2014/08/22
なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか
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社内政治力の必要性
有能で、長時間働き、会社の規則を守り、あらゆる点でそつがない。にも関わらず、社内で軽く扱われ、昇進できない人たちがいる。いったい、なぜなのか?理由は、社内政治を理解していないからだ。彼らは、政治という問題を避けるか、その存在そのものを否定している。彼らの口癖は、「仕事を見ればわかってもらえる」だ...
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■今週の選書
■なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか
■ジェーン・ホラン
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■■選書サマリー
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社内政治力の必要性
【1】
有能で、長時間働き、会社の規則を守り、あらゆる点でそつがない。
にも関わらず、社内で軽く扱われ、昇進できない人たちがいる。い
ったい、なぜなのか?
理由は、社内政治を理解していないからだ。彼らは、政治という問
題を避けるか、その存在そのものを否定している。彼らの口癖は、
「仕事を見ればわかってもらえる」だ。
他にも「くだらないゲームにつきあう暇はない」「おべっか使いと
思われたくない」などだ。しかし、政治の海をうまく泳ぎ切ること
は、重要なリーダーシップ・スキルであり、成功の礎石だ。
政治とは、本来提携関係を築き、業務を管理するためのものだ。だ
から、政治力のある人が、権力を理解し、手に入れることができる
のは当然なのだ。
【2】
政治は、めったに話題にのぼらない。それでも、政治は存在する。
企業に限らず、NGO、学術研究機関などにも、政治は渦巻いてい
る。組織に身を置く以上、政治から逃れることはできないのだ。
組織の不文律を理解し、職場生活の政治的側面を正しく把握し、上
手に切り抜けるスキルと勘を身につけるべきだ。
政治力は、ネガティブにもポジティブにもなりうる。政治のポジテ
ィブな定義は「組織のために提携関係を築くこと」だ。ネガティブ
な側面は「自分の利益のためだけに提携関係を築くこと」だ。
見識のある人は、職場で政治が働いていることを知りながら、それ
を口にしない。多くの人は、自重して仕事に励んでいれば、政治と
いうゲームに巻き込まれずにすむと信じている。
しかし、政治力を身につけないかぎり、昇進は望めない。それが嫌
で組織を離れる人も多い。だが、起業してからも、政治は不可欠な
スキルだ。仕事をする限り、逃れることはできないのだ。
【3】
「政治」と言う言葉が出たとたん、誰もが腰を引いてしまうものだ。
しかし、実際には、政治力のある人にも、二つのタイプがある。
ネガティブなタイプは「自分のことしか眼中にない策士」だ。一方、
ポジティブなタイプは「組織やグループの利益を第一に考える政治
力のあるリーダー」だ。
「あの人には政治力がある」という囁きを耳にしたら注意するべき
だ。政治力という言葉の定義が曖昧だからだ。本当はポジティブな
意味で使っていても、ネガティブに受け取られがちだからだ。
重役会議室には、政治が渦巻いている。そこで行なわれる政治は、
普通は敵対的でネガティブだ。それでも公職につきたがる人は多く、
それ以上に、多くの人が組織のリーダーになりたがる。
成功したCEOには、例外なく政治力がある。政治認識力は極めて
重要なスキルなのだ。これは、ビジネススクールでも学べない。試
行錯誤を繰り返しながら学ぶスキルなのだ。
政治を理解し、受け入れることは、組織の一員として何が必要かを
知るための第一歩だ。
【4】
政治的スキルが重要なのは、政治力があれば、組織や一部の人間が
誤った方向に向かい始めたとき、不正や偏向や課題を見抜くことが
できるからだ。
政治的スキルのある人は、組織が道を踏みはずしたとき、率先して
声をあげ、注意を促す。リーダーが政治力をもたないために、多く
の人が職を失った例は枚挙にいとまがない。
政治力は、重要なリーダーシップ・スキルなのだ。ビジネススクー
ルや組織は、このスキルを理解し、教えるべきだ。そうすれば、社
員の責任感を育て、優秀な人材を確保できるはずだ。
政治を学ぼうとせず、目立たないようにして、存在感を示さないま
ま、ただひたすら働いている人は、今後、人員過剰やレイオフや、
合併があった際には、真っ先にリストの俎上に載せられる人なのだ。
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■■選書コメント
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職場を生き抜く処世術の本です。「いい仕事さえしていれば、評価
してもらえる」と考えるのは、独りよがりです。いくら仕事ができ
ても、政治力が未熟で干される人はいくらでもいます。
本書は、そんな世界のエリートたちの実例をたくさん紹介しながら、
ビジネスパーソンに不可欠な、政治力の重要性と、その磨き方を教
えてくれます。
もちろん、単なる「社内政治」のレポートではありません。権力の
見極め方や、権力の盛衰を生き抜く方法など、体系化されたノウハ
ウも紹介する珍しい本です。
一般に「社内政治」は日本企業のお家芸で、海外では無縁というイ
メージかもしれません。しかし、本書からわかる通り、実際は、国
を問わず、会社に政治はつきものです。
ただし、本書の推奨する「政治」は、いわゆる縦割りや派閥抗争で
はありません。社内で自分をよく見せ、能力やアイデアを認めても
らう技術です。いわば自分マーケティングの技術です。
社会はますますグローバル化していますから「社内政治」にも世界
標準が求められています。これを身につけなければ、出世はおろか、
生き残りさえ難しいかもしれません。
社内政治など、確かに「つまらないこと」かもしれません。だから
こそ、そんな「つまらないこと」で損をしたくないものです。本書
は、そうならないヒントが満載です。
「いつか世界に羽ばたきたい」と考える上昇志向の人や、「今一つ、
職場で評価されていない」と不安を感じる方はもちろん、すべての
ビジネスパーソンに、一読をお勧めします。
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