2014/02/14
仕事・人生に迷ったらアリストテレスに聞いてみろ!
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アリストテレスに相談だ
古代ギリシャの哲学者・アリストテレス。西洋最大の哲学者の一人、プラトンに師事したが、その思想は理想主義的な師と異なり、極めて現実的だ。東方遠征で知られるアレキサンダー大王の家庭教師を務めた経験もある。代表的な著書に『二コマコス倫理学』『政治学』など、多数ある...
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■今週の選書
■仕事・人生に迷ったらアリストテレスに聞いてみろ!
■小川仁志
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■■選書サマリー
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アリストテレスに相談だ
【1】
古代ギリシャの哲学者・アリストテレス。西洋最大の哲学者の一人、
プラトンに師事したが、その思想は理想主義的な師と異なり、極め
て現実的だ。
東方遠征で知られるアレキサンダー大王の家庭教師を務めた経験も
ある。代表的な著書に『二コマコス倫理学』『政治学』など、多数
ある。
なぜ今、アリストテレス哲学なのか?アリストテレスは"万学の祖"
と称されるほど、ありとあらゆる学問を生み出した。人間は何を知
り、何を考えるべきか、しっかりと道筋をつけてくれた人物だ。
その意味で、この先行きが見えない不確かな時代に、今後の進むべ
き方向を見定め、揺るぎない思考を実践するためにも、彼の哲学が
必要なのだ。
人間関係、仕事、人生・・・この博学の哲学者アリストテレスから
学べることは無限大だ。
【2】
アリストテレス思考には4つのキーワードがある。1つ目は「中庸」
だ。中庸とは、両極端ではない"ほどほど"の状態のことだ。彼は、
人が備えるべき徳として、あらゆる領域でこの中庸の必要性を説く。
2つ目は「共同体主義」だ。彼は、古代ギリシャの都市国家ポリス
を重視していた。人々の生活や、そこから生まれる倫理、幸福、政
治など、すべてはポリスという共同体で生み出されると考えていた。
3つ目は「現実主義者」だ。彼は、理想主義者の師プラントを批判
的に乗り越えるべく、実践重視の現実主義的思考を行った。特に、
実践が重要な自然学、倫理学、政治学に彼の思想的態度が見える。
4つ目は「善の追及」だ。彼は、哲学の目的は"善の追求"にある
と考えた。彼の説く愛も幸福も、すべてはこの善から発する。その
意味で、善は彼の哲学そのものだったのだ。
【3】
アリストテレスは、幸福とは、一朝一夕で手に入るものではないと
いう。幸福とは、贅沢な代物だ。何もせずに幸福になろうというの
は虫のいい話だ。
現代は、欲しいモノが簡単に入手できる社会だ。だが、そんな幸福
は借り物だ。一瞬で消え去る。本当の幸福とは、時間をかけて、努
力してやっと手に入るものだ。そういう幸福は長続きする。
また、アリストテレスは、幸福は、学習や習慣から得られるのか、
それとも運で決まるのかを問う。幸福は、もっと広く行き渡るべき
ものとすると、幸福は学習や習慣づけにより得られることになる。
求めない人には与えられない。人間は、嫌でも努力しなければなら
ない。だが、その努力が幸福を得るための切符だとすれば、努力は
苦ではなくなるはずだ。
【4】
幸福とは、ひとつの要素で成り立つものではない。一つだけいいこ
とがあっても、残りは嫌なことばかりでは、幸せとは言えない。何
事もそこそこ上手くいっている位のほうが、実は幸福感が得られる。
とかく、私たちは何かひとつのことを成し遂げたり、願いがかなっ
たりしたら、幸福だと思いがちだ。しかし、その幸福は長く続くも
のではない。
何事も、成就した瞬間がピークで、後は喜びもどんどん風化してし
まう。人間には、欲があるから仕方のないことだ。だからこそ"そ
こそこのいいこと"を積み重ねる作戦に転換すべきなのだ。
では、苦しみに耐えるのと、快楽への欲求を抑えるのとでは、どち
らが難しいか。アリストテレスの答えは前者だ。そもそも快楽とは、
人間にとってプラスのものだ。それがなくても十分に生きていける。
一方で、苦しみはマイナスだ。本来、苦しみはないことが、生きる
上での前提になっている。だからこそ、そこに苦しみが生じると、
つらいのだ。
つまり、本当の幸福とは、快楽に身を浸すことよりも、苦しみがな
い状態を指すのだ。
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■■選書コメント
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以下修正分↓
本書は、思考術の本です。現代社会の様々な現象を、古代ギリシャ
の哲学者、アリストテレスの思考法で解明するという画期的な本で
す。究極の思考法が学べます。
偉大な哲学者の言葉には、普遍的な人間の真理が記されています。
本書では、アリストテレスのシンプルかつ奥深い言葉を上手に解釈
し、現代人の心強い道しるべとして紹介してくれます。
著者小川仁志さんは、哲学者です。大手商社から公務員、そしてフ
リーターまで、さまざまな仕事を経験したのち現職、商店街で「哲
学カフェ」を主宰するなど、ユニークな活動をされています。
★
現代とアリストテレスの生きた時代は、あまりにも違います。いく
ら天才の言葉でも、本当に活かせるのか、心配になるかもしれませ
ん。しかし、物事の本質はいつの時代も変わらないものです。
たとえば「出世の秘訣は協調性」「選択を誤り続けると悪人になる」
など十分納得できるはずです。ここでは、幸福、人間関係、仕事、
決断など8つに分類された100のアドバイスから思考術が学びます。
哲学は、究極の学問であり、思考の原点でもあります。知的生産を
仕事にする方は避けて通れず、一度はきちんと触れておきたいとこ
ろです。しかし、いわゆる哲学書は難解です。
そんな時は、実用書の中から、こうした本を見つけるのがお勧めで
す。中でも、本書は読みやすく、わかりやすい上、本格的です。本
書がきっかけに、哲学に興味が持てたら素晴らしいと思います。
生き方、働き方に迷っている方には、もちろんお勧めです。その他、
哲学書やビジネス書のファンで、新しい切り口をお探しの方にお勧
めします。
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