2014/05/02
いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと
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「当たり前」を修正する
普通に暮らしていると、30歳のサラリーマンは、年収1000万円でも破産する。今現在、みんなお金を使いすぎている。生活を改めないと破産する。ここでいう「普通の暮らし」とは「結婚して、子供を作り、家を買って保険にも入る」という、我々の親世代が「当たり前」のようにやってきたライフスタイルだ...
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■今週の選書
■いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと
■小屋洋一
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■■選書サマリー
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「当たり前」を修正する
【１】
普通に暮らしていると、30歳のサラリーマンは、年収1000万円で
も破産する。今現在、みんなお金を使いすぎている。生活を改めな
いと破産する。
ここでいう「普通の暮らし」とは「結婚して、子供を作り、家を買
って保険にも入る」という、我々の親世代が「当たり前」のように
やってきたライフスタイルだ。
言い換えれば、親と同じくらい豊かになるのは、ほとんど無理な時
代になったということだ。「これくらいは普通だろう」という「当
たり前」は修正するべきだ。
なぜ「普通の暮らし」をしているだけで破産してしまうのか？総務
省が行っている「家計調査」を見るとよくわかる。この調査では、
年収別に使ったお金の平均値がわかる。
先ほどの「普通の暮らし」をしている人を、30年間積み上げていく
と、年収1000万円以下の家庭では、65歳時点で貯蓄がマイナスに
なってしまうことがわかる。平均値では、破綻するのだ。
つまり「みんな、お金を使いすぎている」のだ。お金を使いすぎて
いるのだから、節約が必要だ。特に、結婚、住宅、保険、子供の教
育、老後の５つの大きな買い物を賢くこなすことだ。
いくら日々の暮らしで節約しても、この５つを賢くこなさないと、
家計を維持することは難しい。逆に、この５つさえ考えてお金を使
えば、爪に火を灯すような節約をする必要はない。
【２】
今後、日本は人口が増えない、土地価格は上がらない、給料も増え
ない、経済も拡大しない。さらには、高齢化が進展するにつれて、
社会保険料や税金が上がる。使えるお金は減る一方だ。
そんな状況下で、親世帯がやってきた「当たり前」を真似してしま
うと、とんでもないことになる。そんな事態に陥らないように「綿
密なライフプランを立てる」ことだ。
就職や結婚、出産、子供の進学、車や家の購入、退職、介護などに、
いつ、どれだけお金が必要で、それをどうやって貯めていくのか、
「お金の計画」を立てることだ。
これをライフプランニングと呼ぶ。これからの人生は、決して平た
んではないはずだ。そんなとき、道しるべになるのが、このライフ
プランなのだ。
【３】
妻が専業主婦になることは、一昔前まで普通だったが、今では贅沢
の極みだ。専業主婦家庭が家を買い、子供を育てようとすると金銭
的に苦境に陥る。
妻が働けば、そんな状況は避けられる。『国民生活白書』によると、
女性が大卒後、すぐ結婚し、定年まで同じ企業に勤め続けると、賃
金と退職金で２億7670万円稼ぐとされている。
一方、第一子出産後に退職し、第二子出産の１年後に、パート・ア
ルバイトとして就職した場合は5570万円にしかならない。つまり、
生涯所得が、2億円以上も変わってくるのだ。
妻が健康なら、働いてもらうべきだ。それが今という時代の「当た
り前」なのだ。もちろん、妻に働いてもらうためには、夫も子育て
や家事をやらなくてはいけないはずだ。
【４】
共働きで子供ができる前が、最もお金を貯めやすい。生活は夫の給
料でまかない、妻の給料は全額貯蓄することだ。夫だけが働く家庭
はあるので、妻の稼ぎを全額貯蓄に回すことは、できるはずだ。
子供ができてから貯蓄をするのは難しい。それどころか、子供が希
望しても、十分な教育費が捻出できなくなってしまうことも考えら
れる。
子供ができるまでに1000万円程度の貯金があれば、その後の苦労は
減る。できないことはない。多くの家庭が夫の給与で生活している。
これができないと、親世代には普通だった子育てさえできないのだ。
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■■選書コメント
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新しい時代の家計の本です。これからは、真面目に働いているだけ
では、豊かになれません。それどころか破たんしてしまう可能性も
あります。そんな時代のサバイバル術です。
コツは、結婚、住宅、保険、教育と老後、これら５つの大きな買い
物を賢く行うことです。その具体的なやり方を、一つ一つ、詳しく
解説します。
著者は、ファイナンシャルプランナーで、個人向けにライフプラン・
コンサルティング行っている方です。プロの観点から、私たちが、
今、何をすべきかを教えてくれます。
お金の本というと、多くはお金持ちが書いた教訓や心構えです。そ
れらも勉強になりますが、個人の体験の域を出ないため、そのまま
自分ごととして使えません。
その点、本書はお金のプロが書いています。理論に裏付けられてい
ますし、何より誰にでも適用できる、具体的なやり方にまで落とし
込まれています。
たとえば、収入を増やす方法として、共働きを推奨します。さらに、
奥さんに働いてもらう口説き方まで、紹介します。保険の掛け方で
は、保険のタイプごとに具体的な方法を指南します。
お金に執着しすぎるのも良くないですが、周囲と同じように暮らし
て安心していると、高額所得者でも破たんする恐れがあります。今、
人並みこそが危ない時代なのです。
親の世代と同等か、それ以上の日常生活と老後を望むなら、すぐ動
くべきです。具体的な方法は、本書が教えてくれます。特に、30代
より若いビジネスパーソンにおススメします。
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