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2014/07/31
どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせ
「あれっ、大丈夫?」ANAの社員の口ぐせ
ANAグループには、3万人の社員たち一人ひとりが、日々何気なく使う言葉、すなわち「口ぐせ」がある。たとえば「あれっ、大丈夫?」「自分以外は、みなお客様」などがそうだ。これらの口ぐせの根底には、私たち「TEAM ANA」に脈々と受け継がれる「おせっかい文化」がある。「おせっかい」という言葉はマイナスの意味で使われることが多い...
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■今週の選書
■どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせ
■ANAビジネスソリューション
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■■選書サマリー
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「あれっ、大丈夫?」ANAの社員の口ぐせ
【1】
ANAグループには、3万人の社員たち一人ひとりが、日々何気な
く使う言葉、すなわち「口ぐせ」がある。たとえば「あれっ、大丈
夫?」「自分以外は、みなお客様」などがそうだ。
これらの口ぐせの根底には、私たち「TEAM ANA」に脈々と
受け継がれる「おせっかい文化」がある。「おせっかい」という言
葉はマイナスの意味で使われることが多い。
だが、私たちはこの言葉をポジティブな意味で捉えている。相手に
「もう一歩」踏み込み「もうひと言」を加えるだけで、相手との関
係は劇的に深まる。
それを一人ひとりが実践すれば「チーム」でコミュニケーションを
活発にとり合う風土ができあがる。先が見えず、経済状況が刻々と
変わる現在「チーム戦」は大切だ。
なぜなら、昨日役立った能力、仕事のしかたが、今日もうまくいく
とは限らないからだ。みんなの知恵を集めて成果を出す「チーム戦」
でないと、生き残れない時代が来ているのだ。
【2】
職場では「こうしたほうが効率的なんじゃないかな」などと気づく
ことがある。こうしたとき「まあいいか」と黙っておくのと、相手
や担当者に「言っておいたほうがいい」と伝えるのと2通りある。
ANAの社員には、この「まあ、いいか」の発想がない。どんな小
さなことでも、気づいたことを「放置」せず、できるだけ「その瞬
間」に伝える。気づいたことがあれば、すぐに伝える。
これがANAの「おせっかい文化」だ。自分自身のことだけに注意
を払うのでなく、仕事をいっしょにする仲間のことにも注意を払い、
気づいたことがあれば口に出して言う。
そうすることで、運航の安全性やお客様へのサービスの質をより高
めることができる。チーム全体としての力を高めることができるの
だ。それらが、結果的に個人の成果にもつながるのだ。
【3】
ANAでは、会話にプラスすることで、お客様にやわらかく伝わる
表現、「マジックフレーズ」を使う。例えば「恐れ入りますが」「お
手数をおかけいたしますが」などだ。
ANAでは、このマジックフレーズを仲間同士でも使う。たとえば、
話しかける際には「○○さん、いま話をしてもいいですか」「お忙
しいところ申し訳ありません」などだ。
こうしたひと言を添えるだけで、気持ちのよいコミュニケーション
がとれる。また仲間同士でも伝えづらいことは「○○してください」
ではなく「○○したほうがもっとよくなるよ」と言い方を変える。
一方、フライト中「すぐに」「その場で」直してもらわなければな
らないことは「今すぐ、こうしてください」と命令や指示をする。
通常の企業なら、これで終わりだ。
ANAでは、このようなやりとりがあった後、指示をした側が、相
手、すなわち指示を受けた側に歩み寄り「どうしてそうしたの?」
「あなたはどう思う?」と行動の「理由」を確認している。
追い詰めるような言い方をすれば「怒られた。非難された」という
印象しか残らず、指摘した内容を受け入れてもらえない。だから、
相手を尊重しながら伝えるのだ。
【4】
ANAの「おせっかい文化」は、お客様に対しても実行される。お
客様が何を望んでいるかを現場でリサーチするのはCAの仕事の一
つだ。フライト中はお客様の要望を聞き出せる格好の機会だ。
「本当は伝えたいことがあるが、言い出すまでもない」というお客
様がいる。そうしたお客様の心の内を見極めるために、私たちは、
「観察する」「想像力を働かせる」「尋ねてみる」の3つを行う。
たとえば、首まで毛布を掛けて休んでいるお客様がいるとして「寒
いのかな」と想像し、「もう一枚毛布をお持ちしましょうか」と尋
ねてみる。
「お願いします」と返答があれば「温かいお飲物をお待ちできます
よ」「お体の具合はいかがですか」と、もう一歩踏み込んで、お客
様の希望を聞くことができるのだ。
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■■選書コメント
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チーム力を強化する本です。ヒントは、社員たちが発する口グセに
ありました。勤続20年以上の機長、CA、整備士たちが繰り返す口
ぐせからチーム作りに大切なことを学びます。
著者は、ANAホールディングス100%子会社のANAビジネスソリ
ューションです。この会社は、ANAグループのノウハウを生かし
て、研修や人材派遣を行う会社です。
メーカー、小売り、サービス業、医療機関、自治体など、業種や業
態を問わず、「超一流接遇やコミュニケーションを学びたい」とい
う会社に受けています。
執筆にあたっては、勤続20年以上の現役社員やOBたちに、インタ
ビューをしたそうです。その中から、口ぐせと、その意味するとこ
ろを理解し、チーム力向上の秘訣としてまとめたそうです。
ANA社員の口グセということで、すごいものを想像していました
が、意外とシンプルでした。たとえば「あれっ、大丈夫」などです。
しかし、根底にある精神を、文化にまで育むのは大変なことです。
たとえば「おせっかい」であることが奨励される文化を作るのは、
簡単なようで難しいと思います。自分が煙たがられるより、言わず
に済ませるほうが、楽だからです。
しかし、その行為のために、防げたはずのトラブルが起きてしまう
かもしれません。だからこそ、おせっかいを奨励するのです。どの
会社も活かせることだと思います。
そんな、チーム力向上のノウハウが詰まっています。小さな会社の
経営者や、マネージャーなどチームを任されている人、そこで働く
人で「チーム力を最大限に高めたい」と考える人にお勧めです。
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