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2015/09/18
私はいくら?
会社がつけるあなたの値段
バブルが崩壊してから「いかにリストラをするか」が重要な経営指標になる不毛な時代が続いた。それがひと段落して、企業はようやく「企業価値」を高めることに注力するようになった。「企業価値」を高めることこそが、経営者の最重要ミッションだ。まともな経営者でそれを否定する人はいない。上場会社であれば、その努力をしなければ、株主から訴えられてしまう...
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■今週の選書
■私はいくら?
■野口真人
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■■選書サマリー
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会社がつけるあなたの値段
【1】
バブルが崩壊してから「いかにリストラをするか」が重要な経営指
標になる不毛な時代が続いた。それがひと段落して、企業はようや
く「企業価値」を高めることに注力するようになった。
「企業価値」を高めることこそが、経営者の最重要ミッションだ。
まともな経営者でそれを否定する人はいない。上場会社であれば、
その努力をしなければ、株主から訴えられてしまう。
そう考えると、現代の企業が評価し、必要とする人材は「企業価値」
の増大に貢献する人、つまりキャッシュを生む人だ。この条件さえ
満たしていれば、会社はその人を絶対に手放さない。
【2】
企業の現在価値は「今どれだけ資産を持っているか」でなく「将来
どれくらいのキャッシュフローを生むか」で決まる。企業や事業の
「現在価値」を求めるには、複雑なロジックが必要だ。
しかし、その根幹にあるのはたったひとつの、単純な計算式に過ぎ
ない。すなわち、「現在価値=将来の平均キャッシュフロー÷割引
率」だ。
「キャッシュフロー」とは、売上高から費用を引いて手元に残る「お
金の流れ」のことだ。厳密にいえば異なるが、わかりやすくいえば、
「利益」と考えていい。
また「割引率」とは、その企業に固有に定められた金利のことだ。
ただし、普段よく見かける銀行預金の金利などとは、まったくの別
の物だ。
この計算式を用いることで、あらゆる企業の価値が評価できる。さ
らに、企業の価値だけでなく、特定のビジネスの価値や金融資産の
価値、そして「人の価値」さえ、求めることができるのだ。
あなたの「現在価値」は、あなたが将来生み出す「キャッシュフロ
ー」を、あなたの「割引率」で割った値だ。自分の価値を高めると
いうことは、この「現在価値」を高めることなのだ。
【3】
ファイナンス的に考えれば、自分がやるべきことは見えてくる。た
とえば、ある人が英語を勉強しようとして「A校とB校、どちらの
英会話スクールに通うか」迷っているとする。
A校では、高度なビジネス英語が学べるが、受講料は100万円と高
額だ。一方、B校で身につくのは日常会話程度のレベルだが、受講
料は、わずか5万円で済む。
「受講料が高くても、将来役に立つかもしれないからA校へ行く」
のも「とにかく安く抑えたいからB校へ行く」のも間違いだ。直感
的な判断に過ぎないからだ。正解は、置かれた状況で変わるのだ。
「ビジネス英語を学べば、給与が受講料の100万円以上増やせる」
と考えるなら、A校を選ぶべきだ。一方「海外旅行で少し話せれば
良い」程度なら、B校を選ぶのが正しい。
目先のことではなく、将来を見据えて100万円か5万円かを吟味す
べきだ。その上で、投資以上のリターンがあるなら、そこに投資を
する。それが「ファイナンス的に考え、判断する」ことなのだ。
【4】
ファイナンス理論は、企業の現在価値をはじめとする「モノの適正
な値段」を求めるために編み出された理論だ。モノの値段がわかれ
ば、価値の低いものに大枚をはたくようなミスはなくなる。
そして「いいものを安く買う」「将来性のある分野に投資する」と
いう判断ができるようになる。多くの企業が、このようなファイナ
ンスの視点を持つ人材を求めている。
背景にあるのは、意思決定のダウンサイジング化だ。経営にスピー
ドが求められるようになり、現場のマネジャークラスも、重要な意
思決定に携わる機会が増えているのだ。
これからの時代、ファイナンスはミドルクラスの必須教養だ。経営
に関係ない部門の社員でも、ファイナンスを知らなければ活躍でき
なくなる。今のうちに、身につけておくべきなのだ。
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■■選書コメント
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会社が手放したくなくなるような、優れた人材になる方法を学びま
す。教えるのは、2000件以上の企業価値評価に携わった、ファイナ
ンスのプロです。企業価値の評価を応用して、分かり易く教えます。
これからは、誰もが「自分の値段」、すなわち「自分の価値」を、
正しく把握する時代です。そして、いつもその価値を高めていくこ
とが求められる時代です。
自分の絶対的価値を高めていくことができれば、どんな会社からも
引く手あまたです。そういう人材になるために、何をすべきか「フ
ァイナンス」の観点から解き明かします。
「頑張っているのに、評価されない」と感じる人は、会社が人を評
価する時の考え方がわかっていないのかも知れません。頑張りの方
向性が間違っているのかもしれないのです。
一言で言えば、会社は「会社を稼がせる人を評価します。本書では、
それを公式で表現しています。と言うと、複雑な公式がたくさん掲
載されている様子をイメージするかも知れません。
しかし、本書に登場するのは、たったひとつ「現在価値=将来の平
均キャッシュフロー÷割引率」だけです。これを人材の価値評価に
当てはめ、分かり易く詳しく解説してくれます。
この公式を理解するだけで、会社から見た「デキる人」が、どうい
う人か、客観的にわかるようになります。その上で、努力すれば、
努力の方向性も間違えません。
これから社会に出る人から、社会に出たばかりの人、今の会社で、
もっと頑張りたい人や、もっと出世したい人はもちろん、転職や起
業を考える人にも一読をお勧めします。
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