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2014/06/27
嫉妬のお作法
嫉妬は悪くない。ただ、お作法があります
誰もが生きていく上で嫉妬したり、されたりした経験があるはずだ。人間の心に「感情」があるかぎり、「嫉妬心」とは一生付き合っていくべきものなのだ。一般に、嫉妬心にはマイナスのイメージがつきまとう。「やっかみ」、「やきもち」「ジェラシー」「妬み」「嫉み」という言葉から連想される通り、できれば避けたいと思うはずだ...
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■今週の選書
■嫉妬のお作法
■川村佳子
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→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894519518/tachiyomi
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■■選書サマリー
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嫉妬は悪くない。ただ、お作法があります
【1】
誰もが生きていく上で嫉妬したり、されたりした経験があるはずだ。
人間の心に「感情」があるかぎり、「嫉妬心」とは一生付き合って
いくべきものなのだ。
一般に、嫉妬心にはマイナスのイメージがつきまとう。「やっかみ」、
「やきもち」「ジェラシー」「妬み」「嫉み」という言葉から連想
される通り、できれば避けたいと思うはずだ。
だが、向き合い方、付き合い方を変えるだけで、嫉妬心はプラスに
もなる。「ライバル心」「競争心」がその代表だ。成功者の多くは、
この嫉妬心をプラスのエネルギーととらえて付き合っているものだ。
嫉妬心を否定する必要はない。上手に付き合えば、人間関係も、心
もラクになる。それどころか、成功を加速させる強力なエネルギー
になる。これが嫉妬心の特徴なのだ。
【2】
嫉妬心は、他者と比較したときに湧き起こる。根底には「うらやま
しい」という感情がある。これは、嫉妬心と同じで、自分と他者と
の間に隔たりを感じる時に湧き起こるものだ。
似たような感情に「妬み」がある。この2つの感情は、混ざり合う
ものの、本来は別々のものだ。
「うらやむ」は「他者の優位性」をはっきりと認めている。認めた
上で、その状態になれない自分をやや悲観的だが、しっかり省みる
ことができる。ジレンマを「受け入れている」状態だ。
一方「妬み」は「他者の優位性」を認めながら、省みることをせず、
自分の中から排除しようとするジレンマを受け入れていない。そし
て、時に相手を攻撃したり、蹴落としたり、悪意すら芽生える。
あの人へのうらやむ気持ちを素直に受け入れようと葛藤し、受け入
れられなかったとき、嫉妬心へと進化していくのだ。嫉妬とは、う
らやむ気持ちが妬みと混ざり合い進化したものなのだ。
【3】
うらやむ気持ちの延長線上には「憧れ」がある。手を伸ばしても届
かない人に抱くのが憧れで、少し手を伸ばせば届きそうな相手に抱
くのが嫉妬だ。この「距離感」こそが、憧れと嫉妬の境界線なのだ。
別世界の相手には、絶対的な距離を感じ、嫉妬心など抱かないが、
自分の身近な人、自分と同じレベルの人には、たとえ同じことでも、
嫉妬心が湧き起こるものなのだ。
その「距離感」は、うらやむ側だけでなく、うらやましいと思われ
る側にもある。あなたがうらやましがる相手は、それと同じだけプ
レッシャーや不安感、孤独感を味わっているものだ。
もし、自分がうらやむ気持ちや、嫉妬心が湧き起こった時、その相
手が、このような感情を抱えていると思えたら、少しは気持ちも落
ち着くのではないか。
【4】
嫉妬心を抱いたら、その感情をよく見つめることだ。感情には「良
い」も「悪い」もないのだ。判断をせず、ただそのままを感じてみ
ればいい。それができれば、嫉妬に対する「感じ方」が変わる。
感情は、あるがままにしておかないと、どんどん大きくなり、もっ
と苦しくなる。自分の内面に感情があると気づいた時は、その感情
をよく見つめ、感じた後に、その感情に向かって挨拶してみる。
これは、心理療法の1つ「フォーカシング療法」の導入で使われる
方法で、強力な助けになる。嫉妬心もあなたの感情の一部だと思い
「こんにちは」と挨拶してみる。
そして「悔しかったね」と、自分に声をかけてみる。これがとても
大切なことだ。ここで、善悪などの判断基準を設けてしまうと、必
ず自分か他者を責めることになる。
私たちが感情を持つかぎり、嫌な感情だけを取り除くことは不可能
なのだ。嫉妬心も同じだ。よく見つめ、感じることだ。取り除こう、
無視しようとして戦わないことだ。
そして、大事な自分の一部として、丁寧に扱うことだ。それは、あ
りのままを見つめるということだ。あなたの中で「嫉妬心」が湧き
起こった時には、ぜひ、試してほしい。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
「嫉妬」と上手に付き合う方法を、心理カウンセラーが教えます。
「嫉妬」は「感情」がある人間なら、誰もが一生持つ感情です。喜
怒哀楽に続く「第5の感情」ともいうそうです。
「嫉妬」は、マイナスの感情としてとらえられがちです。しかし、
これと上手に付き合うことで、成長の原動力やストレス解消になる
そうです。
そんな嫉妬心との上手な付き合い方を、たくさんの症例を交えなが
らわかりやすく解説してくれます。ちょっとした発想の切り替えで、
嫉妬心が、上手にコントロールできるようになります。
職場もプライベートも、人間関係が複雑になっていて、様々な感情
にさいなまれやすくなっています。中でも嫉妬心は、パワーがある
分、厄介です。その処し方を教えるのが本書です。
新書ですので、構成はオーソドックスです。はじめに、嫉妬の正体
を解き明かし、嫉妬する人・される人、男女別の嫉妬など、順を追
って説明してくれます。
次いで「嫉妬から自分を守る方法」や「自分が嫉妬したときの対処
法」を学びます。さらに、嫉妬を自己成長の原動力にするなど、プ
ラスに変える方法まで紹介します。
ビジネスパーソンともなれば、職場で感情のままに振舞うわけには
いきません。それでも人間ですから、様々な感情に見舞われます。
それをどうマネジメントするかも、ビジネススキルと言えそうです。
嫉妬しやすい人、嫉妬されやすい人はもちろん、人間関係全般に悩
んでいる人、嫉妬のエネルギーを仕事やプライベートに活かしたい
と考える人など、すべてのビジネスパーソンにお役立ちです。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894519518/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2014
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