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2014/06/20
『「気がきく人」の習慣』
人生を変える、気がきく人の習慣
気づかいは、日常における相手を思いやる心であり、おもてなしの基本だ。しかし、数値にできず、流派もなく、決まった型があるわけでもない。それでも、とても大切なことだ。理由は、あなたや私が感じる喜びの中にある。『アンパンマン』を生み出した漫画家のやなせたかしさんの言葉に「人生は、よろこばせごっこ」というフレーズがあるが、これこそが気づかいの心だ...
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■今週の選書
■『「気がきく人」の習慣』
■上田比呂志
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★本書の詳細、お買い求めは、
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■■選書サマリー
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人生を変える、気がきく人の習慣
【1】
気づかいは、日常における相手を思いやる心であり、おもてなしの
基本だ。しかし、数値にできず、流派もなく、決まった型があるわ
けでもない。それでも、とても大切なことだ。
理由は、あなたや私が感じる喜びの中にある。『アンパンマン』を
生み出した漫画家のやなせたかしさんの言葉に「人生は、よろこば
せごっこ」というフレーズがあるが、これこそが気づかいの心だ。
「もし、自分が相手の立場だったらどう感じるか」相手を喜ばせる
ために、自分の軸を持ちながら、相手の側に立って物事を見つめる
ことが大切なのだ。
こうして、相手を喜ばせることができたら、自分自身もはかりしれ
ない満足感を得ることができる。実は、これこそが「気づかい」の
本質なのだ。
【2】
私は、大正時代創業の料亭「橘家」の長男として生まれた。幼少か
ら店を手伝いながら、女将である祖母から「おもてなし」のいろは
を教わった。
祖母は「目の前にいるお客様を、自分の一番大切な人だと思いなさ
い。そうしたら、頭で考えなくてもその人にこうしてあげたいと、
心で感じることができる」と言っていた。
人を喜ばせるために、何か特別な仕掛けが必要なものではない。た
とえば、祖母はお客様を、長いご縁にしていく心で見送ると言う。
もちろん、その思いが相手に伝わるかどうかはわからない。
だが「ご縁を大切にする」という姿勢があれば、結果は変わる。「気
持ちよく見送られた」という感覚が、お客様に「また足を運びたい」
と思わせるのだ。これが人を喜ばせるための"心の置き方"だ。
明日から「おはよう」「さようなら」「お疲れさま」といった挨拶
に、一層の心を込めて欲しい。それだけで"軽快な重み"が、相手
に伝わるはずだ。
【3】
「私たちはこんなサービスを提供しています」と提示しているのが、
洋のサービスなら、和の気づかいは、コミュニケーションの中から
育まれる。
そこには、何もないところから相手のニーズに合わせ、自在に変化
させる、たおやかさがある。
その象徴が「和室」だ。和室は、居間や寝室といった日常空間とし
てだけではなく、客間となれば来客をもてなし、仏間としては先祖
をまつる場だ。
畳があり、床の間があり、障子や襖があるだけの何もない空間だか
らこそこそ、必要に応じてしつらえを変えることになる。その結果、
多目的に活用することができるのだ。
お客様が「今日は静かに飲みたいな」というなら、静かな環境を作
り「今日は騒ぎたい」と思うならエンターテインメントの環境を作
る。いかようにでもできるのが、和のおもてなしのすごさなのだ。
相手が何を望んでいるのかを事前に確認し、どんな場を提供すべき
かを考え、それを実践してみる。これこそが、和のおもてなしの基
本なのだ。
【4】
「働く」とは「かたわらを楽にしてあげること」だ。かたわら(傍)
とは、周りのことだ。周りを楽にできていないうちは、仕事をして
いるとは言えない。
子供のころ、お客様が脱いだ靴をしまい、帰る時に取り出して並べ
ておく「下足番」という手伝いを任されていた。この仕事で、お客
様のかたわらを楽にするには、靴の出し入れだけでは不十分だ。
たとえば、雨の日には替えの靴下を用意しておく。お客様が靴を脱
ぐタイミングに、すっと新しい靴下を差し出すわけだ。お客様は、
驚き、喜んでくれる。
大切なことは、小さな気づかいを積み重ね、感動してもらうことだ。
始まりと終わりの気づかいを大切にすることで「また、あなたに会
いたい」と思ってもらえるのだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
日本独特の「おもてなし」の心で気づかいすることで、人間関係を
円滑にするコツを教えます。人生は、人付き合いですから、人にど
う接するかを変えるだけで、人生は大きく好転します。
気づかいで「人間関係が好転し、仕事の成果が出た」とか「ストレ
スから解放されて健康になった」などよく耳にします。はじまりは、
本当にちょっとした気づかいです。それを教えます。
著者は、いわゆるホスピタリティで知られる複数の企業でキャリア
を積んだ人物です。そんな気づかいのプロが、日常で、誰もが使え
る20の習慣を紹介します。
本書に取り上げられる習慣は、たとえば「気がきく人は他人を、
気がきかない人は自分を喜ばせる」「気がきく人は、とにかく聴き、
きかない人は、とにかく話す」などです。
いずれも、内容を読めば納得で、しかもすぐに実践に移せ、効果が
大きそうなものばかりです。そんな気づかいが、20の習慣として
厳選され、紹介されます。
また、実践編として、読者が「歓迎会」「接待」「営業マン」「リ
ーダー」「コンビニの客」だったら、どんな気配りをすべきかなど、
ケースを使って教えます。
「おもてなし」や「ホスピタリティ」などの言葉で大上段に構えな
くても、ほんの小さなことで日常が大きく変わる、そんな手ごたえ
がつかめるはずです。
サービス業、営業マン、リーダーなど、仕事柄、気遣いを求められ
ている人はもちろん、人づきあいを良くすることで、毎日楽しく生
きたいと考える、すべてのビジネスパーソンにお勧めします。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776208296/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2014
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