2014/10/24
競争からちょっと離れると、人生はうまくいく
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競争から一歩離れる、という人生のコツ
競争社会が激化している。競争は常に「二者択一」を迫り、本当はもっとたくさんあるはずの大事な選択肢をふるい落とす。人生は、多様で豊かなはずなのに、競争がそれを奪っている。もちろん、生きていく上で競争は避けられない。であれば、世の中を心地よく、賢く、いきいきと生きていくすべを身につけていくしかない...
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■今週の選書
■競争からちょっと離れると、人生はうまくいく
■枡野俊明
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■■選書サマリー
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競争から一歩離れる、という人生のコツ
【1】
競争社会が激化している。競争は常に「二者択一」を迫り、本当は
もっとたくさんあるはずの大事な選択肢をふるい落とす。人生は、
多様で豊かなはずなのに、競争がそれを奪っている。
もちろん、生きていく上で競争は避けられない。であれば、世の中
を心地よく、賢く、いきいきと生きていくすべを身につけていくし
かない。
そのためには、競争から「ちょっと」距離を置いてみることだ。そ
のためには「ものさし」を持つことだ。禅の教えには、そのための
ヒントが詰まっている。
重要なのは「ちょっと」というさじ加減だ。一歩距離を置くのが、
コツだ。100歩離れると「ドロップアウト」だ。社会に背を向ける
ことになる。それは逃げであり、そんな生き方では充実しない。
【2】
競争の決着は「結果」でつけられるが、禅は「プロセス」に目を向
ける。「結果」だけに目を向けている限り、競争原理の苦しみから
抜け出すことはできないのだ。
競争は、比較の中でなく、自己の中にある。競争相手を「他人」か
ら「自分」にシフトしていくのが、禅的な「競争からちょっと離れ
るコツ」だ。
「結果」だけ重視して、その過程における自分の頑張りを否定して
はいけない。「結果」だけを追い求める生き方は「自分」を大事に
しない生き方につながる。
禅には「結果自然成(けっかじねんになる)」という言葉がある。
結果は「自然に」出てくるもので、コントロールできるものではな
いという意味だ。だからこそ「プロセス」に目を向けるのだ。
「人事を尽くして天命を待つ」というが、その姿勢が競争からちょ
っと離れる上で重要なのだ。「勝った」「負けた」で右往左往する
のはやめて、自分らしく生きる人生にシフトすることだ。
【3】
仏教の教えの根本にあるのが「中道」だ。白か黒かという、極端な
一方に偏らない姿勢でいることだ。自己主張ばかりして相手を組み
伏せるのではなく、お互いが成り立つ着地点を見つけることだ。
こういう「曖昧さ」こそが、賢く生きる知恵だ。自分の考え方、価
値観だけが正しくて、それ以外は間違っているという生き方では、
必ず軋轢が生まれる。そして、そこに苦しみが生じる。
「自分とは違うが、相手も受け入れる」というのが多様性を認める、
ことだ。そのほうが、ずっとのびやかに、心豊かに穏やかに生きら
れるものだ。
ビジネスも同じだ。どちらも受け入れる「落としどころ」を見つけ
るのがビジネススキルでありセンスだ。そんな日本人的手法は、グ
ローバル化が加速するからこそ生きるのだ。
禅に「不戯論」(ふけろん)という言葉がある。これは「双方に利
益のない議論をするな」ということだ。お互いが相手を忖度(そん
たく)せずに話し合っていると、結局どちらも損をするからだ。
「Win-Win」という言葉があるが、これなどは、まさに敗者を作らな
いということだ。まさしく日本人流だ。日本人が、わざわざ不得意
なグローバル流で勝負することはないのだ。
【4】
他人を押しのけて課長なり、部長なりの地位を勝ち得ても、周囲の
目は冷ややかだ。これに対し、周囲が自然にもり立てたくなるのが
「お先にどうぞ」といえる人だ。
道元禅師は「利行は一法なり、あまねく自他を利するなり」と言っ
ている。誰かのためと、自分のためは同じことだという意味だ。他
人のためになる行ないは、自分のためにもなるのだ。
「お先にどうぞ」は、まさに利行であり、競争から一歩離れる知恵
だ。先を譲れば、自分のところに戻ってきて、周囲から前に押し出
される。これこそが、自分が前に出るべき時機が熟したことなのだ。
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■■選書コメント
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禅の教えに学ぶ「処世の秘訣」です。自分をすり減らさないために、
競争を少し離れて眺めることを学びます。そうすることで「自分に
とって本当に必要なことは何か」が見えてきます。
コツは禅的な「ものさし」を持つことです。それだけで、人生が、
かなり楽になるはずです。そんな「ものさし」を52の教えとして、
紹介します。「ものの見方」が、変わるはずです。
著者は、禅僧でありながら、大学教授で、庭園デザイナーとしても
活躍される方です。そんな著者が、禅の立場から「どうすれば競争
と距離を置けるのか」を教えてくれます。
私たちは、競争の中で生きています。子供のころから、成績やスポ
ーツで競い、評価されてきましたし、社会に出てからも同業者や同
僚と競う日々です。
そんな分かりやすい競争だけではありません。周囲との幸せ比べや、
リア充自慢など、人との比較も一種の競争です。こうして見ると、
「生きる」とは、まるで「競う」ことのようです。
しかし、人は、人と自分を比較したとたんに不幸になります。それ
以前に、ストレスを感じ疲れます。そこで、競争をちょっと忘れて
みます。といっても、簡単ではありません。そこで、本書です。
ユニークなのは「禅の教え」がベースになっている点です。もちろ
ん、著者は優れたビジネスセンスもお持ちの方なので、浮世離れし
た話ではなく、極めて実用的です。
「白黒つけない」「どんな結果も恬淡として受け止める」「野心が
過ぎると臭気を放つ」「マイペースな人ほど、結果が出る」など、
参考になる教えが詰まっています。
野心丸出しで生きてきた人、つい人と張り合ってしまう人など、最
近ちょっと人間関係にお疲れ気味の人にもお勧めします。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2014
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