2014/02/21
GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代
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あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか
大きな成功を収める人々には3つの共通点がある。それは「やる気」「能力」「チャンス」だ。成功とは、勤勉で才能があり、かつ幸運な人々によって達成されるものだ。しかし、第4の要因がある。それは「ギブ・アンド・テイク」だ。成功は「人とどのように、ギブ・アンド・テイクするか」に大きく左右されるのだ...
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■今週の選書
■GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代
■アダム・グラント
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■■選書サマリー
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あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか
【1】
大きな成功を収める人々には3つの共通点がある。それは「やる気」
「能力」「チャンス」だ。成功とは、勤勉で才能があり、かつ幸運
な人々によって達成されるものだ。
しかし、第4の要因がある。それは「ギブ・アンド・テイク」だ。
成功は「人とどのように、ギブ・アンド・テイクするか」に大きく
左右されるのだ。
私たちが働くのは、人々が密接に結びついている社会だ。そこでは、
人間関係と個人の評判がますます重要だ。ビジネスでは、誰かとか
かわるたびに、次の選択をすることになる。
すなわち「相手からできるだけ多く、価値あるものを受け取るべき
か」それとも「見返りを気にせず、価値あるものを与えるべきか」
の選択だ。
組織心理学者である私は、10年以上、組織における、こうした選択
について研究してきた。わかったことは、この選択こそが、成功に
決定的な影響を及ぼしているということだ。
また、ある研究から「相互関係」すなわち「ギブ・アンド・テイク」
の関係において「どのくらい与え、どのくらい受け取るのが望まし
いか」は、人によって考え方が全く異なることがわかっている。
【2】
世の中には3つのタイプの人がいる。「テイカー」すなわち受け取
る人、「ギバー」すなわち与える人、そして「マッチャー」すなわ
ち、バランスをとる人だ。
「テイカー」は常に、与えるより多くを受け取ろうとする。ギブ・
アンド・テイクの関係を、自分の有利になるようにもっていき、相
手の必要性よりも、自分の利益を優先しようとする人だ。
彼らは、世の中は食うか食われるかの熾烈な競争社会で、成功する
ためには、人より上に行かなければと思っている。そのため、自分
を売り込み、費やした努力は必ずきちんと認められるようにする。
【3】
「ギバー」は、ギブ・アンド・テイクの関係を、相手の利益になる
ようにする人、受け取る以上に与えようとする人だ。テイカーが、
自分中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考えのだ。
テイカーは、得られる利益が損失を上回る場合に限り、相手の有利
になるよう協力する。一方、ギバーはいつでも、損失より「相手」
の利益のほうが上回るように手を差し伸べる。
仕事においては、ギブ・アンド・テイクはもっと複雑だ。一人の人
間が、ギバーとテイカーにはっきり分かれることはほとんどなく、
たいていの人は、第3のタイプになる。
それが、与えることと、受け取ることのバランスをとろうとする「マ
ッチャー」だ。マッチャーは、常に「公平」とう観点に基づいて、
行動しようとする。
だから、彼らは人を助ける時、見返りを求める。これにより自己防
衛しているのだ。相手の出方に合わせて、助けたり、しっぺ返しを
したりしながら、ギブとテイクを五分五分に保とうとするのだ。
【4】
この3タイプのどれであるかによって、成功の可能性が違ってくる。
まず、最も成功できないのはギバーだ。彼らは自分の成功を犠牲に
して、相手の利益を優先しようとするからだ。
では、成功を収めるのは、驚くべきことに、それもギバーなのだ。
つまり、ギバーは成功への階段の一番下だけでなく、頂点も占めて
いるのだ。
どんな職種であれ、ギバーは「バカな御人好し」だが、それと同時
に「最高の勝利者」にもなりえるのだ。実は、ギバーはさらに、成
功できる人と、そうでない人に分かれるのだ。
今や欧米の企業の半分以上が、チームで仕事を行っている。チーム
で自動車や住宅をつくり、手術を行い、飛行機を飛ばしている。
そのチーム内では、ギバーが情報を分かち合い、嫌われ仕事をして、
仲間を助けている。チームでの仕事が増えるほど、ギバーはその価
値を証明するチャンスが増えるのだ。
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■■選書コメント
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ビジネス、そしてあらゆる局面に通用する成功法則の本です。いわ
ゆる「ギブ&テイク」、日本流にいえば「情けは人のためならず」
をロジカルに解説します。
ユニークなのは、いわゆるビジネス書にありがちな「べき論」「そ
もそも論」でないところです。また、個人の経験則から語るもので
もありません。
著者は、全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の気鋭の
組織心理学者で、史上最年少終身教授です。そんな著者が「ギブ&
テイク」のメカニズムを、行動科学の実証研究から裏付けます。
「ギブ&テイク」とは、言い古された常識ですが、これからも、こ
の常識は通用するのでしょうか?そんな著者の問題提起は、アメリ
カで大論議を巻き起こしました。
本書が面白いのは、人間を3つのタイプに分けて解説する点です。
すなわち、人に惜しみなく与えるギバー、自分の利益が最優先のテ
イカーに加え、損得のバランスを考えるマッチャーも想定します
これら3タイプのうち、もっとも成功するのはギバーです。まず、
相手の利益を最優先で考えるギバーこそが成功する、それが著者の
主張です。
競争は、ますます厳しさを増しています。そんな時代に、なぜ人を
思いやる、やさしい人が勝ち抜けるのでしょう?これを、事例とデ
ータで解明していきます。
もちろん、単なる自己犠牲の精神を発揮せよというのではありませ
ん。そういうギバーは、むしろ利用されて終わります。どうすれば、
ギバーが成功できるのか?その点も本書で教えます。
会社勤めのビジネスパーソンはもちろん、独立して働く人や、組織
を率いるトップまで、すべてのビジネスパーソンにお勧めします。
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