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2010/11/26
社員みんながやさしくなった

社員みんながやさしくなった

人は、本当はみんなやさしいんだ
36歳の時にネットワーク・エンジニアを育成して企業に派遣する会社「アイエスエフネット」を設立した。資本金1000万円、メンバー4人の小さな会社だった。起業当初から、障がいを持つ人たちを雇用したいと思っていた。折にふれて「うちは障がい者を採用します」と宣言し、2年も経たないうちにハローワークにも募集を出した。最初は、簡単にはいかなかった。1年、2年経っても応募の気配がなかったのだ。応募者がない理由の1つは、ITという業種に対する不安と戸惑いだった...


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■今週の選書
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人は、本当はみんなやさしいんだ

【1】

36歳の時にネットワーク・エンジニアを育成して企業に派遣する会
社「アイエスエフネット」を設立した。資本金1000万円、メンバー
4人の小さな会社だった。

起業当初から、障がいを持つ人たちを雇用したいと思っていた。折
にふれて「うちは障がい者を採用します」と宣言し、2年も経たな
いうちにハローワークにも募集を出した。

最初は、簡単にはいかなかった。1年、2年経っても応募の気配が
なかったのだ。応募者がない理由の1つは、ITという業種に対す
る不安と戸惑いだった。

比較的新しい業種のため、一般に馴染みがなく、何をしている会社
なのか、どんな人が働いているのか、就職したら何をするのか、何
もわからないわけだ。

当時は、障がい者の就労先といえば、印刷業や清掃業、飲食業がほ
とんどだった。そのため、IT企業への就職に不安を抱くのは当然
だった。

【2】

もう1つ、応募のない理由は「知名度もない零細ベンチャー企業に
就職して大丈夫なのか」と思われていたことだ。本人以上に親御さ
んたちが不安に感じていたようだ。

特に、知的障がいを持つ方は、環境や状況の変化になかなか対応で
きない。だから、親としては、会社勤めするなら、なるべく長く働
ける会社、つまり倒産しない会社に入れたいと思っているわけだ。

当時、養護学校を卒業したら生活指導および作業指導を行う授産施
設に行くのが親の望む一般的な道だった。そこに入れば、永久就職
したようなものだ。給料が少なくても、親は安心できるのだ。

私たちは、求人広告さえ出せば応募があるだろうと安易に考えてい
た。そのことを反省するとともに、障がい者が一般企業で働くこと
がいかに大変かを改めて考えさせられた。

【3】

1人も採用できないまま数年が過ぎた頃、ある都立養護学校の先生
と知り合いになり、意気投合した。そして、1人の生徒を採用する
ことになった。

障がい者雇用第1号は、公募でなく、ハローワークの紹介でもなく、
偶然の出会いがもたらしてくれた幸運だったのだ。創業6年目の
2006年のことだった。

そのすぐ後、別の養護学校からも1人採用することになり、結果的
に2人の採用が決まった。2008年には、特例子会社として「ハー
モニー」を設立、障がい者を5人採用することができた。

特例子会社とは、親会社が障がい者に特別の配慮を払うことなど、
一定の要件を満たすことで厚生労働省から認定される子会社だ。

特例子会社の認定を受けるには5名以上の障がい者を雇用していな
ければならない。当初は応募者が集まらず苦労したが、親御さんへ
の説明会を開くなどして、最終的に5人を採用できたのだ。

【4】

現在、一定規模以上の企業は、法律で身体障がい者または知的障が
い者を一定割合以上雇用することが義務づけられている。民間企業
では1.8%、国・地方、公共団体などでは2.1%と規定されている。

つまり、従業員100人の会社で約2人、1000人の会社で約20人の
障がい者を雇用しなければならない。通常、子会社の障がい者雇用
率は親会社に反映されないが、特定子会社なら反映される。

厚労省によると、法定雇用率を達成している会社は半分以下だ。そ
の理由は「採用が困難」「教育が困難」「仕事を作り出すのが困難」
の「三つの困難」と言われている。

しかし、これは会社や担当者の意識改革で解決できることだ。私た
ちは障がい者でも教育しながら仕事をすれば、会社の一員として十
分利益に貢献できるようになることを日々実感している。

私たちの試みは、従来の経営感覚すれば破天荒だ。しかし、人を思
いやる気持ちは誰にでも備わっている。その気持ちをもって取り組
めば、必ず実現できると確信している。

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■■選書コメント
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本書は、障がい者を積極的に採用しながらも業績を大きく伸ばし、
障がい者やその家族だけでなく、周囲から大いに注目されている会
社の常識破りな取り組みの記録です。

著者の渡邊社長は、これからも雇用が難しいとされている人たちを
積極的に採用し、2020年までには1000人に、しかも彼らに月給を
25万円払うと宣言しています。

障がい者の雇用というと、一般には福祉や行政、ボランティアの問
題とされがちです。または、余裕のある大企業が、社会貢献の一環
で取り組むものと考えられています。

理由は、障害のある人を雇えば、パフォーマンスが落ちると思われ
ているからです。厳しい昨今、小さな会社には、とてもそんな余裕
がないのが普通です。

ところが、アイエスエフネットは、創業当初から障害者を雇ってい
たと言うから驚きです。しかも利益を上げ、創業わずか十年で、従
業員数1600人の会社に成長しています。

ハンデがあっても、希望をもって、生き生き働くことができる社会
は素晴らしいし、不可能ではないと思います。読めば読むほど、社
長の思いや、従業員たちの優しさが伝わって感動します。

本書は、決して雇用の本でも、会社経営の本でもありません。会社
とは、仕事とは、リーダーとは、人とはなど、そして自分は世の中
に何がでるのかをじっくり考えるきっかけをくれる本です。

そんなわけで、本書は経営者や採用、福祉に携わる人だけなく、あ
らゆるビジネスパーオンが、読めば仕事や働き方を考えてしまう本
です。ぜひ、一読いただきたいと思います。

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 (C) Copyright 1999-2010
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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