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2010/09/10
プラットフォーム戦略
世界の企業が採用している戦略とは
プラットフォーム戦略は、今もっとも注目される世界最先端の経営戦略だ。リーマンショック以降も成長し続けている企業は、ほとんどこの戦略を採用している。この戦略は、多くの関係するグループを「場」、すなわちプラットフォームに乗せ、マッチングや集客など様々な機能を提供し、新しい事業のエコシステムを構築する戦略だ...
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数56,369部>━
■今週の選書
■プラットフォーム戦略
■平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ/東洋経済新報社
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■■選書サマリー
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世界の企業が採用している戦略とは
【1】
プラットフォーム戦略は、今もっとも注目される世界最先端の経営
戦略だ。リーマンショック以降も成長し続けている企業は、ほとん
どこの戦略を採用している。
この戦略は、多くの関係するグループを「場」、すなわちプラット
フォームに乗せ、マッチングや集客など様々な機能を提供し、新し
い事業のエコシステムを構築する戦略だ。
日本企業でプラットフォーム戦略に成功した会社としては、楽天が
代表的だ。彼らは、自らモノを売る代わりに、楽天市場という場を
作り、そこに小売店を出店させている。
出店者は、広告などのコストを減らしながら、クチコミなどの外部
ネットワーク効果を創造することで、事業を効率化したり、顧客リ
ーチを拡大したりすることができる。
同時に、プラットフォームを提供する楽天も、多くの企業の人脈、
知恵、ノウハウ、顧客などを巻き込むことで、巨大なビジネスを生
み出している。いわば、レバレッジ戦略の新しい形とも言える。
新しい概念だが、古くて新しいともいえる。商店街、婚活カフェ、
クレジットカード、ショッピングモール、病院、雑誌や新聞、おサ
イフケータイなどでも使われているからだ。
【2】
プラットフォームに参加することは、もろ刃の剣だ。うまく利用す
れば、広告などのコストを減らして効率化を図りながら、顧客リー
チを拡大することができる。
その一方で、プラットフォームの拡大に貢献させられた挙句、いつ
の間にか支配されて顧客コントロール力を失ってしまうことにもな
りかねない。
また、同じプラットフォーム上の競合との差別化ができなくなって
しまう危険がある。実際、多くの企業が安易にプラットフォームに
参加し、取り返しのつかない失敗をしている。
たとえば、レコードレーベル各社は、当初インターネットによる著
作権侵害の楽曲配信に危機感を持ち、優れた著作権管理ソフトを持
つメーカー、アップルのプラットフォームに飛びついた。
【3】
その結果、自社の著作権を守ることができ、さらにインターネット
という新しい販路を確保することができた。それを可能にしたアッ
プルは、全米最大の楽曲販売の会社となった。
反面、レーベル各社は、今ではアップル抜きに自社の戦略を構築で
きなくなっている。アップルが一方的に「手数料を二倍に上げる」
と通達しても従わざるをえないはずだ。
なぜなら「顧客」という、もっとも大切な資産を、アップルに握ら
れてしまっているからだ。このように、具体的な戦略がないままプ
ラットフォーム戦略に参加すると失敗する。
プラットフォーム戦略を理解することは、あなた自身のビジネスを
守るために必要不可欠なのだ。そして、参加する前に自社の戦略を
決めておくことが、極めて大切なのだ。
【4】
かつて世界一といわれたモノづくり大国日本の凋落の一つの原因は、
このプラットフォーム戦略の欠如にある。モノとしての製品は、中
国やインドなど、新興国の安い労働力にその地位を奪われた。
一方、ITの普及でグローバル化した今、グーグルやアップルが日
本の市場さえ席巻している。彼らが成功しているのは、コンテンツ
とハードが一体となったプラットフォーム戦略をとったからだ。
たとえば、アップルのiPodは音楽再生端末である一方、多くの楽曲
を購入できるiTunesというプラネットフォームと一体となってい
る。だからこそ絶大な支持を集めたのだ。
もはや、物単体の価値より、プラットフォームの一部としての価値
こそが重要なのだ。そして、そのプラットフォームは、グローバル
ベースで構築しなければならないのだ。
今後、ハードからソフトへ、さらにコンテンツへと、世界的な競争
の舞台の重要性はシフトすることになる。そんな中で、日本企業は、
プラットフォーム戦略思考をもつ人材の育成が急務となるはずだ。
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■■選書コメント
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今、世界中が注目する最先端の戦略「プラットフォーム戦略」につ
いて、世界的権威である二人が、特に日本の読者のために書いた注
目の本です。
戦略論の世界は、すでに古典の範疇に入るような著作が、今も名著
として読まれている世界です。しかし、古典的名著は、考え方の整
理には向きますが、古すぎて実用性が乏しいのが現実です。
その点、本書のテーマであるプラットフォーム戦略は、今、まさに
世界の企業が取り入れようとしている戦略です。生きた戦略論であ
り、今学ぶことにこそ意味があります。
200ページ超のハードカバーというと、コンサルタントや、MBA
ホルダー、大企業の幹部社員が読むような、抽象的で、難解な戦略
書をイメージしがちです。
この手の本を難解にしている理由の一つは、事例に登場する企業が、
日本ではなじみのない外国の会社ばかりという点です。
しかし、本書は、日本向けに書かれているために、楽天やドコモな
ど、日本の会社や、アップルやアマゾン、トイザラスなど、おなじ
みの会社が紹介されていて、理解を助けてくれます。
また、分かりやすさに配慮して、シンプルに、体系的に書かれてい
ます。そのため、読み手の工夫次第で、小さな会社にも、個人の戦
略にも応用できます。
というわけで、あらゆるサイズ、業種の企業、公的組織にお勤めの
方、そしてキャリア形成や人生設計を考える個人など、すべてのビ
ジネスパーソンにお勧めします。
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