2015/05/08
読んだら忘れない読書術
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「記憶に残る読書術」3つの基本
健康、お金、時間、人とのつながり、自己成長、自己実現など、人生に大切なものは色々ある。これらをすべて与えてくれるのが読書だ。「本を読んでも忘れてしまう」という人は多い。覚えていないということは「知識」として定着していないということ、つまり「その読書は何の役にも立っていない」ということだ...
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■今週の選書
■読んだら忘れない読書術
■樺沢紫苑
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■■選書サマリー
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「記憶に残る読書術」3つの基本
【1】
健康、お金、時間、人とのつながり、自己成長、自己実現など、人
生に大切なものは色々ある。これらをすべて与えてくれるのが読書
だ。
「本を読んでも忘れてしまう」という人は多い。覚えていないとい
うことは「知識」として定着していないということ、つまり「その
読書は何の役にも立っていない」ということだ。
そんな「読んでも忘れてしまう読書」で、年に100冊読んでも時間
の無駄だ。仕事や生活の場で役に立つこともない。実践できそうな
ノウハウに出会っても、覚えていなければ実践できないからだ。
それでは自己成長に結びつくはずもなく、ただの「読んだつもり」
になっただけの「自己満足読書」だ。だからといって、じっくり、
丁寧に精読しても、それだけで記憶に残るわけではない。
必要なのは、読んだつもりにならない、読んだら忘れない、本物の
読書だ。これをするには、コツが必要だ。それを、精神科医として
の観点から、脳科学的裏付けのある方法を紹介したい。
【2】
効果的な読書をするためには、まず読書で最も重要な柱、読書術の
基本原則ともいうべき「3つの基本」をおさえることだ。
1つ目の基本は、読んだら記憶に残すことだ。人間の脳は「重要な
情報」以外、全て忘れるようにできている。脳が重要な情報と判断
する基準は「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」だ。
何度も利用される情報というのは、1週間に3回アウトプットされ
る情報のことだ。だから、効果的に記憶するなら、最初のインプッ
トから7~10日以内に3~4回アウトプットするべきだ。
次に「心が動いた出来事」とは、喜怒哀楽など激しい情動の変化が
伴う出来事のことだ。心が動くと、記憶に残るのは、喜怒哀楽にと
もなって、記憶力を増強する脳内物質が大量に分泌されるからだ。
科学的なデータによって記憶力のアップが確認されている脳内物質
には、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフ
ィン、オキシトシンなどがある。
【3】
2つ目に、スキマ時間を利用することだ。東京に通勤するサラリー
マンの通勤時間は、平均1時間だ。往復2時間だから、1日1冊は
無理でも、2~3日あれば1冊読むには十分な時間になる。
スキマ時間で1日1冊読み切るにはコツがある。外出前に「今日は、
帰宅までにこの本を読み終える」と決めることだ。「目標を設定す
る」のだ。
目標設定するだけで記憶強化物質であるドーパミンが分泌される。
漠然と読むより記憶に残る。また制限時間などが迫ったハラハラし
た状態ではノルアドレナリンが出る。やはり記憶に残りやすくなる。
人生の1割に相当するスキマ時間を「浪費」に使うのか、それとも
「自己投資」に使うのか。この時間の使い方次第で、あなたの人生
は変わるのだ。
【4】
3つ目の基本は「速読」より「深読」を意識することだ。読書は、
量よりも「質」だ。「速く読む」より「きちんと読む」ことを重視
するべきだ。
読むスピードは、あまり意味がない。30分で1冊読めても、内容を
説明できなかったり、その本について議論できないなら意味がない。
記憶に残らず、自己成長もしないならお金と時間の無駄だ。
本を読むなら、それが自分の血肉となる読み方をするべきだ。本か
ら学びと気づきを得て「議論できる水準」にまで内容をきちんと理
解するように「深く読む」読み方をすることだ。
「内容について議論できる水準」というと、かなりハードルが高い
ように思える。だが、飲み会で1冊の本についてみんなで10~20分
話し、盛り上がれれば十分だ。
「深読」は、読書の必要条件だ。「深読」できるようになって、は
じめて、より速く読む「速読」や、よりたくさん読む「多読」を目
指すべきなのだ。
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■■選書コメント
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読書術の本です。読んだら、内容を忘れないことで、仕事や生活の
場に生かすことができるようになります。
せっかく本を読んでも、時間が経つと読んだ内容を忘れてしまいま
す。だから、何度も同じような本を読み続け、それでも自分は相変
わらず・・・そんな悪循環を繰り返す人は少なくありません。
読書は、内容を実践し、自分を変えてこそ意味があります。そのた
めには、読んだ内容を覚えていることが不可欠です。その方法をわ
かりやすく教えてくれます。
本書がユニークなのは、単なる著者の体験談に留まらないことです。
精神科医の著者が、脳科学の研究成果に裏付けられたノウハウを公
開しています。
はじめに、読書の魅力と3つの基本原則を紹介し、続いて「アウト
プット」と「スキマ時間」という2つのキーワードで、記憶に残る
読書のメカニズムを解説していきます。
さらに、著者自らが実践する読書術を紹介します。著者自身、毎日
ソーシャルメディアなどでアウトプットしながら、月30冊以上の
本を読むそうです。そんな読書家が実践する読書術が学べます。
その内容は、ソーシャルメディアの第一人者としても知られる著者
らしく、最新のメディアを駆使する方法です。著者の強みを生かし
て編み出された、ユニークで画期的な読書術です。
何より「読書の多くが無駄になっている」ことを指摘し、さらに、
「どうすれば忘れないのか」の具体的な方法まで紹介した点に本書
の意義が大きいと思います。
日頃からよく本を読む勉強熱心な方で「もう少し内容を記憶にとど
めておきたい」と、問題意識を持っている方に一読をお勧めします。
★本書の詳細、お買い求めは、
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