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2012/01/06
志を育てる
志を見つけ、育てるには?
「志」という言葉は、定義が難しい。おそらく、個々人にそれぞれによって意味づけが異なるはずだ。古今東西、多くの人が志を抱いて生きていくことの大切さを説く言葉を残している。そうした言葉に触れ、「自分も志を抱いて生きていきたい」と考える人が増えていく...
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■■選書サマリー
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志を見つけ、育てるには?
【1】
「志」という言葉は、定義が難しい。おそらく、個々人にそれぞれ
によって意味づけが異なるはずだ。
古今東西、多くの人が志を抱いて生きていくことの大切さを説く言
葉を残している。そうした言葉に触れ、「自分も志を抱いて生きて
いきたい」と考える人が増えていく。
しかし、そのうちの多くの人が、自分の「志」とは何かを自覚した
り、意識することができない。
そのため「『志』がどうやって醸成されたのか」というプロセスや、
「何がきっかけでその志が生まれたのか」といったことに関する研
究や記述はほとんど存在ない。
その結果「志を胸に抱き、志を明確にして生きていきたい」と、思
えば思うほど、参考にするものが見つからなくなる。そして「自分
の志とは何なのか」という迷宮に入ってしまうのだ。
【2】
志がどのように醸成されていくのか、何がきっかけで志が生まれる
のかを考えるにあたり、志という言葉を、どう定義するかを考える
ことが大切だ。
なぜなら「志」は概念自体が言語化しにくいからだ。その上、人に
よって異なるイメージを持たれている。そのため、意味づけが多様
になされている。
ここでは、志を「一定期間、人生をかけてコミットできるような目
標」と定義する。これでも抽象度が高いので、ポイントとなる言葉
を解説する。
すなわち「一定の期間」とは、2~5年程度のことだ。1日や1カ
月くらいでやろうとしていることは「志」ではない。あまりにも小
さい、単なる行動目標だ。
また「人生をかけてコミット」とは、その人が何かに取り組む際、
活用可能な「時間」や「意識」のかなり多くの部分を、自主的に割
いて取り組んでいることだ。
【3】
この定義は、多くの読者が想定する「志」のイメージからは遠いか
もしれない。一般的には「高尚なもの」「他人のために動くこと」
が志のように思われているからだ。
しかし、志を「小志」と「大志」の2つに分けてみるとわかりやす
くなる。「小志」とは「一定期間、人生をかけてコミットする目標」
のこと、「大志」とは「一生涯を通じて達成しようとするもの」だ。
「大志」の実現は、無数の「小志」の実現の上に成されるのだ。そ
のように考えれば、志には大きく2つの定義の仕方があることに納
得いただけるはずだ。
そして、確実に言えることは、まずはことを始めなければ、つまり、
「小志」に向かって動き始めなければなければ、志の旅路は永遠に
始まらないということだ。
実践・実行が伴わなければ、いくら小志の種をまいても、芽を出さ
ない。いきなり生涯にわたる志を見つけようと苦心しても見つから
ないのだ。
それは、スタートラインでゴールがイメージできないと立ち止まっ
ているようなものだ。日々の足元のことをしっかりやり遂げること
こそが、生涯にわたる志に到達する最も近道なのだ。
【4】
今こそ、志を抱いて生きることが大切だ。なぜなら、現在は、自分
から何かをつかみに行かなければ、誰も、何も、与えてくれないか
らだ。
経済発展が著しかった時代なら、人生をかけて取り組むことを、自
分から探しに行く必要はなかった。会社の上司が次々に与えてくれ
たからだ。それに取り組んでいれば、目標達成できたのだ。
しかし、今は、そんなものを誰も与えてはくれない。だから、積極
的になるべきだ。「自分は何を世の中に還元するのか」「何のため
に働くのか」という自分起点の志を見つけることが重要なのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492044485/tachiyomi-22
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■■選書コメント
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志をテーマにした、珍しい本です。志という、重要だが抽象的な概
念の正体を解明し、それが醸成されるプロセスや、その育み方を、
わかりやすく教えてくれます。
「成功するには、志が大事」などと、あらゆる局面で言われます。
にもかかわらず、志に関する研究や、それに関する書籍は、これま
でほとんどありませんでした。
理由は、おそらく、抽象的で分かりにくく、またきわめて個人的な
事柄と考えられているからです。本書は、そんな手つかずだった
「志」というテーマに正面から取り組んだ、意欲的な作品です。
書いたのは、ビジネス教育で定評のあるグロービス経営大学院です。
彼らが、これまで語られてこなかった志を、ロジカルに、しかも体
系的に解説してくれます。
著者たちは「志研究チーム」を発足させ、2年間にわたってインタ
ビューを中心とした調査・研究に取り組んできたそうです。本書は
その研究成果をお披露目する場になっています。
構成は、大きく理論編と事例編に分かれています。理論編では、30
名を超えるインタビューから、志設定のプロセスなどを抽出し、方
法論としてまとめています。
さらに、後半の事例編では、30名を超えるインタビューの中から、
特に特徴的な8名を事例として詳細を紹介しています。彼らの歩ん
だ道を知ることで、自分の成長プロセスが思い描きやすくなります。
時節柄、仕事、家族、個人など、一年の計画を立てる人が多いはず
です。その時、大切なのが、この志との整合性です。ぜひ、この時
期にこそ、読んでいいただきたい本です。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492044485/tachiyomi-22
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