復される頻度や時間が小さ
くなる。そのため、普段は忘れたつもりでいる。だが、実はいつま
でも潜在化し、残っているものなのだ。

その証拠に、理由もわからないまま、何となく不快になることがあ
る。これは「欲」や「怒り」と一緒に刻み込まれた情報が、うっす
らと残響し続けているからなのだ。

心の中で無駄なおしゃべりが増えていくと、心のメインメモリがそ
れに割かれてしまう。すると、五感が鈍ってしまい、自分がしっか
りと生きているという充足感が欠落してしまうのだ。

【4】

目の前のことに飽きて、別の刺激を求める心の衝動エネルギーのこ
とを「迷い」と呼ぶ。迷いがあると、相手が話していても心がさま
よい、何も入ってこない状態になってしまうのだ。

恋人と知り合った頃は、新鮮で心がワクワクしているが、慣れてく
ると、飽きて他の刺激を求めたくなる。そうなると、多くの人は、
脳の中の自分の好きなことや気になっていることに夢中になる。

こうして相手に対する興味が薄れていくのだ。このように、一度
「考えるクセ」をつけてしまうと、考えごとにひきこもりやすい性
質になってしまうのだ。
 
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■■選書コメント
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本書は、考えないことを推奨する本です。一般に、余計な考えごと、
特に、ネガティブな考えをすることが、多くの失敗や不幸の原因に
なっています。

たしかに、心配事や不安など、ネガティブな思いは、突然頭をよぎ
り、止まらなくなります。本書は、そうした考え事がいかに有害で、
それを止めるにはどうしたらいいのかが書いてあります。

著者は、1978年生まれの東大卒のお坊さんで、ウェブ「家出空間」
やお寺とカフェを兼ねた「iede cafe」など、ユニークな活動で注
目される方です。

ビジネス書の世界では、ロジカル・シンキングをはじめとして、考
えることを推奨し、その技術をテーマとして取り上げてきました。
しかし、考えすぎることは、かえって有害です。

たとえば、いろいろ考えた結果、やる気が殺がれたり、自信がなく
なったりして、動けなくなることはよくあります。反対に、考えず
に動く人が、実はあっさり成功を手にしていたりします。

また、人は考えるほど身体や心の情報をキャッチしにくくなります。
相手の表情や声色の変化をつかめなくなれば、誰といてもつまらな
くなります。本書は思考を停止で、それを避けようとします。

深い内容ですが、文体が対話調で、お坊さんの講話を聴いているよ
うに良くわかります。巻末に薬学博士の池谷裕二さんとの対談も収
録されていて、こちらも興味深く読みました。

何事も難しく考えてしまう人、その結果、いつまでも動けない人、
反対に考えが足りないと自信を喪失気味の人、「もっと考えねば」
「思考術を磨かねば」と強迫観念に駆られている人にもお勧めです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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