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2013/03/22
「できる上司」と「ダメ上司」の習慣
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「できる上司」って、どんな人?
上司の役割とは、組織の目的を達成することだ。いくら優秀な人でも、一人の力では限界があるから、上司として大事なことは、人を行動させることなのだ。「できる上司」とは「周りに与える人」だ。部下に目標や使命感、元気、そして成長する機会、活躍する場などを与え、それによって大きなチーム力を生み出し、目標達成に導く存在だ...
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■今週の選書
■「できる上司」と「ダメ上司」の習慣(室井俊男)
■明日香出版社
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■■選書サマリー
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「できる上司」って、どんな人?
【1】
上司の役割とは、組織の目的を達成することだ。いくら優秀な人で
も、一人の力では限界があるから、上司として大事なことは、人を
行動させることなのだ。
「できる上司」とは「周りに与える人」だ。部下に目標や使命感、
元気、そして成長する機会、活躍する場などを与え、それによって
大きなチーム力を生み出し、目標達成に導く存在だ。
反対に「ダメな上司」とは「周りから奪う人」だ。部下から元気や
やる気、成長する機会を奪い、ゴールに向かう意欲すら失わせてし
まう存在だ。
【2】
尊敬する上司、理想とする上司とは、どんな人だろうか。もちろん、
彼らもはじめから上司としてふさわしい人物だったわけではない。
たとえ最初は合格点でなかったとしても、上司になったことを活用
して、本当の「上司」になったのだ。
芸能界のアイドルでも、デビュー時はパッとしなかった子が売れる
につれて、きれいに魅力的になっていったりする。「自分はアイド
ルだ、スターだ」という意識が、彼女達に自信と輝きを与えるのだ。
それと同じように「上司としてこうあるべきである。こうありたい。
こう見られている」。そう思うことが自分を育てる。上司という立
場が人物を創るのだ。
部下にとって、上司は尊敬の対象であり、素敵で、手本であってほ
しいものだ。「尊敬される上司」という役を演じながら、自分を成
長させている。そんな上司に、部下は影響されて育つのだ。
【3】
部下に声をかけられたても「ん」と返事はするものの、手元から目
を離さず、部下を見ない人がいる。そういう人はダメ上司だ。また、
強烈なバリアを張って、部下を近づかせない人もダメ上司だ。
自分の担当業務に埋没している間も、部下が遠慮して相談できなけ
れば、部下の業務は滞る。
上司の任務は「部下の能力を引き出し、効率よく部下同士の仕事の
連携をサポートし、組織としての相乗効果を上げ、業績目標を達成
すること」だ。
その上司が、自分個人の業務に埋没して、部下とのコミュニケーシ
ョンを遮断しているようでは、組織の意味がない。上司が部下の業
務効率を落とすべく、足を引っ張っていることになる。
部下というのは、上司の動きに敏感に反応するものだ。フリでもい
いから、上司はいつも部下が話しかけやすい体制をとることが大事
なのだ。
【4】
私が上司になったばかりの頃、ある部下によくイライラしていた。
指示を出してもすぐに行動しないし、フリーズしたり、指示した手
順で仕事を進めないからだ。
そんな時、ある本に「他人と過去は変えられないが、自分と未来は
変えられる」という言葉を見つけた。これは、交流分析で有名な精
神科医エリック・バーンの言葉だ。
私は、それまで、ただ自分の目の前の思う通りに動かない人間を変
えることばかり考えていた。しかし「他人は変えられない」のだ。
だが、自分は変えられる。そこで、自分がすべて正しいという考え
方を変えた。すると、その部下の仕事ぶりに変化が見えてきた。
恐らく、彼の承認されたい気持ちが満たされたからだ。私も、イラ
イラがなくなり、結果的に部下の業績も改善された。
上司たるもの、周りを変えようとするべきではないのだ。自らを省
み、自らを変えなくてはいけないのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756916082/tachiyomi
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■■選書コメント
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本書は、部下のやる気を引き出し、成果をあげながら、部下も上司
も成長する、そんな理想的な組織運営を実現する上でカギになる、
「上司の心構え」を解説する本です。
一人でできることは限られています。力を合わせて成し遂げれば、
可能性は無限大です。それを可能にするのが、リーダーシップです。
会社では、上司の役割が重要になります。
しかし、それほど重要な上司の役割なのに、どうあるべきかは、人
から教えてもらえず、見よう見真似になりがちです。そこで本書が
「正しい上司の姿」を教えてくれます。
タイトルを見ればわかる通り、本書では理想的な上司の姿を「でき
る上司」と「ダメな上司」との対比で示します。最後に「できる上
司はかくあるべし」と締めくくるスタイルを取っています。
一つ一つの心得は独立していますが「スタンス・姿勢」「仕事のや
り方」「目標達成」「チームマネジメント」「コミュニケーション」
という具合に、心得のねらい別に分類されています。
何でも、著者自身が、上司になりたての頃は、数々の失敗をしてい
るようです。その反省から学び、実践したことが、ベースになって
いるため、臨場感があります。
私も、マネジメントの難しさは実感してきました。しかし、だから
こそ、やりがいや、楽しさを感じます。何より、自分自身を成長さ
せてくれる絶好の機会が「上司業」だと思います。
春から上司になるという人も少なくないと思います。そんな、初め
て上司になるという新米上司はもちろん、すでに上司の立場で「も
っと優れた上司を目指したい」と考える人にお勧めします。
★本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756916082/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2013
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