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2011/02/25
一生かかっても知り得ない　年収１億円思考

一億円という、未知の世界へ
世の中には「とんでもなくお金を稼ぐ人」と「まったく稼げない人、あるいは稼いでも頭打ちになる人」の２種類がある。前者を「稼ぐ人」、後者を「稼げない人」と呼ぶ。「稼ぐ人」たちには、共通点がある。それも15歳までの環境と20代の体験、あるいは自分の売り方やポジショニングの取り方などが、本質のところで共通している...

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■今週の選書
■一生かかっても知り得ない　年収１億円思考
■江上治／経済界
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■■選書サマリー　　
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一億円という、未知の世界へ

【１】

世の中には「とんでもなくお金を稼ぐ人」と「まったく稼げない人、
あるいは稼いでも頭打ちになる人」の２種類がある。前者を「稼ぐ
人」、後者を「稼げない人」と呼ぶ。

「稼ぐ人」たちには、共通点がある。それも15歳までの環境と20
代の体験、あるいは自分の売り方やポジショニングの取り方などが、
本質のところで共通している。

具体的な方法や経験は、人によって異なるが、そこから本人が獲得
したマインドや思考方式、行動パターンは驚くほど似ている。それ
こそが、その人を稼ぐ人にした要因なのだ。

これは、単なる稼ぐための法則ではない。人生をいかに生きるべき
かの答えでもある。人生の生き方の範であり、大切な参考書でもあ
るのだ。

【２】

もちろん、稼げない人にも共通点がある。これも反面教師として勉
強になる。特に「マインド」「固定観念」「素直さ」「数値判断」
「金遣いの思考」の点で、共通項がある。

まず「マインド」だが、「稼げない人」は「仕事に対する気持ちの
強さ、高さ」が弱く、低い。理由は「稼ぐ」マインドは、丁稚奉公
の中から生まれ育つからだ。

会社に入りたてのころは、誰しもまったくの素人だ。言われたこと
を、愚直にやり続けるしかない。しかし、コツコツと愚直にやり続
けていくと、必ず光が見えてくるものだ。

ところが「稼げない人」は「楽して生きたい」と考える。そのため、
存在しない「青い鳥」を求めて、うろうろする。「稼ぐ」とは、あ
えて「青い鳥」を探さない強いマインドからしか生まれないのだ。

また、マインドの弱い、低い人は「固定観念」にしばられている。
だから、局面が変化したとき、それに対応して自らの行動を変える
ことができない。

反対に、固定観念にしばられない人間は切り替えが早い。「自分が
これまでやってきたことが失敗だった」ことに気付けば、冷静にそ
れを分析して方向転換が図れる。だから稼げるのだ。

【３】

「稼げない人」が固定観念にしばられて変化に対応できないのは、
「素直さが欠けている」からだ。素直さとは、率直に現実を見る力、
客観的な現実を受け入れて自分を変える力だ。

つまり、他からの声に耳を貸す度量だ。人の意見に耳を貸さず、自
分の思い込みだけで行動しようとするから、いつまでも堂々巡りを
してしまうのだ。

たとえばクレームは、ありがたいことだと素直に聞くべきだ。納得
したら、すぐに改めるべきだ。そういう態度が、固い頭を柔軟な頭
に作り変えてくれる。

取引先がクレームを言うのは、まだ「この会社と付き合おう」とい
う意思があるからだ。本当にダメな会社だと思っていたら、黙って
解約するはずだ。

【４】

「稼げない人」は数字に弱い。ビジネスは、すべて最終的に数字に
置き換えられる。数字を見ながら現実を分析しないと、判断が大甘
になる。自分の都合のいいように現実を解釈してしまう。

数字が苦手な人は、何にいくら使ったか、どの行動にどれくらい時
間をかけたか「家計簿」をつけるべきだ。家計簿を見れば、自分に
投資をしたか、他人のためにお金を使ったかが如実に現れる。

もうひとつ「稼げない人」の共通項として、金遣い思考がある。こ
れは「数値判断」の発展系だ。稼げるか、稼げないかは、お金の使
い方、つまり「予算思考」か「投資思考」かによるところが大きい。

予算思考とは、お金を使う際、まず財布の中身、残金を気にする思
考法だ。この思考法では、堅実でお金を貯めることはできるが、稼
ぐことはできない。

稼ぐのは投資思考だ。これは「何に使うか」に重点を置いて考える
思考法だ。すっからかんになる可能性があるが「生きた」お金の使
い方をするので、とんでもなく「稼ぐ」ことができるのだ。

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■■選書コメント
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本書は、年収一億円という、とてつもない収入を稼ぐ人の思考法や
行動パターンを分析し、共通点を見つけ出し、ノウハウとしてまと
めたものです。

著者は、富裕層専門のファイナンシャルプランナーとして、年収一
億円を超えるお客さんを50名も抱える方です。著者いわく、本質的
なところに共通点があると言います。

もちろん、これくらいの規模を目指すには、小手先のテクニックで
はだめで、生き方そのものが問われてきます。その点、本書の教え
そのものが、人生の教科書になっています。

年に一億円を稼ぐと言うと、尋常ではないので、思考も行動も、よ
ほど奇抜なものかと思っていました。しかし、読んで感じたことは、
肩すかしを食わされたと感じるほど、当たり前のことばかりです。

中には、「年功序列や、終身雇用、家族経営など、日本的経営を大
事にする」とか「家族を大切にする」「部下を丁稚奉公させる」な
ど、意外なものも多く見受けられました。

当たり前のことであっても、完璧にこなすことは容易ではありませ
ん。だから、当たり前になるまで語られてきたのです。「自分はで
きているのか」と自問しても、自信のないことばかりです。

「とてつもなく稼ぐ」人は、ごく当たり前のことを、当たり前でな
い程度までに、徹底的にやる人なのだと思います。それが、成功の
秘訣なのだと思います。

お金持ちになりたい人、稼いでいる人に人生の成功譚を学びたい人、
稼ぐ人と付き合うために、彼らの考え方を学びたい人はもちろん、
仕事の本質を学びたい人などにお勧めします。

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