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2012/06/08
愛されるアイデアのつくり方
「だからやらない」でなく「だけどやる」
お客様に愛されたい─ビジネスマンなら、誰でもそう思うはずだ。モノやサービスが溢れる今、画期的な商品を生み出すことは至難のわざだ。多くの人々が、競合と大差ない「差別化」を作ろうとして「心」を忘れた戦いをしている。しかし、もしお客様に、会社や商品を愛していただけたら、どうだろう?...
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■今週の選書
■愛されるアイデアのつくり方(鹿毛康司)
■WAVE出版
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★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905660/tachiyomi
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■■選書サマリー
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「だからやらない』でなく「だけどやる」
【1】
お客様に愛されたい─ビジネスマンなら、誰でもそう思うはずだ。
モノやサービスが溢れる今、画期的な商品を生み出すことは至難の
わざだ。
多くの人々が、競合と大差ない「差別化」を作ろうとして「心」を
忘れた戦いをしている。しかし、もしお客様に、会社や商品を愛し
ていただけたら、どうだろう?
「差別化」といった戦略より、もっと強い「価値」を生み出し、競
争力を手中にできるはずだ。だから、エステーという生活雑貨企業
に身を置きながら「愛されるCM」作りに全精力を傾けているのだ。
おかげさまで、殿様が出てくる「消臭プラグCM」や、支店長が踊
る「消臭ポットCM」、緑色のとぼけた熊が出てくる「ムシューダ
CM」など、エステーのCMは多くの皆様に愛していただいている。
そして2011年、ミゲルやT.M.Revolutionの西川貴教さんが歌う
「消臭力のCM」が、とにかく愛された。日本で最も好感度の高い
CMに選んでいただき、いくつかの賞も頂戴した。
【2】
エステーのCMはよく「奇策」と言われる。「自由にやられてます
ね」「よくそんなアイデアが出ますね」などと言われることが多い。
しかし、それは誤解だ。
「奇策」を狙っているわけではないし、自由にやっているわけでも
ない。すべてのアイデアは、エステーという会社が置かれた状況に
対応するために生み出された戦略的なものだ。
テレビのCMは、毎月新作が1000種類も生み出され、旧作も含める
と4000種類も放送されている。そこで、どれほど立派なCMを作り、
お金をかけて「枠」を押さえても、覚えてすらもらえないのだ。
しかも、エステーの広告予算が約30億円なのに対し「広告上手」と
呼ばれる企業のほとんどは、その10倍近くの予算を持っている。そ
ういう中でどう戦うかを考える必要がある。
【3】
ヒットCMの公式は「有名人×放送回数」だ。それにはカネが必要
だ。エステーは、そこでは勝負できない。ではどうするか?「無難
なアイデアでは、ぜったいにダメ」だ。
ここでは「突き抜けたアイデア」が必要だ。ただし「押し付けがま
しさ」があってはいけない。なぜなら、視聴者にとって、CMとは
テレビ番組の間に訪れる「休憩時間」だからだ。
その休憩時間に、これみよがしに「ウチの商品いいでしょう?」な
どと言えば、嫌われるのは当たり前だ。
それより、気持ちよく「こんにちは」と声をかけさせていただくよ
うな、心の中に温かいものを感じていただけるCMをつくるべきだ。
そんな「愛されるアイデア」に、他のCMにはない、視聴者を惹き
つける「何か」をプラスする。必要なのは「みんなをほっと笑顔に
する、突き抜けたアイデア」だ。
それが、エステーでの「条件・制約・目的」から導き出した結論だ。
これまでのアイデアは、すべてこの基本戦略を実現するために生み
出されてきたのだ。
【4】
自由こそ、アイデアを生む。よく耳にする言葉だ。しかし、自由の
意味をはき違えてはいけない。
「条件」や「制約」を踏まえた戦略も持たず、野放図に考えること
が「自由」なのではない。それはただ闇雲に歩き回りに等しい。そ
こに生まれるのは、アイデアでなく、単なる思い付きだ。
大切なことは、まず自分の足元をしっかり見つめることだ。その上
で、どこを目指すのかを明確にすることだ。これは、戦略を持ち、
その目的に向かってどう進むかを考えることを意味する。
この時はじめて、あらゆる束縛を解き放って、自由にならなければ
ならない。これが本当の自由だ。戦略なきところに、アイデアなし、
これこそが、アイデア発想の第一歩なのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905660/tachiyomi
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■■選書コメント
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世間をアッと言わせ、しかも愛される、素敵なアイデアの作り方を
教えてくれる本です。お客様を笑顔にする、究極のアイデア発想法
です。
著者は、ムシューダの熊雄や消臭プラグの殿様、そして「消臭力」
のミゲル君など、ユニークで、しかも国民的に愛される広告で支持
されるエステーの特命宣伝部長、鹿毛康司さんです。
アイデアを連発する著者の原点は、何とあの「雪印事件」の体験に
あるそうです。そこで、培った徹底的にお客さまと向き合い、対話
するアプローチが、見る人を幸せにする広告に結実したのです。
「発想法」とありますが、方法の解説本ではありません。著者いわ
く、アイデアで大事なことは、根底にある想いということで、本書
も、小手先のテクニックでなく、著者の想いを中心に語ります。
最近のビジネスの現場は、コミュニケーションも不足がちで殺伐と
しています。そのせいか、情熱とか、想いとかは、青臭いと敬遠さ
れる傾向があります。
しかし、仕事が人の営みである以上、その質を高め、成長するため
に大切なのは、やはりこの青臭い部分です。そのことを改めて思い
出させ、教えてくれました。
想いを大事にする著者だけに、本書も熱い筆致でつづられています。
壮絶な体験や、その時の心情も包み隠さず語ってくれるため、ビジ
ネス書なのに感動さえ覚えます。
もちろん、アイデア発想に必要な大原則や法則も紹介します。アイ
デア発想したり、それを職場に活かす際に活かすことができます。
広告や宣伝、商品開発など、クリエイティブな部門に携わる人は、
ぜひ、お読みください。また、仕事にやりがいが感じられない人や、
仕事に疑問を感じている人にも、お勧めの一冊です。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905660/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2012
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