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2011/03/04
ゆるく考えよう
頑張らないで行こう
私は、高すぎる目標は持たないように気をつけている。これまでの人生で、達成が不可能に思える目標を掲げたことはない。それより、少し手を伸ばせば届く範囲で、人生を楽しめばいいと思っている。個人と同様、日本の将来に関しても大きな期待はしていない。極めて楽観的だ。日本の将来に悲観的な人の多くは、そもそも期待値が大きすぎるのだ...
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■■ ビジネス選書&サマリー
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■今週の選書
■ゆるく考えよう
■ちきりん/イースト・プレス
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■■選書サマリー
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頑張らないで行こう
【1】
私は、高すぎる目標は持たないように気をつけている。これまでの
人生で、達成が不可能に思える目標を掲げたことはない。それより、
少し手を伸ばせば届く範囲で、人生を楽しめばいいと思っている。
個人と同様、日本の将来に関しても大きな期待はしていない。極め
て楽観的だ。日本の将来に悲観的な人の多くは、そもそも期待値が
大きすぎるのだ。
たとえば「世界第2位の経済大国である日本」「国際社会でリーダ
ーシップを発揮し、諸外国から尊敬される日本」そんな国家像を夢
想しているようだ。
だが、そんな高みを目指す必要はない。世界200カ国の中で2位と
いうのはトップ1%だ。あなたは、今までの自分の人生で、トップ
1%になることを目指したことがあるだろうか。
【2】
日本は、経済規模で中国に抜かれた後、3位を維持できるかどうか
もわからない。インドやロシアのように人口が多く、資源も豊富な
国が控えている。いつか世界6位くらいになっても不思議ではない。
しかし、200カ国のうちの6位なら、十分先進国の一員と言える。
まったく問題ないと言える。国際社会におけるリーダーシップなど、
アメリカや中国、ロシアなど野望の大きな国に任せておけばいい。
多額のお金を使い、国連常任理事国になっても、普通の人の生活は
何一つ楽しくはならない。
中には、シリコンバレーを例にとって「日本人はグローバルに活躍
できていない」と言う人もいる。だが、同じ先進国のフランス人や
ドイツ人は、そんなにシリコンバレーで活躍しているのだろうか。
要するに、日本は目標が高すぎるのだ。「アメリカと互角に!」「中
国には負けるな!」と過大な野望を持つのはいい加減やめて、気楽
にいったらいいのだ。
個人も同じだ。目標を低く設定すると楽になれる。幸せに生きるた
めにも、目標は低いほうがいいのだ。
【3】
私は、日本がすごく好きだ。すばらしい国だと思う。外国に住みた
いと思ったことなど一度もない。日本ほど食べ物がおいしい国はな
いし、平和で犯罪も少ない。電車は時間通りに出発する。
それに、未来もとても明るい。日本には「ユニークバリュー」があ
る。"日本だけが世界で異質"という面が数多くある。つまり「世
界に売り込めるユニークな価値を多く持っている」のだ。
若者も優秀だ。今の20代は行動力、英語力、視野の広さなどの面で
30年前、1980年頃の学生より、かなり優秀だ。「最近の学生は・・・」
などという人は、自分が若者の時のことを忘れているのだ。
さらに、これから世界のビジネスの中心は「西欧」から「アジア」
に変わる。距離的、文化的に近い日本にとって、これが有利に働く
はずだ。
【4】
日本が目指すべき国は、アメリカでもイギリスでもなく、イタリア
だ。イタリアは、経済は世界で10~20位、政治はぐちゃぐちゃで、
国際社会でのプレゼンスも特にない。
だが、首都は世界が憧れる大都市だ。食事は世界トップレベルのお
いしさで、ファッションも独自のスタイルが世界の注目を集める。
国家ブランドが強く「イタリア製」に高い付加価値がある。
観光産業は海外、特にヨーロッパ圏内から多数の人が押し寄せる。
さらに、文化はアメリカの真似ではないローカルカルチャーがある。
フランスが文化面で憧れる数少ない国の一つだ。
つまり、グローバル国家ではなく、超ドメスティック志向の国なの
だ。こう考えると、イタリアと日本は、すでにほとんど同じだ。違
いは「気の持ちよう」だけだ。
イタリア人の多くが「イタリアはこれでいい。すばらしい国だ」と
思っているのに、日本には「これではダメだ」という人が多すぎる。
日本もみんなが「日本が大好き」と言う国になるべきなのだ。
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■■選書コメント
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人生を楽しく生きるために、ゆるく、すなわち柔軟に、自分らしく
考えることを勧める本です。これまでのように、とにかく頑張るの
でなく、好き、楽しい、楽に考えたほうがうまくいくと言います。
もちろん「ゆるく」といっても、無気力、無定見、無責任、場当た
り的に生きることを推奨することではありません。自分にとっては
楽で、周りの人には価値があることを目指します。
著者は、外資系企業に勤務の後、今では「働かない生活」を謳歌、
月間100万以上のページビューのブログ「Chikirinの日記」を書く
ちきりんさんです。
本書では、仕事から、お金、生き方や人生観、国家観まで、ありと
あらゆる分野で持論を展開しています。どれもユニークで、考えさ
せられます。
単に、ユニークなだけでなく、論旨がしっかりしていて説得力があ
ります。何より、結論が、どれも肯定的なので、元気になれます。
だからこそ、ブログも多くの人に支持されるのだと思います。
日本経済が世界を席巻していたころ、バブル期に最前線にいた世代
から見れば、今の日本も、そこで働く人たちも「内向き、下向き、
後ろ向き」で耐えられないようです。
しかし、破たんしているのは、そんな古い世代の価値観のほうかも
しれません。今も日本は十分に幸せですし、若い世代の未来も悲観
するようなものではありません。
高い目標を掲げて突き進む型の自己啓発本に疲れ果てた方、若い世
代を頼りないと感じ、日本の行く末を悲観する、おじさん世代にも、
ぜひお読みいただきたい一冊です。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2011
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