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2015/05/01
賢く「言い返す」技術

たったひとつで立場は逆転する!

言葉の暴力が社会にはびこっている。それでも、多くの人が、ただ黙って耐えるか、苦笑いをしてごまかすかしている。なす術なく、されるがままでいる。だが、何もせず我慢している限り、相手はますます増長し、言動をエスカレートさせていく。世の中には「性善説」には当てはまらない、攻撃的で、他者の痛みを想像できない人物がいるのだ...

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■■今週の選書
■■賢く「言い返す」技術
■■片田珠美
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■■選書サマリー
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たったひとつで立場は逆転する!

【１】

言葉の暴力が社会にはびこっている。それでも、多くの人が、ただ
黙って耐えるか、苦笑いをしてごまかすかしている。なす術なく、
されるがままでいる。

だが、何もせず我慢している限り、相手はますます増長し、言動を
エスカレートさせていく。世の中には「性善説」には当てはまらな
い、攻撃的で、他者の痛みを想像できない人物がいるのだ。

だから、攻撃に無抵抗でいるべきではない。相手に土足で心に踏み
込まれたのに、抵抗せずにいることは、あなた自身の心を大事にし
ないのと同じだ。迷わず、自分の心を守ってほしい。

【２】

実際に、言葉で攻撃されたら、どう対応すべきか。きつい言葉を投
げかけられたり、上から目線で蔑まれたりしたら、即座に自分自身
の心に応急処置をするべきだ。

なぜなら、攻撃をしてくる人は、あなたに自分の攻撃が届いたかど
うかを確認したがるからだ。たとえば、嫌味を言ったら、相手がそ
れを受けてムッとしたり、傷ついたりしているかを見たがる。

だから、相手の期待通りの反応をすべきではない。ハイエナの絶好
の獲物になるようなものだ。自分も感情的になって、同じ土俵に立
つのも相手の思うツボだ。クールに、醒めて言い返すことだ。

必要なことは、「相手が、なぜそう言っているのか」を分析するこ
とだ。幸福で満ち足りている人は他人を攻撃したりしない。心が満
ち足りていないとか、歪みを抱えているから他人を攻撃するのだ。

だから、攻撃されたら、「相手は、満たされぬ思いを抱えている不
幸な人なのだ」と自分に言い聞かせることだ。こういう気持ちの持
ち方が、自分の心を守るために必要なのだ。

【３】

他人を攻撃する人に限って、こちらに罪悪感を与えるような言い方
をする。しかし、それは向こうの戦略であり、乗ってはいけない。

攻撃的な人と向き合うには、相手の感情と自分の感情に境界線を引
くことだ。相手も、ある程度興奮しているので、それに巻き込まれ
ないように気をつけるべきだ。

そうは言っても、他人から攻撃されると、冷静に醒めていることが
できず、ショックで固まってしまうこともある。そのせいで、相手
にナメられることもある。

しかし、そういう場合は、感情を抑え込もうとせず、そのまま出し
たほうがいい。というのも、こうしてため込んだ感情が、後から体
にまで影響し、寝込んでしまうことがあるからだ。

ただし、泣きながらでも、相手の顔を見ることが大切だ。「私はこ
んなことぐらいでは、あなたから逃げません」という意思表示をす
るのだ。

そして、大切なことは、ガンガン攻撃されても、心の中で「これは
場数を踏んでいる状態なんだ」と自分に言い聞かせることだ。「経
験を積むことができた」と思えばいいのだ。

【４】

へりくだった態度や、礼儀正しい対応を示せば相手が変わるなどと
いうことは期待すべきない。「この人は、そういう人なんだ」と思
うべきだ。

世の中には、性善説で考えてはいけない人が確実に存在するのだ。
誰に対しても優しく温厚な姿勢を崩さない「いい人」であればある
ほど、攻撃されやすいのだ。毅然とした態度をとるべきだ。

人間の性格は、本質的なところでは、それほど変わらない。「三つ
子の魂百まで」という諺の通りだ。ただ、自分を他人にどう見せる
かは変えられる。

そもそも、誰もがある意味「多重人格」だ。見せる人格は、会社、
友人の前、家族の前などでそれぞれ違うはずだ。誰もが何通りもの
人格を使い分けている。常に「いい人」である必要はないのだ。

もちろん、悪意からではなく、自分のために叱ってくれる場合もあ
る。見極めには、自分の心や体を信じることだ。批判され、ひどく
疲れたり、心が落ち込む場合は、悪意のある攻撃と見なすべきだ。

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■■選書コメント
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「言葉の暴力」に対する効果的な対処法を教える本です。攻撃的な
人の心ない一言を、賢く退治します。どんな人からも自分を守れる
「護心術」を教えてくれます。

世の中には「言葉の暴力」がはびこっています。ターゲットにされ
ると、とたんに生きづらくなります。しかし、放置していても問題
は解決しません。だから対処が必要です。

本書には、そのための方法が書いてあります。相手を言い負かすの
でなく、攻撃を空回りさせたり、上手に反撃したりして、人間関係
も保ちながら、二度と繰り返させない対応術です。

著者は、精神科医で、大学の講師ということで、お堅い本を連想さ
れるかもしれません。しかし、心配は無用です。ケーススタディを
中心に、読みやすく、わかりやすく書かれています。

たとえば、攻撃する人を「王様タイプ」「お子ちゃまタイプ」「置
き換えタイプ」「トラウマタイプ」などに分類し、その上で、具体
的な対処法を紹介してくれます。

もちろん、相手が、職場の上司や先輩、お客様などの場合は、力関
係もあるので、対応が難しくなりそうです。本書は、そうしたケー
スも想定して、波風を立てずに撃退する方法を紹介します。

職場の人間関係だけでなく、友人や家族なども想定しています。明
日から使えるフレーズや対処法が満載ですから、自分を守る強力な
武器になるはずです。

相手の物言いに悩まされ「本来の力が発揮できない」「毎日が楽
しくない」「大きなストレスを感じて参っている」という人はもち
ろん「そうなったら困る」という人にも、一読をお勧めします。

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