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2011/12/23
孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則
孫正義さんのスゴいプレゼンの秘密
創業以来、さまざまな歴史を作ることに関わり、わずか30年余りで売上高3兆円となったソフトバンクの快進撃は、プレゼンテーションの力によるところが大きい。日本では、ソフトバンクのようなベンチャー企業に、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源が極端に不足している。これを補うには、社外からの調達が必要だ...
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■■ ビジネス選書&サマリー
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■今週の選書
■孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則
■三木雄信
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孫正義さんのスゴいプレゼンの秘密
【1】
創業以来、さまざまな歴史を作ることに関わり、わずか30年余りで
売上高3兆円となったソフトバンクの快進撃は、プレゼンテーショ
ンの力によるところが大きい。
日本では、ソフトバンクのようなベンチャー企業に、ヒト・モノ・
カネ・情報といった経営資源が極端に不足している。これを補うに
は、社外からの調達が必要だ。
このとき、プレゼンテーションの力が、あらゆる相手を動かすため
に重要になるのだ。それは、プレゼンテーションが「メッセージを
共有し共感」するための最良の手段だからだ。
だが、ありきたりの説明では、相手の興味を引き付けることはでき
ない。自社の強みや弱みでなく、その事業の「歴史的な必然性」、
そして「社会にどのような価値があるのか」を訴える必要がある。
このような「歴史的必然性」と「社会的な価値」を訴えることが
「共感」を呼ぶのだ。
人は、誰でも「社会を少しでも良い方向に変えたい」「歴史の1ペ
ージに、自分の足跡を残したい」という情熱を持っている。その小
さな情熱の炎を大きく燃え立たせるのがプレゼンテーションなのだ。
【2】
プレゼンテーションは、誰にとっても解りやすいものであるべきだ。
そのためには、スライド一枚一枚の「メッセージ」が、明確で分か
りやすいものであるべきだ。
そして、それ以上に重要なことは、プレゼンテーション全体の「メ
ッセージ」が、シンプルで骨太なものであることだ。そのためには、
プレゼンテーションに明確な「戦略」が必要だ。
そして、その「戦略」のキーになるスライドを、プレゼンテーショ
ンに埋め込むことだ。時には、全体を一枚のスライドに集約したよ
うな「戦略」的な「メッセージ」を込めるのだ。
戦略とは「情報を徹底的に集め、枝葉を除去し、一番太い幹になる
ものだけに絞り込み、これをやらねばという急所を見つけることだ。
つまり、戦略とは『略』すること」なのだ。プレゼンも同じだ。
【3】
もちろん、全体の「メッセージ」だけでなく、一枚一枚のスライド
の「メッセージ」も分かりやすいものにするべきだ。各スライドの
「メッセージ」は10文字から20文字以内にまとめることだ。
短文の「メッセージ」一つと、グラフや図・写真が一枚というのが、
標準的なスライドの作り方だ。ところが、多くの人が文字と図ばか
りの「読み物」的スライドを作りがちだ。
理由は、文字が多いスライドを作らないと、仕事をした気がしない
とか、手抜きしたと言われかねないなどだ。しかし、スライドは上
司のために作るものではないはずだ。
重要なことは「メッセージ」が「戦略」に従って入念に検討され、
その結果、シンプルに整えられていることだ。会場の誰もが、内容
を一瞬で理解できることを目指して、スライドを作るべきだ。
【4】
スライドが、情報過多で、分かりにくいものになる理由は、もう一
つある。それは、パワーポイントのせいだ。
パワーポイントでは、スライド上に、タイトルと本文がレイアウト
され、本文には箇条書き形式で論理的な階層構造が組み込まれる仕
様になっている。そのせいで、どうしても文字数が多くなるのだ。
一瞬で理解できず、じっくり目を凝らして読まなければ理解できな
いスライドは、聴衆の集中力を低下させ、コミュニケーションの阻
害要因になる。
実は、ビル・ゲイツでさえ、今やパワーポイントのフォーマットに
従ってスライドを作っていない。我々が、要素過多の、バランスの
悪いスライドを作らなければならない理由はまったくないのだ。
シンプルで見やすく、骨太な「メッセージ」の伝わりやすいプレゼ
ンテーションを目指すべきだ。そのために、どんどん工夫してほし
い。
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■■選書コメント
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プレゼンの達人としても知られる、あのソフトバンクの孫さんのプ
レゼンテーションから、上手なプレゼンのコツを学ぶという画期的
な本です。
創業わずか30年で年商3兆円の会社になったソフトバンクですが、
その原動力の一つが、孫さんのプレゼン力と言われています。彼の
プレゼンが人、物、金を集め、歴史的な事業を実現してきたのです。
その卓抜したプレゼン力を研究し、自分たちのプレゼンにも活かそ
うという試みです。著者は、ソフトバンクの社長室長として、いつ
も近くで、孫さんのプレゼンを見てきた方です。
プレゼンテーションが上手いか、下手かは、成果を大きく変えます。
政治の世界でも、経営の世界でも、我々の日々の仕事でも、プレゼ
ンの良し悪しが、大きな違いを生みます。
どんなにすごい発想も、斬新なアイデアも、相手に伝わらなければ
意味がありません。伝わるから人が動き、結果が出せるのです。そ
う考えると、プレゼン力は極めて重要なビジネススキルです。
なお、本書は当たり前ですが、イラストの描き方とか、パワーポイ
ントの操作法など、プレゼンテーションの細かいテクニックを解説
する本ではありません。
孫さんのプレゼンテーションをいくつか取り上げ、なぜあのように
語るのか、なぜスライドはあのように作られているのかなど、その
意味や、意図を分かりやすく解説するものです。
いわば、プレゼンの本質を語る本です。プレゼンが仕事の一部とい
う方はもちろん、そうでない方も、一読してみることをお勧めしま
す。
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