2013/12/20
仕事に才能はいらない
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仕事に必要なのは才能！ じゃ、ありません
15年前、私はグローバルに展開する大手ソフトウェア企業の日本法人に就職した。同期生は顔と名前が覚えられないほどたくさんいたが、今では５分の１、その中で本部長以上になったのは私だけだ。幸運にも、私は社内史上最年少の30歳で部長に抜擢され、35歳で本部長に昇格、その後、全国３万社の市場を統括する責任者などを歴任してきた...
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■今週の選書
■仕事に才能はいらない
■金田博之
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■■選書サマリー
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仕事に必要なのは才能！ じゃ、ありません
【１】
15年前、私はグローバルに展開する大手ソフトウェア企業の日本法
人に就職した。同期生は顔と名前が覚えられないほどたくさんいた
が、今では５分の１、その中で本部長以上になったのは私だけだ。
幸運にも、私は社内史上最年少の30歳で部長に抜擢され、35歳で
本部長に昇格、その後、全国３万社の市場を統括する責任者などを
歴任してきた。
こう聞くと、入社時点から将来を期待されたエリート社員と思われ
るかもしれない。だが、実はそうではない。会社に入った時はその
他大勢のうちの１人、いわば底辺の存在だった。
周囲は東大、一橋、慶應、早稲田など優秀な学校のオンパレードだ
った。ＩＴの知識や英語力も、彼らは私とは段違いで、とても彼ら
と同じスタートラインに立てているとは思えなかった。
【２】
実際、英語がペラペラでＩＴ技術にも詳しい優秀な同期が、花形の
営業部に配属された。一方、これといった才能や特技のない私が最
初に担当した仕事はダイレクトメールの発送作業だった。
会社の片隅でせっせと発送作業をしながら、営業に出る同期を見て
いるのがつらくて、悔しかった。悔しさ、焦り、危機感、コンプレ
ックスといった感情と共に、私のキャリアはスタートしたのだ。
私が唯一、人に誇れることがあるとすれば、こういった悔しさや危
機感をバネにして努力することができたことだ。この姿勢が今の私
を形づくったと言っても過言ではない。
【３】
なぜ、私が現在の役職に就くことができたのか。その原動力は、才
能や特別な知識、技術ではない。次の３つの鉄則を大切にし続けた
からだ。
まず「雑用のような仕事でも、与えられた仕事には全力で取り組む」
ことだ。そして「プライドを捨てあらゆる人に教えを請い、いいと
ころを真似る」ことだ。
さらに「視点を変え『もっといい方法はないか』と工夫し続ける」
ことだ。これらを一貫して続けてきたからこそ、厳しいビジネスの
社会で勝ち上がることができたのだ。
「悔しい！」という気持ちが、雑用や仕事でも、工夫しながら懸命
に取り組み、付加価値をつけるという、心の持ち方、いわゆるマイ
ンドセットにつながったのだ。
この時、本書のタイトルにもなっている「仕事に才能はいらない」
ということに気づいたのだ。これが自信となり、その後の成長を加
速させてくれた。
【４】
私のやってきたことは決して「ワンランク上のスキル」のようなも
のではない。一見当たり前に感じる「仕事の基本」を大切にし続け
てきただけだ。
その気になれば誰にでもできるようなことばかりだ。私は、国内外
問わず、トップエグゼクティブと仕事をすることがあるが、彼らは
一様に「仕事の基本」を大切にしているものだ。
彼らでさえそうなのだから、若い人はなおさら基礎、基本を大切に
するべきだ。
逆に言えば、仕事の基本さえ身体で覚えてしまえば、才能や特技な
どなくても、会社から信頼され、より大きな仕事を与えてもらえる
ことができるのだ。
若いうちに基本を叩きこまれた人は強い。重要な仕事を任されるこ
とになってから、大きなピンチに見舞われたり、壁にぶつかったと
しても倒れることなく成長し続けることができる。
若いうちは、単調な仕事を任されることも多いが、目の前の一つ一
つの仕事の手を抜かず、基本を大切にしながら、真剣に取り組んで
ほしい。やり方次第で、必ず力につながるはずだ。
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■■選書コメント
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仕事の基本的な考え方や取り組み姿勢などを教える本です。普通の
人が、ビジネスの現場でどのように仕事に取り組めば結果が出るの
かを指南してくれます。
著者は、グローバルに展開する大手IT企業の日本法人で、史上最速
で本部長に抜擢され、全社員の上位２％に６年連続選出されている
というスゴい人です。
というと、生まれつき才気あふれる人物をイメージしますが、さに
あらず、入社当初はコミュニケーション下手、ＩＴ知識なし、英会
話もできないという状態だったそうです
そんな著者が、超実力社会の外資系IT企業で、腐ることなく結果を
出し続け、地位と名誉を手に入れることができたのはなぜなのか？
その秘密を、わかり易く教えてくれます。
著者がどのように仕事に取り組んできたかは、本文に詳しいですが、
とにかく頑張ったことは間違いありません。そして、ここが肝心な
のですが、結果につながる頑張りをしたことです。
若いころは会社のことや、上司の考えがよくわかっておらず、頑張
りが空回りして、評価されなかったり、却って逆効果ということが
よくあります。本書は、その点をカバーしてくれます。
著者が試行錯誤の中で編み出した「仕事の基本」を、基盤、心がけ、
マインドセット、学び方、習慣、リーダーシップ、モチベーション、
プライベートまで、章ごとにテーマを設けて体系的に教えます。
この時期「来年こそ頑張ろう」と考える人が少なくないと思います。
その頑張りを、無駄にしないために、特に若いビジネスパーソンに、
読んでいただきたいと思います。
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