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2012/06/15
100円の不良在庫を5000円の商品に変える方法
これから、お金をどう稼ぐか
日本の企業は、八方ふさがりだ。売上アップやコスト削減は、どこの企業も取り組み、可能な営業努力をし、切れるだけのコストをカットし続けている。それでも収益はあがらない。トヨタ自動車でさえ、国内で売れず、海外に出たものの、円高差損で儲からない。その上、傘下に関連企業や従業員が相当数に達するため、ダウンサイジングもままならない...
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■今週の選書
■100円の不良在庫を5000円の商品に変える方法(村山涼一)
■中経出版
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★本書の詳細、お買い求めは、
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■■選書サマリー
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これから、お金をどう稼ぐか
【1】
日本の企業は、八方ふさがりだ。売上アップやコスト削減は、どこ
の企業も取り組み、可能な営業努力をし、切れるだけのコストをカ
ットし続けている。それでも収益はあがらない。
トヨタ自動車でさえ、国内で売れず、海外に出たものの、円高差損
で儲からない。その上、傘下に関連企業や従業員が相当数に達する
ため、ダウンサイジングもままならない。
ソニーやパナソニックなども、企業努力はしている。だが、業績が
低迷し、うまくいっていない。日本を代表する企業も、なかなか打
つ手がないのだ。
それは「売上-経費=利益」という、今まで常識だった、売上をア
ップし、コストを徹底的に抑えるというマイナスの発想、すなわち
引き算式の手法が、すでに限界に来ているからだ。
その状況を打開するためには、新しいビジネスモデルを導入し、今
までとは違う利益を作っていく「プラスの発想」が必要だ。
【2】
ビジネスモデルの導入に際し押さえておくべきものが「利益モデル」
だ。どれほど優れたビジネスモデルでも「利益をあげる仕組み」が
なければ、事業として継続することができない。
ビジネスを考える上で一番重要なことは「お金をどう稼ぐか」だ。
仕組みが構築できれば、社内で企画が通りやすくなるし、クライア
ントにプランを提案する場合にも、説得力がでてくるはずだ。
とはいえ、何もないところから利益モデルを思いつくことは困難だ。
打つ手をもれなく考えるには、次元の違う様々なフレームワークを
検討する必要があるからだ。
だから、利益モデルを参考に、新しい収益源を発見する必要がある。
既存の利益モデルが理解できれば、それを自社のマーケットや商品
に当てはめれば、実現可能な利益モデルが見つけられるはずだ。
新規事業を収益化していく発想や、ビジネスモデルの転換を検討す
る際はもちろん、可能性のある事業を探っていく時にも、大きな指
針になる。だから「利益モデル」は重要なのだ。
【3】
「利益をあげていく仕組み」を考える際に有効なのが、エイドリア
ン・スライウォツキ─が提唱した利益モデルだ。
彼は「持続的、かつ卓越した収益性で企業に莫大な価値をもたらす
領域」をプロフィットゾーン呼び「どこで利益があげられるか」と
いう問いからビジネスをデザインするべきだと主張する。
「大きな市場シェアを獲得すれば、利益は後からついてくる」とい
う、これまでの法則は成立しなくなった。製品を中心とした時代の
古い目標値になってしまったのだ。
今、求められているのは、利益を生み出すための明確なプランと、
メカニズムだ。その構築の指針となるのが、「利益モデル」なのだ。
【4】
なお、利益モデルをチェックする際には、次の4つの視点が必要だ。
・現在のビジネスは、どの利益モデルを使っているか
・競争相手のビジネスは、どの利益モデルを使っているか
・新しい収入の獲得のために、別の利益モデルが使えないか
・検討中のビジネスプランは、どの利益モデルに当てはまるか
収益をあげるために重要なことは、ビジネスの中に、いかに有効に、
複数の利益モデルを組み込めるかだ。顧客ターゲットの拡大や、売
上アップ、収益率向上には多面的な展開が必要だ。
現在のビジネスに別の利益モデルを組み合わせることで、新しい収
入源を得ていくヒントがあるはずだ。
消費行動やコミュニケーションが、世界中で変わりつつある。とり
わけ国内では、震災で人々のマインドが大きく変化した。何に価値
を見出し、重要視するか、明確な転換点が今だ。
そういう時代だからこそ、過去の成功体験や従来のやり方に固執し
てはだめなのだ。将来を見据えた中長期的な取組みが大事だ。今こ
そ、新たな収益を生むビジネスモデルを構築するべきなのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806143839/tachiyomi
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■■選書コメント
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マーケティングのプロが「利益モデル」の作り方を教えます。世に
あるビジネスを利益獲得のスタイルで5つに分類、さらに細分化し、
15の利益モデルとして紹介します。
著者の村山涼一さんは、複数の広告代理店などを経た後、フリーの
マーケティングプランナーとして、企業のマーケティング業務を請
け負う方。いわばマーケティングのプロ中のプロです。
本書を、自社のビジネスにあてはめながら読み進めれば、それだけ
でたくさんのヒントとアイデアがひらめきます。あとは実践に移す
だけです。
モノが売れない時代ですから、売るためのノウハウが求められてい
ます。それに応える形で、書店にも「売ること」をテーマにしたビ
ジネス書がたくさん売られています。
しかし、その大半が「チラシの作り方」や「セールストークの工夫」、
ウェブの作り方など、従来のやり方の延長線上にあるものです。
しかし、今必要なのは、ビジネスモデルそのものの見直しです。
なお、この手の本は他にもあり、たとえば私も夢中で読んだ『ザ・
プロフット』は名著です。本書は、ソーシャルメディアやスマート
フォンなど、最近の日本の事情に対応しているところが魅力です。
また、ケーススタディで紹介している点も評価できます。10のケー
スを紹介し「どうすれば、利益を生み出せるか」を考えさせます。
著者のコンサルティングを受けているような感覚で読めます。
ケーススタディ形式は「読んだ気がしない」という人もいるようで
す。しかし、本書は、密度が濃いため、読み応え十分です。むしろ、
より理解が進み、助かります。
小さな会社の経営者から、企業の企画やマーケティングの担当者、
その他、プランナーなど、マーケティングに携わるすべての人に、
お勧めしたい本です。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806143839/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2012
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