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2010/10/15
ウェイマネジメント
あなたの会社のウェイとは?
「わが社のウェイを作るプロジェクトに参加してくれないか?」あなたが自分の会社の経営者から、こんな声をかけられたら、いったいどう思うだろうか。会社にとっての大事なプロジェクトに参加できると嬉しくなるだろうか。それとも、ウェイとは何か、何をすればよいのかと困惑してしまうだろうか...
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■今週の選書
■ウェイマネジメント
■グロービス/東洋経済新報社
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■■選書サマリー
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あなたの会社のウェイとは?
【1】
「わが社のウェイを作るプロジェクトに参加してくれないか?」
あなたが自分の会社の経営者から、こんな声をかけられたら、いっ
たいどう思うだろうか。
会社にとっての大事なプロジェクトに参加できると嬉しくなるだろ
うか。それとも、ウェイとは何か、何をすればよいのかと困惑して
しまうだろうか。
ウェイとは、ある企業文化内で共有されている価値観をベースにし
た行動指針のことだ。経営理念と行動指針を包含したもの、あるい
はこの両者のエッセンスを含みながら、両者を結びつけるものだ。
ビジネスパーソンであれば、日々接する新聞やニュースで、ウェイ
という言葉を目にしたことがあるはずだ。国内では、トヨタ自動車
の「トヨタウェイ2001」や花王の「花王ウェイ」などが有名だ。
世界的には、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「我が信条」など
が経営学のテキストに必ず登場する。しかし「わが社には、ウェイ
があるのかどうかよくわからない」という人もいそうだ。
【2】
もしかしたら「自社には明文化されたウェイがない」ことに気づく
かもしれない。なぜ、トヨタや花王、J&Jはそれを明文化してい
るのに、自社ではしていないのだろうか。
今日、すべての企業が激しい競争にさらされている。また、多くの
企業が、年齢構成のいびつさや雇用形態の多様化、業務の専門化が
もたらす担当業務の細分化などで、組織が複雑になっている。
その結果、仕事を適切に進めるための常識や、暗黙の了解が通用
しなくなっている。また、少し前までグローバル化など無縁と思っ
ていた内需型企業にも、世界的ビジネスのうねりが押し寄せている。
【3】
こうしためまぐるしく変化する環境のなかで、企業はよりスピーデ
ィーな状況分析とフレキシブルな軌道修正が求められる。そのため
には、メンバーの考え方や行動の基準がそろっていることが重要だ。
サッカーでいえば、いちいち声に出して指示しなくても、ボールを
持った選手と周りの選手が瞬間に状況判断して、お互いの暗黙の了
解で次のプレーの息が合うといったイメージだ。
選手が、そのチームらしいプレーを行う際の規範となるのが、ウェ
イなのだ。元来、暗黙的だったものを、わざわざウェイとして明文
化する企業が増えているのは、こうした社会的な背景が大きいのだ。
ウェイ作りをすると、組織の一体感が生まれるという副次的効果も
ある。組織にいる人は「自分たちは何のために存在し、何を大切に
して行動するのか」が明確になり、それが求心力になるのだ。
【4】
ウェイの定義はさまざまだが、ここでは「経営理念と行動指針の両
者を接着剤のように結びつけることで、企業文化を強化し、従業員
が適切な行動をとることを促進するもの」と定義する。
組織文化は、絶えず変化する。そのため、ウェイには盛り込みにく
い。しかし、実際に従業員が従うのは、崇高な理念よりも、組織文
化だ。組織文化こそが、組織の良し悪しを決定づけるのだ。
だが、組織文化はコントロールが難しい。また、易きに流れ、劣化
することが多い。たとえば、挑戦することが企業文化という会社も、
企業として成長すれば、官僚的になるのはよくある話だ。
【5】
さらに、組織文化は、文章化できない。だから、経営理念との間に
生じたギャップが発見されにくい。そのギャップを埋めようと、経
営者は自らの行動や発言などで、よき組織文化を維持しようとする。
本来、組織文化と経営理念をつなぐのは、行動指針の役目だ。しか
し、行動指針は、経営理念などと比べて見逃されやすく、派手さを
欠く。
そのため、行動指針は見逃されやすく、実際多くの企業で軽んじら
れている。そこで、行動指針に代わって、あるいは行動指針をパワ
ーアップするものとして、ウェイが脚光を浴びるようになったのだ。
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■■選書コメント
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ウェイ、すなわち会社の価値観に合致した行動指針の重要性を説き、
それを社内に作り、定着させるための具体的な方法を、誰にでも分
かりやすく説く本です。
○○ウェイという言葉を耳にするようになりました。言い回しに違
いはあっても、ウェイに近い表現は、ある程度以上の会社であれば、
必ずあると思います。
しかし、お題目や念仏に終わっていることが少なくありません。上
が勝手に決めた建前と考えている人もいます。しかし、ウェイにあ
ることは、現場で実行に移されてはじめて意味があります。
どうすれば、会社の方向性と合致して、会社の推進力になるような
ウェイが作れるのか、本書には、それが詳しく、具体的に書いてあ
ります。
本書の特徴は、極めて具体的、実践的であることです。本書一冊あ
れば、自分たちでウェイの作成から、運用までできてしまうレベル
に落とし込まれています。
さらに、理解を助け、内容をイメージしやすいように、ストーリー
が紹介されている点もユニークです。最近流行の「ノウハウを物語
で理解する」の要素も含んでいるのです。
「ウェイなど、経営トップや企画部が決めればいい」と思いがちで
すが、理念やビジョンと現場との橋渡し役であることを考えると、
やはり現場で、全員が納得した上で決めるべきです。
つまり、本書は、現場をまとめ、一体感のある機動的なチームにし
たいと考える組織の長、マネジメントクラスの人や、彼らをサポー
トする役割の人にお勧めします。
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