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2013/05/10
小さくても儲かる会社をつくれた4つの秘訣
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小さくても儲かる会社を作れ
儲かる強い会社をつくる上で、一番大切なことは労働生産性という数値だ。これは、簡単にいうと売上から商品の仕入れなどの原価を引いた粗利益を社員数で割ったもの、つまり1人当たりの粗利益だ。多くのビジネス書には、労働生産性は1500万円を目指せと書かれているが、この1500万円を達成するのは正直かなり大変だ。普通、中小企業では約800万円、上場企業で1500万~2000万円だ...
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■今週の選書
■小さくても儲かる会社をつくれた4つの秘訣
■森田健太郎
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■■選書サマリー
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小さくても儲かる会社を作れ
【1】
儲かる強い会社をつくる上で、一番大切なことは労働生産性という
数値だ。これは、簡単にいうと売上から商品の仕入れなどの原価を
引いた粗利益を社員数で割ったもの、つまり1人当たりの粗利益だ。
多くのビジネス書には、労働生産性は1500万円を目指せと書かれて
いるが、この1500万円を達成するのは正直かなり大変だ。普通、中
小企業では約800万円、上場企業で1500万~2000万円だ。
つまり、中小企業の場合、平均値は目標の約半分なのだ。分かりや
すくいうと、今の売上と粗利益を確保しながら社員を半分にしても
問題が起きない仕組みが必要なのだ。
そう考えると、この1500万円というのは、中小企業にとってとてつ
もない数字であることが理解できるはずだ。
【2】
私は2006年に、インターネット上にホームページを作る会社を設立
した。制作会社は、どこも小さく、事務所は常に不夜城という経営
の厳しい世界だ。そこで利益を上げていくのは至難の業だ。
当社は、そんな業界に参入しながら、実は顧問税理士も見たことが
ないような利益を初年度から出している。12年2月期(前期)の労
働生産性は1800万円を超えている。
また、畑違いのヘアサロン事業にも進出したが、3カ月で店を黒字
化し、現在無借金で4店舗目を出店している。
秘訣は、粗利益の高い商品を適切な対価で売り、社内の生産性を上
げることだ。すなわち、価格戦略と生産性の向上ということだ。
【3】
中小企業の場合、販売価格は競合の価格を見ながら、社長の感覚で
価格を決定しているケースが多い。だが、それでは失敗する。
たとえば、仕入れ60円の製品を80円で販売すれば粗利は20円だ。
1日平均10個売れれば、売上800円、粗利は200円だ。
一方、同じ製品を100円で販売すれば粗利は倍の40円だ。ただし、
価格が高いので販売個数は4個減り、1日平均6個になる。この場
合、売上は600円、粗利は240円となる。
つまり、会社としては、100円で販売するほうが高い粗利が得られ
る。このように粗利が最大になるような販売価格を模索することが、
大切なのだ。
【4】
生産性向上は、価格戦略と違い、すぐには効果が出ない。しかし、
企業体力を強固にし、他社の追随を許さないためには避けて通れな
い。
たとえば、社長の多くは、常に社員が忙しく働いていないと安堵で
きないものだ。だが、そういう会社に限って、社員の仕事内容は、
ムダだらけだったりする。
当社は、残業もないのに、仕事が早く、非常に生産性が高いと言わ
れている。その理由の1つが、ムダな作業をしなくてもよいように、
システム投資を続けていることだ。
当社には、1つの大切なルールがある。それは「10分以上、同じ仕
事を何度もしない」というものだ。そんな仕事をする可能性があ
れば、その仕事はシステム化してしまう。
たとえば、ホームページ作る際、それを管理するシステムなど、制
作環境を構築する作業がある。この作業は、慣れた人でも30分~1
時間はかかる。これを1分でできるようにシステム化している。
システム化は極めて重要だ。それこそが時間を節約し、仕事を効率
化させる。自分たちでシステム化できないなら、外注してでも投資
すべきなのだ。
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■■選書コメント
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本書は、小さな会社の作り方、そして作った会社の運営の仕方を分
かり易く解説する本です。内容は、著者の実体験がベースですので、
即、実践に使えます。
もちろん、登記や納税の方法を解説する本ではありません。会社を
起ち上げるというと、そのあたりから学ぶ人が多いのですが、会社
設立の方法を学んでも、生きた会社が作れるわけではありません。
ところが、起業関連の本の大半が、そうした手続き論に終始してい
ます。その点、本書には、会社に魂を吹き込む方法、円滑に動き出
かす方法を教えてくれます。
著者は、ホームページ制作と美容院の分野で、おどろくほど高収益
を上げる会社を作った人物です。その著者が「儲かる会社のノウハ
ウ」を包み隠さず語っています。
経営書というと、スティーブ・ジョブスや孫正義氏など、偉大な経
営者の書籍を手に取りがちですが、彼らの経験は、規模が違い過ぎ
て、日々の経営にはそのまま生かせません。
だから、偉大な経営者の自叙伝だけでなく、地に足の着いた学びも
怠るべきではありません。
本書は、そのあたり、たとえば資金繰りや価格決定、労働生産性な
ど、小さな会社の経営の本当のところが伝わってきます。
日々経営にいそしむ社長はもちろん、これから起業する人や「いつ
かは起業したい」と考る人にも、一人の経営者の良質な体験談とし
て、お勧めしたい一冊です。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761269030/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2013
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