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2011/11/25
営業部は今日で解散します。

営業部は今日で解散します。

「売らず」に「売る」そのココロは?

シンプルに考えると商売はたった3つの力で成り立っている。まず、絶対に欠かせないのが「売りものをつくる力」だ。会社を続けていくには、モノやサービスを売っていかなくてはならない。もちろん、それだけではだめだ。2つ目の力は「管理する力」だ。商品やサービスのクオリティや、資金や在庫の管理、スタッフのモチベーションや経営者の健康管理など、管理するものは無数にある...


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■今週の選書
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「売らず」に「売る」そのココロは?

【1】

シンプルに考えると商売はたった3つの力で成り立っている。まず、
絶対に欠かせないのが「売りものをつくる力」だ。会社を続けてい
くには、モノやサービスを売っていかなくてはならない。

もちろん、それだけではだめだ。2つ目の力は「管理する力」だ。
商品やサービスのクオリティや、資金や在庫の管理、スタッフのモ
チベーションや経営者の健康管理など、管理するものは無数にある。

そして、3つ目に必要なのが「伝える力」だ。特に「売りものを売
る力」「知ってもらう力」が重要だ。言い換えれば、会社としての
伝達力、マーケティング力だ。

「一度、使ってくれさえすれば」と誰もが言う。だが、それが難し
い。営業担当を増やさず、広告コストを抑えながら、いかに伝えた
いことを伝えるか。会社としてのアイデアの見せどころだ。

【2】

ビジネスに必要なこの3つの力を、それぞれ10点満点として、現時
点であなたの会社の力はそれぞれ何点だろうか?この3つを掛け算
した答えが、今のあなたの会社の総合的な力だ。

そう考えると、この中に極端に低い数値が1つでもあれば、それだ
けで会社の力がガクンと下がってしまうことがわかるはずだ。

よく耳にする「1度でも使ってもらえれば」という会社やお店は、
「商品はすごくいい、管理する能力はそこそこ、でも『売る』のと
『伝える』のは大の苦手」という会社だ。

そういう会社やお店が実に多いのだ。つまり、点数でいえば、順番
に「8点」「7点」「2点」という状態の商売だ。

当然のことだが「知られていないもの」は売れない。お客さまも、
買いようがない。売れない理由の大半は「高いから」「安いから」
ではなく「よく知られていないから」なのだ。

【3】

ここでは、3つの力の中で、特に「売りものを売る力」、とりわけ
「広げる力」にフォーカスしたい。しかも「なるべくお金をかけず
に」実現することを目指したい。

夢のような話と思われるかもしれないが、少し街を観察すれば「お
金をかけずに、アイデアで広げる」という各社の努力は、あらゆる
ところに見受けられる。

たとえば、大分空港の手荷物受取所には、いつも歓声が沸いている。
手荷物受取のベルトコンベアの上では、スーツケースと同じ大きさ
の「にぎり寿司」のディスプレイが回っているのだ。

その姿は、まさに回転寿司そのものだ。これは、大分空港が自治体
と一緒に、地元の海産物をアピールするために作った一種の広告な
のだ。

そこで乗客が一斉に取り出すのが、携帯電話だ。そのユニークなア
イデアを写真に収めるためだ。

これにより、空港の「大分に来たら、お寿司を食べてね」というメ
ッセージは、当人だけでなく、ツイッターやブログ、フェイスブッ
クを通じて、友人や職場の同僚にも一気に広がるわけだ。

これが、お金をかけずにアイデアで広げるテクニックだ。一生のう
ち、1回でも大分に来るかどうかわからない人のために莫大なお金
をかけて広告を出すよりも、ずっと効果的だ。

【4】

大分空港の例でもわかる通り「広げる技術」はアイデア次第でいろ
いろなやり方が考えられる。他にも、気を付けて街を歩けば、様々
な工夫を目にするはずだ。

なお「広げるアイデア」を考える際、一番大切なことは、売り手自
身が「心から楽しみながら、アイデアを練っていくこと」だ。参加
者全員が、楽しんだ会議から生まれる商品は必ずヒットするものだ。

営業部がなくてもやっていける。それくらい、強烈なアイデアを発
想して、あなたの会社の商品やサービスを、世の中にどんどん広げ
てもらいたい。

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■■選書コメント
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小さな会社のマーケティングの本です。自社の商品やサービスを、
お金をかけず、口コミやソーシャルメディア、パブリシティなどを
通して広めていくアイデアをたくさん紹介します。

著者の村尾さんは、小さな会社のブランド戦略を手掛けるコンサル
タントです。ご自身が起業した会社で実践し、成功したノウハウを、
小さな会社やお店に提供されています。

本書は、まず奇抜なタイトルに意表を突かれます。真意は「マーケ
ティングをしっかりやれば、営業部などいらなくなるくらい効果が
ある」ということです。

まさに、このネーミングからして「広がる」ことの仕掛けになって
います。現に、私自身、頼まれもしないのに、こうして皆さんに紹
介していることに気づきました。

「良い商品やサービスを持っているのに売れない」という企業は、
たくさんありますが、その理由はお客様に知られていないからです。
お金を遣わず知ってもらうには、頭を使うしかありません。

書籍では、企業が商品やサービスを広げるユニークなアイデアを、
世界中の事例や著者自身のノウハウの中から、これでもかというく
らい紹介してくれます。

一見、ばかばかしいようなものもありますが、大人が真面目に知恵
を絞ったアイデアです。自社の商品やサービスを広げる方法を発想
するのに使えます。もちろん、単に話のネタとしても楽しめます

経営者や商品開発、PR、営業などマーケティングの担当者、つま
り、会社や商品とお客様との橋渡しになる仕事をする方々にお勧め
します。

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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2011
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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