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2013/10/25
私たちはなんのために働くのか
なぜ、「働くのがしんどい」のか
「私はなぜ働くのか」「なぜ一生働き続けなくてはいけないのか」「自分は、なぜこの会社にいるのか」このような問いを、誰もが、一度や二度は自問したことがあるはずだ。特に、今の日本は、働くことに理不尽な思いしか抱きにくい社会だ。こうした問いを、つい口にしてしまう人が多いようだ...
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■今週の選書
■私たちはなんのために働くのか
■諸富祥彦
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■■選書サマリー
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なぜ、「働くのがしんどい」のか
【1】
「私はなぜ働くのか」「なぜ一生働き続けなくてはいけないのか」
「自分は、なぜこの会社にいるのか」このような問いを、誰もが、
一度や二度は自問したことがあるはずだ。
特に、今の日本は、働くことに理不尽な思いしか抱きにくい社会だ。
こうした問いを、つい口にしてしまう人が多いようだ。
もし「働くのがつらい」「なぜ、こんな思いで働かねばならないの
か」という気持ちで押しつぶされそうになるなら、いったん仕事か
ら離れたほうがいい。数日の休みなら、すぐに取れるはずだ。
否定的な思いを抱きながら仕事を続けていくと、次第に人生の負の
ループにはまってしまう。そのまま続けると手遅れになる。どんな
に慌てても、そこから一歩も出ることができなくなる。
そうなれば「ただ、なすべきことが、毎日、目の前を通り過ぎてい
く人生」を送るだけになる。やがて「今の状態から抜け出さなくて
は」という意欲すら湧かなくなる。
つらい気持ちに押しつぶされる前に、今の「苦しい働き方」「しん
どい働き方」をいったんストップすることだ。働くのが心底つらい
なら、今は「働いてはだめ」なのだ。
【2】
あなたは、自分で自分の人生を選ぶことができる。「あえて今、働
かない」「あえて正社員にならない」「あえて結婚しない」などの
選択ができるのだ。
あなたの人生の主人公は、あなた自身だ。「働く」ことはもちろん、
その他、様々なことについても、自分で選ぶことができるし、選ん
でいいのだ。
仕事や日常生活で悩んでいると、この「当たり前」のことを見失う。
そして「それでも、私はこのつらい仕事をずっと続けなければなら
ない」という感覚にさいなまれ続けてしまう。
そんな「人生の奴隷状態」から自分を解放できるのは、あなただけ
だ。自分には選択する権利が無いかのように錯覚を抱いたまま、生
きていくことは、すぐに止めるべきだ。
【3】
日本人は「みんながやっていることは正しい」と思いがちだ。「大
学を卒業したら、とにかく働かなくては」「過酷でも3年は働かな
くては」「正社員にならなくては」などと考える人が多い。
しかし、そういう人が多いからそう思うだけで、明確な理由はない。
大衆心理というマインドコントロールにかかっているのだ。
「何かがおかしい」と思ったら「自分はマインドコントロールにか
かっているのでは」と疑って欲しい。「おかしいのは自分ではなく
「みんな」や「世の中」かもしれないのだ。
今のクレイジーな世の中では、そうしないと自分で自分を守ること
はできない。そして「やはりおかしい」とその疑念が確信に変わっ
ら、逃げればいい。耐えるより逃げるほうが有効な時もあるのだ。
【4】
あなたが報われないのは、あなたでなく、社会システムに問題があ
るのだ。縮小・人口減社会の日本で、若い労働者は希少資源なのに、
企業も彼らを大事にしない。そんな状況は長くは続かない。
これからは、縦社会の中で階層を上っていくモデルが崩れ、フラッ
トな組織の中で、組織内外の多様な人が個々の専門性を活かし、組
織の壁を越えたつながりが盛んになるはずだ。
それに伴い、仕事に金銭より、情熱を持つことが問わるようになる。
これは、世界的な趨勢だ。この変化の中で、機能しなくなった旧い
枠組みを捨て、新しい仕組みをつくりだす必要があるのだ。
そんな中、いわゆる「上昇志向」より「誰かの役に立ちたい」とい
う思いを軸に仕事をしたがる人が、若い世代を中心に増えている。
そんな若い世代は、日本社会に対する一条の光だ。
だからこそ、今の厳しい状況に負けないでほしい。問題を抱えた社
会で、自分らしい働き方や「働くことの意味」を実感できる働き方
を、ぜひ模索し続けて欲しいのだ。
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■■選書コメント
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タイトル通り「働くことの意味」を考える本です。グローバル化が
進み、企業も社員もシビアに業績が求められる環境下で、働くこと
の意味を実感することが難しい時代です。
しかし、そんな時代だからこそ、仕事を通して、自分の使命を果た
していくことに、働くことの意味を見だすべきだと、著者は言いま
す。それは、仕事の大小とは関係ないとも言っています。
本書を読むことで、働くことの意味はもちろん、自分が本当にやり
たいことは何かなど、普段考えないが大事なことを考える機会にな
ると思います。幸せに働くヒントを見つけてください。
本書は、主に若いビジネスパーソンに向けて書かれています。ビジ
ネス書の多くは「さらに己に磨きをかけよ」と喝を飛ばしたり、危
機感をあおったりしがちです。
しかし、本書は悪いのは世の中であり、時には逃げることも選択肢
だといいます。このように、一貫して若い人に寄り添った姿勢で書
いてあります。この点が、類書とは大きく異なる点です。
いわゆる先輩サラリーマンや、コンサルタントなど、ビジネスの現
場でなく、大学の先生が書いた本ということで、現実と乖離してい
るのでは?と思われるかもしれません。
しかし、著者の言うように、今の日本の社会そのものがおかしくて、
日本人全員が集団神経症にかかっているとしたら、むしろ著者のよ
うな、客観的な指摘にこそ耳を傾けるべきです。
仕事に疲れた方、仕事にやりがいが乱せない方、やりたい仕事は他
にあると感じながら、思うに任せず歯がゆい気持ちを抱いている方
など、特に若いビジネスパーソンにお奨めします。
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