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2010/12/31
イシューからはじめよ
「犬の道」に逃げるな
外資系コンサルティング会社で経営コンサルタントとして働き、同時に科学者として脳神経科学の研究を行ってきた。その経験から、「圧倒的に生産性の高い人」には共通点があることがわかった。それは、彼らが「1つのことをやるスピードが10倍、20倍と速いわけではない」ということだ。これをきっかけに「彼らは何が違うのか?」「知的生産の本質とは何か」考えるようになった...
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■■選書サマリー
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「犬の道」に逃げるな
【1】
外資系コンサルティング会社で経営コンサルタントとして働き、同
時に科学者として脳神経科学の研究を行ってきた。その経験から、
「圧倒的に生産性の高い人」には共通点があることがわかった。
それは、彼らが「1つのことをやるスピードが10倍、20倍と速い
わけではない」ということだ。これをきっかけに「彼らは何が違う
のか?」「知的生産の本質とは何か」考えるようになった。
また、「本当に優れた知的生産性には共通の手法がある」というこ
ともわかった。特に重要なことが「イシュー」からはじめるという
ことだ。
巷には「問題解決」や「思考法」をテーマにした本が溢れている。
だが、その多くが単なるツールやテクニックの紹介にすぎず、本当
に価値あるアウトプットを生み出す視点で書かれたものは少ない。
「ロジックツリー」「フレームワーク」などのツールは、正しく使
えば強力だが、知っているだけでは答えは出せない。まして「何を
アウトプットすべきか」については、導き出すことはできない。
意味あるアウトプットを、期間内に生み出す必要のある人にとって、
本当に考えねばならないことは、単なるノウハウやツールでなく、
考え方だ。そのカギとなるのが「イシュー」だ。
【2】
「イシュー」とは、知的生産活動の目的地のことだ。大切なことは、
「何に答えを出すべきか」について、ブレずに取り組むことなのだ。
目的地の見えない活動はつらい。行き先が見えれば、力が湧く。イ
シューを知り、それを考えれば、その目的地が彰中になるので、プ
ロジェクトの立ち上がりは圧倒的に速くなり、混乱も防げる。
知的生産活動においては、イッシューがどんな役割を果たし、どの
ように役立つのか、イッシューをどのように見分け、どのように扱
えばいいのかを理解することが極めて重要なのだ。
【3】
「考える」と「悩む」は違う。「悩む」とは「答えが出ない」前提
で「考えるフリ」をすることだ。「考える」とは「答えが出る」前
提で、建設的に考えを組み立てることだ。
この2つは、似ているようで全然違う。特に、仕事で悩むのは、バ
カげている。仕事とは、何かを生み出すためにあるのであって、変
化を生まないとわかっている活動に時間を使うのはムダだ。
これを意識しないと「悩む」ことを「考える」ことだと勘違いして、
貴重な時間を失ってしまう。「悩む」と「考える」の違いを意識す
ることは、知的生産に関わる人にとって、極めて重要なことなのだ。
悩んでいる自分を察知できるようになることも大切だ。10分以上真
剣に考えて、埒が明かないようなら、一旦、考えるのをやめたほう
がいい。もう悩んでしまっている可能性が高いからだ。
ビジネスや研究では、あくまでも「考える」ことだ。「答えが出る」
前提に立つべきだ。「悩まない」というのは、仕事で最も大事にす
べき信念なのだ。
【4】
「イシューからはじめる」という考え方は、一般的な考え方とは、
異なる。特に「生産性向上のために効率を重視する」アプローチ、
いわゆる「ライフハック」と呼ばれるものとは視点が違う。
大切なことは「常識を捨てる」ことだ。問題を「解く」より「見極
める」こと、「解」より「イシュー」の質を上げることを重視する
べきだ。
「知れば知るほど知恵がわく」のでなく「知りすぎるとバカになる」
と考えるべきだ。「一つ一つを速くやる」より「やることを削る」
ことにこだわるべきだ。
このように「イシューからはじめる」という考え方では、一般的な
常識、特に世にはびこる、効率重視のいわゆる「ライフハック」と
は、目線が違うことがわかるはずだ。
そして、これこそが、圧倒的に知的生産性の高い人たちのアプロー
チだ。ぜひ、毎日の仕事の中で、イシューの探究を始め、本当の意
味で、知的生産性を向上させてほしい。
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■■選書コメント
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本書は、コンサルタント、研究者、マーケター、プランナーなど、
知的生産活動に従事するプロフェッショナルのために思考術を解説
する本です。
思考術というと、MECE、フレームワーク、ピラミッド構造、フ
ェルミ推定など、問題解決の手法を解説した本がたくさん発刊され
ています。しかし、本書はこうした本とは一線を画します。
実は、それらツールを覚え、使いこなしても、知的生産性は向上し
ません。これらは、あくまで「解」への到達を助けるもので「問い」
の設定そのものの質を高めるツールではないからです。
しかし、実際の職場では「問い」そのものが、間違っていたり、不
明瞭だったり、不必要なものだったりする可能性があります。そう
した「問い」へ不備に、従来のツールは対応していません。
問題そのものが間違っていれば、間違った答えに、早く正確にたど
り着くだけです。その答えに価値はありません。本当に必要なこと
は、問いの設定の見極めであり、本書はそれを教えてくれます。
著者は、脳科学者であり、元マッキンゼーのコンサルタントで、現
在はヤフーで働くトリプルキャリアの持ち主です。いわば問題解決
のプロです。そんなプロの頭の中身を知ることができます。
というと難しそうですが、図解もふんだんに駆使して教えてくれま
す。体系的かつシンプルに書かれていますので、理解しやすいと思
います。
知的な仕事に関わる人なら、本書を読んでその手法を仕事に取り込
めば、仕事の質が格段に改善するはずです。それ以外の方でも、物
事を考える際に役立ちます。お勧めします。
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