2015/07/10
頭は「本の読み方」で磨かれる
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読書で鍛える考える力
本は、脳を育てる上で最良の肥やしだ。映画や映像、音楽などもいいが、本はいちばん「情報の濃縮度」が高いのだ。脳に一刻一刻膨大な情報が入ってくるのを、最後に「要するにこういうことだよね」という形にまとめ上げるのが「言語」だ。つまり、言語は、脳の情報表現の中で、最も圧縮されたものなのだ...
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■今週の選書
■頭は「本の読み方」で磨かれる
■茂木健一郎
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■■選書サマリー
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読書で鍛える考える力
【1】
本は、脳を育てる上で最良の肥やしだ。映画や映像、音楽などもい
いが、本はいちばん「情報の濃縮度」が高いのだ。
脳に一刻一刻膨大な情報が入ってくるのを、最後に「要するにこう
いうことだよね」という形にまとめ上げるのが「言語」だ。つまり、
言語は、脳の情報表現の中で、最も圧縮されたものなのだ。
文章は、たった一行でも無限の単語の組み合わせから、選りすぐら
れて成り立っている。まして200ページ以上もある本に並んでいる
言葉の配列は、宇宙の歴史上、二度と表れるものではない。
すべての本は、限りなく広がる暗黒の「言語の宇宙」において、あ
る時、奇跡的に凝縮され、表れた結晶のようなものなのだ。
その圧縮された言葉をしっかり受け取れば、脳の中でじわじわと味
わいが広がり、一生の肥やしとして消化されていくことになるのだ。
【2】
読んだ本の数だけ、高いところから世界が見えるようになる。これ
が読書のメリットだ。そして、その足場は、読むジャンルが多けれ
ば多いほど、より安定する。
「本を読むと足場ができる」。この現象を脳科学の言葉で表現する
なら、脳の側頭連合野にデータが蓄積されていくということだ。
側頭連合野とは、記憶や聴覚、視覚をつかさどる部分で、その人の
「経験」をストックする機能を持つ。つまり「本を読む」というこ
とは「自分の経験を増やす」ことなのだ。
「読む」ということは、自分とは違う人間の考え方や人生を追体験
することだ。書き手の思考の道筋をたどり、自分以外の人間の感じ
方や考え方を、自分のペースで発見していく。
だからこそ、今までの自分とは違う目線ができていくのだ。これが
読書の魅力なのだ。
知性とは「どれだけ、たくさんの人の立場で考えられるか」だ。そ
の力は「読む」ことで養われる。知的活動の現場で、実際に重要視
されているのが、積極的な読書なのだ。
【3】
いくつになっても脳は鍛えられる。脳は「快楽」を基準に成長する。
「これをやってよかった」ということがあると、脳は「それをまた
やりたい」と思う。この単純さを活かすべきだ。
うれしいことがあると、脳の中に「ドーパミン」という物質が放出
される。あることをやってドーパミンが出ると、その行動を取る回
路が鍛えられる。
そして、最もドーパミンが出るのは「自分には無理だ」と思ってい
たことができた時や「起こらない」と思っていたことが起きたとき
だ。
自分にとって「読み切れてうれしい」と感じられるような、簡単す
ぎず、難しすぎない程度の本に挑戦するべきだ。自分なりの難易度
を設定しクリアする。そのくり返しで、気づけば読書が楽になる。
そして「もっともっと知りたい」と読書に積極的になれる。少しず
つ難しいことを探していけば、脳は飽きることがない。そのうち、
並の人には真似のできない所まで辿り着くのだ。
【4】
本は、生活の「ワクチン」だ。ワクチンは、病原体を体内に少しだ
け取り込むことで、病原体と戦う「抗体」を体に作らせる。
書かれていることがそのまま実現したら、社会が不安定になって困
ることもある。そういう悪や闇を知り、向き合うことで、心が健康
になったり、強くなったりする。つまり「免疫力」ができるのだ。
また、知っていれば、自分の身に降りかかってきた時の対処の仕方
に差が出る。「知らないままでいよう」と潔癖を保つより、知った
ほうがいいこともある。これが「ワクチン」という意味だ。
今の世の中のあり方に、そのあり方とは違った方向性を示すことで、
人びとが今の生活をよりよく生きられるようになる。これも本にで
きることなのだ。
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■■選書コメント
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あの脳科学者、茂木健一郎さんの、頭を良くする読書術です。本は、
頭を鍛えます。ただし、それは読み方次第です。本書は、頭を鍛え
る正しい読み方を教えてくれます。
いわゆる読書術の本と違い、目的を「頭を鍛えること」に据えてい
ます。そのため、読書術以外にも「なぜ、読書が頭に効くのか」な
どを、最新の脳科学の研究成果に基づいて教えてくれます。
特に、科学にとどまらず、文学、芸術、経済学にいたるまで、幅広
い知識と知性を持つ脳科学者が、何を考え、どう読んでいるのかが
わかるユニークな読書ガイドです。
本書は、あくまでも読書を手段として活用するというスタンスです。
だから、「積ん読」を肯定したり、雑談や人に訊くことを勧めるな
ど、必ずしも「読むことありき」ではありません。
読むべきとして取り上げられる本も、ビジネス書に限らず、文芸書
から学術書、はたまた漫画まで、あらゆるジャンルを幅広くカバー
しています。
なお、本書では著者が人生に向き合う上で役立った本を10冊厳選
し、紹介、解説しています。さらに、巻末には、本書に登場するす
べての著書がリストになっており、とても便利です。
この中から、気になったものを選んで読めば、人生のヒントになる
はずです。頭も鍛えられ、仕事にも日常成果にも、変化が起きるは
ずです。
「本を読みたいが、効果的な読み方が分からない」「たくさん読ん
できたが、いまいち役立っている気がしない」という人はもちろん、
「頭を良くしたい」「脳を鍛えたい」という人にお勧めです。
★本書の詳細、お買い求めは、
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